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舞台挨拶・イベント

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『寝ても覚めても』トークショー

2017-08-14 更新

黒沢 清監督×濱口竜介監督

寝ても覚めてもnetemosametemo

配給:ビターズ・エンド、エレファントハウス
9月1日(土)、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
© 2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS

 9月1日(土)より、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国公開となる映画『寝ても覚めても』。この度、映画の公開を記念して行われる「濱口竜介アーリー・ワークス Ryusuke Hamaguchi Early Works」のプログラムの一部として、8月11日、18日にテアトル新宿にて、豪華トークショー付オールナイト上映が開催。第一弾となる11日(土)のオールナイトゲストに巨匠、黒沢 清監督が登壇した。東京藝術大学にて教師生徒として関係を築いてきた二人。当時の貴重な話や、上映作品『ハッピーアワー』、そして新作『寝ても覚めても』の話まで贅沢なトークショーとなった。


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黒沢監督絶賛! 『ハッピーアワー』はものすごく驚きで感動的作品

 この日に上映された作品は当時数々の映画祭にて主要賞を受賞した『ハッピーアワー』。5時間17分という長尺の上映時間としても有名だが、まず『ハッピーアワー』を観た黒沢監督は、「濱口作品の中でも『ハッピーアワー』の大きな特徴は、とても生々しく、日常とは違うがある種のリアルに起こっていることが積み重なっていく。しかしおもいきったフィクション、ひょっとするとファンタジーという最後が待ち受けている。そこに到達するための前段階として ゆっくりしたリアリズムを重ねていく。ここ、という明確なところはないのですが、後半のある時を境にレベルが違ってくる瞬間があって、それがものすごく驚きで感動的でした」と開口一番に絶賛のコメント。


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 さらに「リアルであることと、明らかにフィクションであること。その区別はどうやったの?」という質問に濱口監督は「ありがとうございます。でも身も蓋もないことなんですが、黒沢さんの影響が一番大きかったんです。僕はどちらかというと日常よりの人間だった。しかし黒沢さんの元で2年間学んだことで、思いもよらないようなもの、まさかこんなものが出てくるなんて思わなかったというところに辿り着かなければ、映画を撮ってる甲斐がないという考えになったんです」と、東京藝術大学で黒沢監督に学んだことを思い出しながら語った。

 5時間越えの本作に、どのように脚本を作っていったかという質問に濱口監督は、「演技経験のない素人を集めワークショップを経てから脚本を書くというやり方で撮ったんですけど、3、4ヵ月ぐらいワークショップをやったぐらいで最初は2時間半ぐらいの脚本を書きました。しかし撮っていく内に、みんないろいろな演技ができるようになっていったので、どんどん脚本を足していって5時間越えという長さになりました」と、撮影秘話を明かした。ワークショップ経験があまりない黒沢監督は、その撮影方法に驚きながらも「素人を演技指導するのはとても難しいのに、その人たちに架空の人物を演じさせ、最終的にそんなことが起こるの?というフィクションにもっていくのは本当にすごかった」と絶賛。

 さらに実は本作は最初3つの台本があったという濱口監督。「それぞれキャストの人に読んでもらって選んでもらおうとしたんですけど、“こんなん読んでも分からん”と言われまして……。けれど結局『ハッピーアワー』になった台本はサブキャラクターも含めそれぞれが変な輝きを放つものになったと思います」と、驚きの事実に「そんな面倒臭いことしたんだ(笑)」と黒沢監督は笑いつつも、興味津々な様子を見せた。


濱口監督は黒沢監督の考えを変えた存在だった!

 東京藝術大学で当時のことについて濱口監督は、「黒沢さんの授業は、全体に向けた講義と、ファミレスで黒沢さんと生徒がお茶を飲みながら話すゼミの2つがありました。とくにお茶を飲みながら語る会では、みんな黒沢さんのことが大好きで、作品や撮影方法について聞くことができたし、黒沢さんも「あれはね……」と教えてくれ、とても親密な雰囲気でやっていました」と当時のことを懐かしそうに語った。それに対し、「あの時は自分の映画がなかなか撮れない時期だったので、毎週大学へ教えに行ってましたね。今はそんなしょっちゅう行けてないですが、2期である濱口の代や4期の生徒たちとは今でも会うし、僕も親密だったと思います」と黒沢監督。

 続けて当時濱口監督がどのような生徒だったかという質問に、「授業で『顔のない眼』の映画評論を書いてもらったことがあったんだけど、濱口の評論が抜群に面白かったので、みんなの前で発表させてました。本当に筆が立つ人だったので、濱口の脚本はセリフが多くて読んでておもしろいんだけど、分からなかった。脚本だけ見ると本当に撮れるのか?と疑問を感じてもいた。濱口の修了作品『PASSION』の脚本を見た時もそう思ったんだけど、しかし撮ったものを観たら「あ、こう撮る気だったのね。失礼いたしました」と反省した。それ以来、監督が撮るために書いた脚本に僕自身何も言わなくなった。撮り方も分かっていて書いているのだから、脚本の段階でいろいろ言うのはやめた。それは濱口がそうだったから自分の考えが変わったんです。変に人を惑わすところがあるし、才能があると思います」と当時の濱口監督を絶賛。それに対し、「黒沢さんの方が惑わす気がしますけど……」と濱口監督がぼそっとつぶやき、会場の笑いを誘った。


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『寝ても覚めても』は奇跡的な映画!

 最後に、黒沢監督にどうしても聞きたいことがあると言う濱口監督。「すでにご覧になっていただけたと思いますが、新作『寝ても覚めても』はいかがでしたか?」と少し緊張気味。一足先に鑑賞した黒沢監督は、「僕がどうこう言うまでもなく『寝ても覚めても』は大騒ぎになる作品だと思う。先ほども『ハッピーアワー』で言ったような、気持ちのいいぐらいある種の生々しさと、フィクション、それを超えたファンタジーが奇跡のように融合した作品だと感じました。5時間越えの『ハッピーアワー』でやったことを見事2時間に集約している。奇跡的な映画です」と、師匠である黒沢監督の感想に感動した様子で「ありがとうございます」と濱口監督。

 最後に黒沢監督は、「『ハッピーアワー』を観て、5時間長いな……と思った方はぜひ『寝ても覚めても』をご覧ください」と、観客へメッセージを残した。



(オフィシャル素材提供)




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