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トップページ > 最新ニュース > 第27回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 4日目

第27回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭
4日目

2017-03-05 更新

yubari27


 本日、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017ものクロージングセレモニーが行われ、注目のオフシアター・コンペ部門グランプリほか各賞が発表され、壇上ではそれぞれの作品の監督たちが授賞の喜びを語った。そのほか、國村 隼、ナ・ホンジン監督登壇のクロージング招待作品『哭声/コクソン』舞台挨拶や、本映画祭恒例のゲストが一同に介する雪上フォトセッションも実施された。


<クロージングセレモニー>

 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017も残すところあと1日となった3月5日(日)、クロージング・セレモニーが開催され、本映画祭のメインともいえる、各部門の授賞式が行われた。喜びに沸きかえる監督らに会場からは温かい拍手が送られ、審査員が結果発表時に、先日話題になったアカデミー賞®授賞式での作品発表まちがいをパロディするなど、笑いあり感動ありの閉会式となった。セレモニーの最後には、本映画祭プロデューサーの深津修一が「来年も必ず開催します」と力強く宣言。「皆さんの熱い思いがあれば、ゆうばり映画祭は永遠に不滅で続けていけると思います」と熱い言葉を述べ閉会が宣言された。授賞作は以下の通り。


【オフシアター:コンペティション部門】

 ・グランプリ『トータスの旅』 監督:永山正史

yubari27 見事グランプリを獲得したのは、永山正史監督の『トータスの旅』。主人公は、妻を亡くし不登校の息子を抱え、ペットの亀だけを心の支えにしている次郎。ある日、音信不通だった兄とその婚約者が現れ、次郎と登と亀と共に、結婚式を挙げる島へ向かう珍道中が描かれている。永山監督にはトロフィーの授与とともに、副賞として次回作支援金200万円が贈られた。

◆監督授賞コメント

 今回の映画をまずつくってみて、映画づくりは本当に迷惑な行為だとあらためて感じています。家族にもロケの先々でも迷惑かけるので、ちょっと自分をいかれさせないとできない行為です。でもゆうばり映画祭は、右を見ても左を見てもおかしな方が集まっていて、彼らと映画を観たり自分の作品を観てもらったり、楽しい時間を過ごしてすごくいい体験になりました。賞までいただいて本当に嬉しいです、ありがとうございました。


 ・審査員特別賞:『ベートーベン・メドレー』 監督:イム・チョルミン

 ・北海道知事賞:『はめられて Road to Love』 監督:横山翔一

 ・シネガー・アワード(批評家賞):『ストレンジデイズ』 監督:越坂康史

 ・スペシャル・メンション:『堕ちる』 監督:村山和也

≪審査委員長 内藤 誠 コメント≫

 今年はオフシアター・コンペティション部門に約500本の作品が応募されましたが、多数の中から作品を審査するというのは、あらためて大変なことを引き受けたなと思いました。私は23歳で東映に入ってから80歳まで、映画の周辺を生き抜いてきたのですが、デジタルというものが考案されてから、大勢の人が映画を撮れるようになって、仲間を集めて表現することが可能になったのは素晴らしいことだと思います。
 今年もお世話になっている皆さんや、温かく歓迎してくださる夕張市民の皆さんのおかげで、「仲間を集めて映画を撮る」ことの素晴らしさを感じ、この年になって本当に感動いたしました。


【インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門】

 ・グランプリ『M.boy』 監督:キム・ヒョジョン

 ・審査員特別賞:『歯』 監督:パスカル・ティボウ

 ・優秀芸術賞①:『あたしだけをみて』 監督:見里朝希

 ・優秀芸術賞②:『タコ船長とまちわびた宝』 監督:飯田千里

 ・優秀芸術賞③:『Mizbruk』 監督:ダニエル・デュランロー


◆囲み取材

 授賞式後は囲み会見を実施。コンペティション部門審査委員長である内藤 誠が、『トータスの旅』のグランプリ授賞理由について語った。「子供と動物が出ると映画は苦労が多い。しかし、本作は両方を淘汰する(劇中で登場する)亀と少年という難物をクリアしているし、音楽も良く、ほぼ満場一致で決定した」と明かした。

 グランプリを授賞した永山監督は、次回作の構想について「一つはドキュメンタリー。今まではフィクションで変な大人たちを描いていたが、実在する変な大人に密着したドキュメンタリーを撮りたい。それが今のところ有力ですね」と大勢のマスコミを前に、緊張した面持ちで語った。


<クロージング招待作品『哭声/コクソン』>

 ゆうばり映画祭のクロージング招待作品、ナ・ホンジン監督最新作『哭声/コクソン』 が上映され、“得体の知れないよそ者”役を演じ強烈な印象を残した國村 隼と、監督、脚本を務めたナ・ホンジンが登壇した。

yubari27 衝撃作の上映直後だけあり、作品の余韻がただよいながらも、ふたりが登場すると会場中から惜しみない拍手が送られた。劇中での國村は、生肉を食べたりふんどし一丁姿になったりと、体を張った熱演も話題に。ナ・ホンジン監督の全作品を見ているという國村は、脚本を読んで今回の役を「他の人にとられたくない」と思ったことを明かし、続けて「この人の映画なら面白くないわけがない、タフな撮影は予想していたがそれでもやりたかった」と出演を熱望したことを告白。対するナ・ホンジンも、「國村さんは最高、彼の演技はすでに編集されているかのような多様な姿を見せてくれる」と絶賛し、「この映画は観客が國村さん演じる男をどうとらえるかが重要で、國村さんの多様性と映画の方向性が合致した」としてオファーの理由を明かした。

 舞台挨拶の後半には会場からの質疑応答も行われ、積極的に挙手する観客が続出。國村とナ・ホンジンがそれらに真摯に回答し、アイデアの根源や國村演じるキャラクターの解説が行われた。

◆國村 隼 コメント

 ゆうばり映画祭のクロージングに、これだけたくさんの方に来ていただいて本当にありがとうございます。この映画は1回観たあと、2回目3回目と観たくなる作品。ぜひまたお知り合いの方と観てください。

◆ナ・ホンジン監督 コメント

 長編作品(『チェイサー』)を監督してから、初めて日本のお客さんと会った場所もゆうばり映画祭です。どうか元気で、幸せに過ごしてください。また次の作品でお会いしましょう。


『哭声/コクソン』

 平和な田舎の村に、得体の知れないよそ者(國村 隼)がやってくる。彼がいつ、そしてなぜこの村に来たのかを誰も知らない。この男に関する謎めいた噂が広がるにつれて、村人が自身の家族を残虐に殺す事件が多発していく。そして必ず殺人を犯した村人は、濁った眼に湿疹で爛れた肌をして、言葉を発することもできない状態で現場にいるのだった。
 事件を担当する警官ジョング(クァク・ドウォン)は、自分の娘に、殺人犯たちと同じ湿疹があることに気付く。事件は誰も想像できない結末へと走り出す――。
 國村隼が参加し、日韓の実力派俳優たちが揃った韓国映画史上に残るサスペンス・スリラー!


<國村 隼、武田梨奈、鈴井貴之も登場! 雪上フォトセッション>

 毎年恒例の雪上フォトセッションが、今年も合宿の宿ひまわり前にて行われた。審査員長の内藤 誠をはじめ、ショートコンペ審査員の八代健志、松永大司、武田梨奈、さらに『哭声/コクソン』の國村 隼、ナ・ホンジン監督や、「北海道ロケトーク」企画に登場した鈴井貴之が登場するなど、個性豊かな面々が大集結! 快晴の中大盛り上がりのフォトセッションとなった。

【参加者】
■オフシアター・コンペティション部門/審査員
 内藤 誠(監督)、チェ・ヨンベ(プチョン国際ファンタスティック映画祭・実行委員長/プロデューサー)、ディミトリ・イアンニ(KINOTAYO現代日本映画祭・プログラマー/映画批評家)、光武蔵人(監督)、ほたる(女優)
■ショートフィルム・コンペティション部門/審査員
 八代健志(監督)、松永大司(監督)、武田梨奈(女優)
■その他
 國村 隼(俳優)、ナ・ホンジン(監督)、鈴井貴之ほか


(オフィシャル素材提供)



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