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『万引き家族』
第71回カンヌ国際映画祭レポート 第1弾

2017-05-15 更新

リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林
城 桧吏(子役)、佐々木みゆ(子役)、是枝裕和監督

万引き家族manbiki-kazoku

配給:ギャガ
6月8日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
© 2018『万引き家族』 製作委員会

 6月8日より公開となる是枝裕和監督『万引き家族』が、第71回カンヌ国際映画祭「コンペティション」部門に正式出品されたことを受け、是枝監督、リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林、城 桧吏、佐々木みゆの7名がカンヌ入りし、レッドカーペットを歩き会場入り、世界の観客を前に公式上映が行われた。


【レッドカーペット】

manbiki-kazoku カンヌの澄み渡る夜空の下、大勢のマスコミや観客があふれる中、仲良く手をつないでレッドカーペットに登場したのは、イタリアのファッションブランド、アルマーニのタキシードでビシっとキメた是枝監督、アメリカのファッションブランド、ジョン・ローレンス・サリバンのタキシードにハットを合わせクラシカルに着こなしたリリー・フランキー、フランスのファッションブランド、ルイ・ヴィトンのローズピンクのロングドレスに同じくルイ・ヴィトンのハイヒール、フランスのジュエリーブランド、ヴァン・クリーフ&アーペルのイヤリングとリングでエレガントにその存在感を示した安藤サクラ、manbiki-kazokuイタリアのファッションブランド、エトロの白いレースドレスにフランスのジュエリーブランド、ブシュロンのイヤリングとリングにイギリスのブランド、ジミーチュウのハイヒールで若々しく着こなした松岡茉優、和テイストのブラックコーディネートで独自のスタイルを披露し、さすがの貫禄をみせた樹木希林、アルマーニのタキシードに身を包んだ城 桧吏くん、白のドレスをキュートに着こなした佐々木みゆちゃんの7名。

 劇中曲である細野晴臣の心地良い音楽に合わせ、緊張するみゆちゃんに安藤が優しく声をかける様子も見られるなど、まるで本当の家族のような雰囲気をまとい、世界から集まった観客やメディアの歓声に笑顔で応え手を振るなどしてゆっくりと会場へと進んだ。

manbiki-kazoku レッドカーペットを歩く前にインタビューを受けた是枝監督は、カンヌについて問われると「何度来ても幸せな気分になれる。帰ってこれてうれしい」とコメント、今作のテーマについては「社会と家族の接点を描こうと思う中で、社会性を強く出したつもりです。それもあって“万引き”という言葉がタイトルにも入っているのが、すごく印象的だなと思います」、是枝監督の家族の像というのは進化してみえるという意見については「進化しているというのはよく分からないけど、血縁だけではない繋がりを求めた人たちの話というのをどうしてもやりたかったので、『そして父になる』以降に自分が向かうべきテーマだと思ってましたから、そういう意味では自分の中では一歩先へ進めたつもりではいます」と回答した。


【上映後】

 2200席の会場は満席、万雷の拍手で迎えられた、是枝監督とキャストたち。日本の都会の片隅に埋まった家を舞台にした家族の物語は、しっかりと世界の観客の心に届いたようで、エンドクレジットから拍手が始まり、会場が明るくなると全観客総立ちで、ブラボー!や口笛や声援も混じり拍手喝采!manbiki-kazoku 観客の中には感動で涙を浮かべる人も見られるなど、温かい空気がダイレクトに伝わったようで、是枝監督とキャストの目にも思わず光るものが浮かび、リリーにおいては眼鏡をとり、涙を拭う姿も見られた。

 是枝監督は、リリー、安藤、松岡、樹木に握手やハグ、会場を360度見渡し、キャストと共に観客全員に手を振るなど歓声に応えた。全く鳴り止みそうもない拍手を切り上げようと是枝監督が移動するも、拍手は続きあまりの盛り上がりについには通路で立ち止まるほど。約9分間にもわたるスタンディングオベーションに、毎回監督に帯同するスタッフからは、こんなに盛り上がって温かいスタンディングオベーションは初めてといった声も上がるなど、まさに会場が一体となってこの傑作の誕生を喜び合った。場内を出たところでも、海外のファンに囲まれ拍手や賞賛コメントを浴び、大好評のうちに公式イベントを終えた。


【日本メディア向け囲み取材】

作品への反応に対する手ごたえは?

是枝裕和監督: 出来上がって間もないので、直したいところはないかというのを確認しながら観てるような状況ではあるんですが(笑)、ただ、2時間緊張感失わずに作れたなと思っていたのでちょっとホッとした部分と、終わった後の拍手が夜中にも関わらずあんなふうに温かくそして長く頂けたので本当によかったと思います。

樹木希林: わたしも監督と同じ気持ちです。

リリー・フランキー: 改めて大きなスクリーンで観てまた今までと違う感想が浮かびましたし、監督が仰っているようにまだ撮影から間もないので、今回はやっと観る側の立場として観られた気がするのですが、改めて素晴らしいと思いました。最後頂いた拍手とか、お付き合いでしているのではなく、皆さんの表情から本当に想いの入った拍手だと感じたので、すごい良い経験をさせていただきました。

安藤サクラ: わたしも今日(観るのが)二度目なんですけど、自分が出ていることも考えずに一観客として映画に集中して観てました。カンヌの大きなスクリーンで、隣で監督と一緒に観ることにちょっと緊張しつつ、上映後は大きな拍手を頂いて、あの盛り上がり方を受けて、なんという作品に参加させてもらえたんだろうとまだその興奮が冷めていない状態です。

松岡茉優: 私は初めてカンヌ映画祭に連れてきてもらいましたが、観客の皆さんが正装で劇場もとても大きく、大人数の中で一緒に映画を観るという体験がすごく新鮮でした。そういう空間だからか一体感もあり、この大人数の方々が同じ時間でこの作品についていろいろなこと考えているんだろうなと思うと、素敵な時間でした。


賞への手ごたえは?

是枝裕和監督: 意気込みとか手ごたえという質問が一番答えにくいので、いつもなるべくはぐらかしていたんですけど……。それ以上言えないんですけど(笑)、でも、客席との一体感もある良い上映だったと思います。


伝えたかったメッセージはカンヌで伝わったと思いますか?

是枝裕和監督: 意気込みと手ごたえというのと同じくらいメッセージというのが答えにくい質問でして(笑)。でもまぁ、“血を越えて繋がる家族というのがありうるのか”というのを自分なりに考えながらつくった映画です。今日一日取材を受けていた13人くらいの記者の内3人くらいは「実は自分が養子で……」という方がいて、すごく切実なんですよ、血縁がなくても家族をつくることはできるのかということが。この映画はある種特殊な家族を描いてはいますけど、メッセージかは分かりませんが、根底に流れている問いかけみたいなものは普遍的なものがあるかもしれません。


カンヌに到着してから今日まで、どんな気持ちで過ごしましたか?

是枝裕和監督: いつもは公式上映とフォトコール、記者会見が同じ日で、公式上映でほぼ疲れきっているんですが(笑)、今回は順番が逆になって明日がフォトコールと記者会見だということもあり、比較的今日は余裕があります。取材は何個か受けましたけど、ブラブラキャストの皆と公式グッズを買ったり、会場に設置されている遊具で子供たちと遊んだりして、良い一日でした。


公式グッズは何を買いましたか?

是枝裕和監督: デニムでできてるトートバックは買いました。今年は例年に比べて公式グッズのセンスがいいなと。

リリー・フランキー: 監督と一緒にグッズ観てたら、2人ともポーチを見てて、年取るとカバンにポーチが増えますよねって話していたんですよ。ポーチの中には胃薬とか常備薬を入れてます(一同笑)。

松岡茉優: 公式グッズ、めっちゃ買いました! ノート、ボールペン、トートバック、マグカップ、ミラー、缶、Tシャツ……おそらく全種類ひとつずつは買わせていただいたと思うんですけど、日本円に換算してびっくりしました、ユーロって恐いですね……。でも大事に使います(笑)。


カンヌに来てやろうと思っていることは?

manbiki-kazoku樹木希林: 特にないです。雨が降ってとてもよかったなとは思います。いつもお天気で、カンヌってそういうところだって思ってたから。土砂降りになって雷が鳴ってたんですけど、日本から飛行機に乗っているとき、わたしの席に雷が落ちて、天井が壊れたんです。客室乗務員にすごい剣幕で酸素マスクをつけろって言われたりしましたけど、事なきを得てツイているなと思って、うれしかったです。

リリー・フランキー: 以前来た際は、着いてから帰るまで一回も雨が止まなかったので、こんな天気の良いカンヌは初めてで、散歩もしましたし、時間にも余裕があってカンヌ自体を楽しめました。

安藤サクラ: うちの母の兼ねてからの夢がいつか誰かにカンヌに連れていってもらうことだと小さいときから聞いていて、今日は母の日ですし、ここはいっちょ親孝行したろって思いまして(笑)、母を連れてくることができました。まさか末っ子の私が、やっと母の夢を叶えてあげることができてよかったなと思います。

松岡茉優: カンヌは、端から端まで歩いて30~40分でいけると聞いていたんですけど、道が東京とは違ってデコボコしていて半分くらいしか歩けなかったので、明日は遠くまで歩いてみたいと思います!


カンヌ映画祭はどんな意味を持っていますか?

是枝裕和監督: 自分が関わっている「映画」という仕事を、もう一度背筋を伸ばして見つめなおす場所です。

樹木希林: 私は、後期高齢者なんでだいたい何も感じなくなってきてしまっているので。

リリー・フランキー: 僕は華やかなところがそんな得意ではないんですけど、華やかなんだけど映画好きが集まっているということもあるのか、僕にとって心地良いものに感じています。

安藤サクラ: とっても難しい質問で……というのも、母の夢だったりとか、小さいときから自分の家族も映画でいつかカンヌにというのを夢見てきているので、わたしの夢とか憧れというよりももっと違う場所にある高い山で、そこにひょいと監督に連れてきてもらっちゃったという感じなんです。またカンヌ国際映画祭というものが私にとってきっと形が変わるんだろうなって思っていて、なので今は一言では言い表せないです。でも今回来ることができて、今この話をしていて胸がグッとくるようななんとも言えない気持ちです。

manbiki-kazoku松岡茉優: カンヌのきれいな街並みを歩きながら思い出したのが、オーディションのときにちょっと年齢が今回の設定より若めだったんです。だから幼くみせたくて、ウェーブのかかった髪をストレートにして子供っぽくしていったんですけど、ストレートにしてよかったなって……というのもあったし、私みたいに、飛びぬけて華やかなルックスじゃなかったりとか秀でたものがない人も、チャンスとかラッキーとか奇跡ってあるんだなって思って。でもそれがチャンスとかラッキーじゃなくて、私が頑張りましたって胸を張って、ここにまた戻ってきたいなと思ったので、これからも頑張ります。

樹木希林: 今日こうやって良い状態で立っていますけど、いいだろうな~って思っていた映画でも評判が星ひとつふたつだったりする後の反応もまたこれも味わい深いもの(一同爆笑)。でもね、今日のこの反応は監督のお陰だとつくづく思いますので、監督にお礼をいってこの場を締めさせていただきたいと思います(一同笑)。



(オフィシャル素材提供)




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