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トップページ > 最新ニュース > 第27回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 3日目夜の部

第27回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭
3日目夜の部

2017-03-05 更新

yubari27


 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017<会期:3月2日(木)~3月6日(月)>が開催中だ。3月4日(土)夜の部では、圧倒的な存在感を放つ俳優・國村 隼が出演作『KOKORO』の舞台挨拶に登場! さらに、國村 隼の魅力に迫る特別プログラム「國村隼トーク企画『俳優・國村隼KOKOROの声』」も実施! また、今年本映画祭の審査員としても参加している武田梨奈が、出演作『ドラゴンガールズ』の舞台挨拶に登場し、会場を盛り上げた。

<『KOKORO』舞台挨拶>

 個性派俳優として国内外から支持される俳優・國村 隼が出演した、ベルギー、フランス、カナダ合作映画『KOKORO』が、ゆうばり映画祭でジャパン・プレミアを迎えた。上映時には國村と、監督のヴァンニャ・ダルカンタラがそろって舞台挨拶に登壇。観客の温かい拍手に迎えられて登場した國村は、「みなさんの“心”に届いたかな」とはにかみ、ダルカンタラ監督は「ベルギーから離れているけど、日本に来ると自分の家に帰ってきたような気がする」と優しい笑顔を見せた。

 本作は、日本を舞台に、傷心のフランス人女性と、國村演じる元警察官ダイスケをはじめとする人々との心温まる交流を描いたドラマ。國村の役はセリフがほとんどなく、飛び降り自殺をしに村の断崖を訪れる人々にそっと寄り添う重要なキャラクターだ。國村は「映画の中で彼(ダイスケ)が言っていることがすべてだろうと思った」とダルカンタラの脚本を信頼し、イメージを膨らませることで役作りに徹したことを明かした。

 また本作では、島根県壱岐島の赤壁が印象的なシーンで登場するが、これはダルカンタラ監督がダイナミックさと叙情感に惹かれて撮影を決めたのだという。高所恐怖症だという國村は、崖での撮影シーンで怖い思いをしながらも、数々の映画に出演してきた彼でも見たことがないほど見事なロケーションだったと語った。最後にダルカンタラ監督は、「この映画を撮れて、國村さんとも親しくなれて、友人のような気になっています。今日は皆さん、来てくださってありがとうございます」と感謝の言葉を述べた。


『KOKORO』

 夫と思春期の子供二人とフランスで暮らすアリスの元に、旅に出ていた弟ナタンが戻ってくる。彼の語る言葉には、日本で生きる意欲を見つけたとのものだった。しかし数日後、彼は突然この世を去ってしまう。弟の死にショックを受けたアリスは、弟を変えた日本に何かあると、ひとり日本へ旅立つのだった。
 ナタンの残した言葉を頼りに、弟の足跡をたどっていくアリス。そこで彼女は、海辺の村に住む元警察官ダイスケと出逢う。彼は飛び降り自殺をしに村の断崖を訪れる人々を、そっと思いとどまらせているのだった。求めすぎず、静かに傷をいやすことのできるその場所に、アリスはどこか安らぎを感じる。そしてダイスケをはじめとするジロウ、ミドリ、ヒロミ、ハルキら出会った人々を通じて、いつしか生きる意味に自然と気づき、次第にアリスは回復してゆく。
 監督は長編2作目となるヴァンニャ・ダルカンタラが日本を舞台に心温まる感動作を描く。


<國村 隼トーク企画「俳優・國村 隼KOKOROの声」>

 圧倒的な出演数を誇り、話題作への出演が相次ぐ國村 隼の魅了に迫る特別プログラム「國村 隼トーク企画『俳優・國村 隼KOKOROの声』」が開催された。役作りや撮影秘話など、ここでしか聞けないエピソードが次々と飛び出し、会場を大いに盛り上げた。

yubari27 今年のゆうばり映画祭には、出演する『KOKORO』と『哭声/コクソン』の2本で参加している國村。すでにこの2本だけでも、前者は人々に静かに寄り添うおだやかな男、後者は狂気に満ちた正体不明のよそ者と、まったく異なる演技で観客を魅了している。そんな幅広い役柄を演じ続ける國村だが、役作りのポイントは「イメージを違和感なく腑に落とすこと」だという。一番の目的は、脚本の世界観を具現化すること。自分の役以外も台本のすべてを読み込み、「國村 隼として感じるのではなく、その役がどう感じるか」が大切だと語った。

 トークは幼少期や学生時代、劇団を経て映画デビューするまでじっくり語られ、有名作品出演時の裏話におよぶと、会場の盛り上がりは最高潮に! 國村は、リドリー・スコット監督の『ブラック・レイン』(89)、ジョン・ウー監督の『ハードボイルド 新・男たちの挽歌』(92)、クエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル Vol.1』(03)など、海外のビッグネームによる大作の製作秘話を次々に披露。『ブラック・レイン』の現場ではリドリー・スコットに「クニ」と呼ばれ、撮影時に何度も何度もテイクを重ねることでいろんな演技を引き出されたことや、『ハードボイルド 新・男たちの挽歌』ではジョン・ウーに「僕は君のここ(顔)が撮りたい」とずばり言われた話が語られた。そして『キル・ビル Vol.1』では、國村の顔を知らない北京のスタッフたちが、特殊メイクで出来た彼の“生首”で先に顔を認識し、いざ國村が現地を訪れた際に爆笑された話を繰り広げ、会場を大いに盛り上げた。

 最後に「役者とは、演技とは」を問われると、國村は「基本的には、役者はエンターテイナーであるべき」と答え、「俳優の仕事というのは、作品としてお客さんに楽しんでもらうのが一番の使命で、やらねばならないこと。そういう意識を継続していけるのがプロの俳優」と真剣なまなざしで語った。本人の軽快かつ濃厚なトークや熱い思いを目の当たりにし、会場中があらためて俳優・國村 隼の底知れぬ魅力を実感する機会となった。


<『ドラゴンガールズ』舞台挨拶>

 アジアを代表するアクション女優たちにインタビューを実施した意欲作『ドラゴンガールズ』の上映と舞台挨拶が行われ、本作へも出演している女優・武田梨奈がゲストとして登壇した。

yubari27 本作は、武田が2016年に本映画祭へ参加した際に撮影された映像を含むドキュメンタリー。武田は本映画祭の常連ともいえる存在だが、今年は出演作である本作が上映されたり、コンペティション部門の審査員を務めたりと、例年以上に“ゆうばり”への貢献度が高い。舞台挨拶では、本作に多数の女優たちが出演していることに驚きつつも、「この中に私を入れてくれたことが嬉しい」と笑顔でコメントした。

 舞台挨拶の後半は、会場の観客からの質問に答えるティーチイン形式に。「自身が演じた役から影響を受けることはあるか」という質問に対しては、「私は影響されやすく引きずるタイプ」と断言。「アクション映画撮影のときは、期間中はずっとアドレナリンが出ている影響でケガをしても痛さを感じることはない」とアクション女優らしい一面ものぞかせた。

 さらに「身体も張ったスタントなど、他の女優さんに出来ないようなことをしていきたい」と熱く語り、イベントの最後では「最近アクション作品をやっていないが、毎週アクションチームにも通っているし、海外にもどんどん飛び出していきたい」と今後の展望を語った。


(オフィシャル素材提供)



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