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『ひとくず』
第45回湯布院映画祭 舞台挨拶

2020-11-22 更新

上西雄大(主演・監督・脚本)、古川 藍、徳竹未夏

ひとくずhitokuzu 配給:渋谷プロダクション
全国順次公開中
© YUDAI UENISHI

 映画『ひとくず』は、3歳まで戸籍がなく、実の父親が母親に日常的に手をあげているのを見て育った、「居場所のなさ」「弱者」を身をもって知っている監督・脚本・編集・プロデューサーの上西雄大が、30年以上児童相談所に勤務している児童精神科医師の楠部知子先生から「虐待してしまう大人もまた傷ついている」という実態を耳にし、傷ついた子どもだけでなく、虐待をしてしまう大人にも眼を向けてあげてほしいと制作した感動のエンターテイメント。

 ロンドン国際映画祭で外国語部門最優秀作品賞(グランプリ)と最優秀主演男優賞(上西雄大)を受賞した本作は、長野千石劇場にて上映中。そのほか、よしもと南の島パニパニシネマ(沖縄)で11月27日より、福山駅前シネマモード(広島)で12月4日より、元町映画館(兵庫)で12月12日より、玉津東天紅で2021年2月9日より上映することが決定している他、横浜シネマジャック&ベティ、土浦セントラルシネマズ(茨城)での上映が決定している。

 この度、大分県由布市湯布院公民館で第45回湯布院映画祭の特別招待作品として上映され、上映後のシンポジウムには監督、脚本、主演などを務めた上西雄大のほか、北村凛役の古川藍、金田佳代役の徳竹未夏が出席した。


 作品によっては辛辣な批評も飛び交うことでも有名なシンポジウムは、「素晴らしい作品でした」という絶賛のコメントから幕を開けた。かつて湯布院映画祭で万雷の拍手を受け、高く評価されたことをきっかけに全国で爆発的なヒットとなった映画『竜二』。会場に来ていた「金子正次-竜二を語り継ぐ会」のメンバーは、「主演の上西さんはどこか金子正次を彷彿とさせ、かつて同じように湯布院映画祭のトリを飾り、観客を熱狂させた無名の作品『竜二』に通ずる熱があった」と絶賛。緊張した面持ちで臨んでいた上西が涙を拭う場面も。




 また、本作で真正面から描かれた子どもの虐待に関して「どうしてもこの映画で描きたくて、たった一晩で脚本を書き上げた」と怒りを込めて語った上西監督の言葉に呼応するように会場からは「子供食堂をしているものですが、子供食堂にも虐待されている子どもたちがたくさんいます。このような映画を作ってくれてありがとうございました」という言葉も。多くの人たちが、日本中に蔓延し、簡単には無くならないであろう虐待に関しての意見を次々に語り、脚本を書き上げた上西の強い願い通り、一つの作品が虐待を受ける子どもたちを救う光となることを証明してみせた。




 その後も、客席からは絶賛のコメントが相次ぎ、熱く盛り上がったシンポジウムとなったが、最後に歯に衣着せぬ辛辣な批評で有名な映画祭の常連客がマイクを持つと、会場は緊張感に包まれた。だが、開口一番「由布院映画祭の最後を飾るに誠にふさわしい作品を上映していただいた」と絶賛。上西とともに登壇した古川と徳竹に「2人とも素晴らしい。今、いろいろと問題になっているのは、子どもがあるにも関わらず男に引きずられて子どもの人生を無茶苦茶にしてしまう女性がいるということ。肉欲に走る女としての浅ましさを、二人の女優が肉体でそれを演じられた。あまりにも生々しいから、こういう女性が増えてるなと実感できました。物凄いゲスっぽさこそが真骨頂」と子どもたちに虐待を加える二人の母親の演技を高く評価。本作で、プロデューサー、脚本家、監督、主演を務めた上西の手腕に対しても「クリント・イーストウッドは何もかもこなして、映画としての完成度も高いものを作られてる。彼に比べたら監督は半分くらいの人生だから前途洋々ですよ。この映画は知らん役者さんが多かったですけど、それもまた生々しい。有名な方ばっかり起用されてると俳優とダブってリアルな感じがしないから。木下ほうかさんと数名以外私は知らなかった。本当にもっと多くの人に観ていただきたいと、私は今日声を大きくして言いたい」と約5分間に渡って鑑賞後の昂奮を熱っぽく語ると、会場からはその言葉に同意するような万雷の拍手が送られた。


hitokuzu

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(オフィシャル素材提供)



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