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『犬王』第78回ヴェネチア国際映画祭ワールドプレミア&第二弾キャスト決定!

2021-09-12 更新

湯浅政明監督

犬王inu-oh ©2021“INU-OH” Film Partners
©M. Angeles Salvador

配給:アニプレックス、アスミック・エース
2022年初夏 全国公開

 湯浅政明監督による『犬王』は、室町の知られざるポップスター【犬王】から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描くミュージカル・アニメーション。この度、現地時間9月9日14時頃(日本時間 同日21時)、第78回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に正式出品された『犬王』が世界初上映を迎えた。今年のヴェネチア国際映画祭唯一の長編日本映画として選出され、上映後には鳴りやまない拍手喝采に包まれ、上映後のQ&Aには湯浅政明監督が登壇。「犬王のとても明るい性格で、まったく諦めずに自分の夢を実現しようとしているところに感銘を受けました。犬王も友魚も自分のやりたいことを実現させようとした。そんな姿を見ると、自分も周りに左右されず自分の生きたいように生きたいと、勇気づけられます」と作品に込めた思いを語った。


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第78回ヴェネチア国際映画祭でワールドプレミア上映。湯浅政明監督が現地登壇!Q&Aレポートが到着

 現在開催中の第78回ヴェネチア国際映画祭でオリゾンティ・コンペティション部門に選出されたミュージカル・アニメーション『犬王』がワールドプレミアを迎え、現地を訪れた湯浅政明監督が満場の喝采を浴びた。コロナ禍で定員が半分となったが、会場はソールドアウトとなった。

 本作は古川日出男による「平家物語 犬王の巻」(河出書房新社刊)を原作に、ロックミュージックなどを取り入れながら現代的にアレンジしたもので、脚本を野木亜紀子が、キャラクター原案を松本大洋が担当している。室町時代に実在した異形の能楽師・犬王と、平家の呪いによって盲目になった琵琶法師・友魚との友情、さらに二人が織りなす音楽とダンスの華々しいショーを通して、歴史のなかで忘れられたアーティストの姿を描く。

 会場では、エンド・クレジットが流れ始めるなり拍手が巻き起こり、客電がつくと監督は立ち上がって拍手に応えた。その後も鳴り止まない拍手。音楽に合わせるように静かに体を揺らしながら湯浅監督は歓声に答えた。


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 上映後のQ&Aに応じた湯浅監督は、「今日はこの映画を観に来てくださってありがとうございます。この二人のような若者がかつていたことを知ってもらうために作品を作りました」と挨拶をした。さらに続けて、「当時は生まれたときに生まれた場所で、その人の運命が決まってしまう時代でした。そのなかで上に行くには武士として身を立てるか、芸術家になるかしかありませんでした。犬王のとても明るい性格で、まったく諦めずに自分の夢を実現しようとしているところに感銘を受けました。犬王も友魚も自分のやりたいことを実現させようとした。そんな姿を見ると、自分も周りに左右されず自分の生きたいように生きたいと、勇気づけられます」と語ると、会場に再び拍手が起こった。


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 また犬王のルックを松本大洋の原案をもとに構築したことや、ユニークなロックオペラについて音楽を手がけた大友良英との制作プロセスなどを明かした。「現代的なロックをイメージしたのですが、それを琵琶の音を使ってやるというところで大友さんはとても苦労されたと思います。先に絵がほしいと言われ、ストーリーボードとムービーを用意して送りました。そして音楽が出来上がり、歌入れの時にはアヴちゃんに歌詞をまとめてもらい、森山未來さんへ歌唱提案もあり、大友さんのコーラスが追加され、現在のような形の歌になりました。
 昔の音楽から始まり、犬王が踊っているうちにそれが徐々に変わり、ダンスも『雨に唄えば』のようなものがあったり、いろいろなものが混ざっていきます。それに伴ってキャストの二人も70年代や80年代のロックミュージシャンのイメージを入れて歌ってくれてると思います」と語った。

 さらに犬王と友魚の友情について触れ、「誰かの理解者になってあげたい、誰か理解者がいたほうがいい、そういう気持ちが込められています」と言った後、観客に向けて「どうか犬王と友魚の名前を覚えて帰ってください」と声をかけると、再び満場の拍手が起こった。


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第二弾キャストに、柄本 佑・津田健次郎・松重 豊が決定! 現役能楽師&ヨーロッパ企画の面々も声の出演で参加!

 室町時代を舞台にしたエンターテインメントの世界を彩る追加キャストを発表! 時代の潮流と共に犬王や友魚の運命を翻弄する室町幕府第3代将軍の足利義満役に柄本 佑、猿楽の一座の棟梁として究極の美を求める犬王の父に津田健次郎、友魚と共に平家の呪いにかかり亡霊になりながらも現世を彷徨う友魚の父に松重 豊が決定した。

 二度目の声優出演となる柄本 佑は「高校時代、松本大洋先生の漫画には大変にハマっていました。まさか先生の画に自分の声を吹き込む日が来ようとは。光栄でした」と本作参加の喜びを表し、「ピンポン THE ANIMATION」「DEVILMAN crybaby」に続いて湯浅政明監督作品への参加となる津田健次郎は「アフレコの際に見た映像は、能楽がポップにエンターテイメントしてました。とても興味深い作品になっています」とアフレコを振り返った。近年は声優としても幅広い役柄を演じる松重 豊の出演も決定。

 また、作品のカギとなる「古い面」は、現代能楽シーンを牽引する現役能楽師、片山九郎右衛門・谷本健吾・坂口貴信・川口晃平が声を重ねて表現。さらに日常シーンから音楽シーンまで室町の世界観を彩るキャラクターたちの声には湯浅政明監督の過去作とも縁が深いヨーロッパ企画の面々も参戦。石田剛太・中川晴樹・本多 力・酒井善史・土佐和成が個性豊かに演じる。


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★ キャスト・コメント

足利義満役:柄本 佑

 高校時代、松本大洋先生の漫画には大変にハマっていました。まさか先生の画に自分の声を吹き込む日が来ようとは。光栄でした。


犬王の父役:津田健次郎

 能楽がアニメになる……しかも湯浅監督で! 一体どんな作品になるのか? 予想もつかない期待感のあるこの作品に参加できることがとても光栄です。アフレコの際に見た映像は、能楽がポップにエンターテイメントしてました。とても興味深い作品になっています。ぜひご覧下さい!



(オフィシャル素材提供)



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