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『影裏』公開記念舞台挨拶

2020-02-15 更新

綾野 剛、松田龍平、筒井真理子、大友啓史監督

影裏eiri 配給:ソニー・ミュージックエンタテインメント
大ヒット公開中!
© 2020「影裏」製作委員会

 NHK大河ドラマ「龍馬伝」、『ハゲタカ』、『るろうに剣心』シリーズ、『3月のライオン』等、日本映画界に新たな挑戦をし続けている大友啓史監督の最新作であり、日本映画の傑作との呼び声も高い『影裏』。ついに公開を迎えた本作の公開記念舞台挨拶が2月15日(土)に実施され、主演の綾野 剛、共演の松田龍平、筒井真理子、大友啓史監督が登壇した。1日遅れのバレンタインとなる当日は、大入り袋入りのチョコレートを観客にサプライズでプレゼントし、終始熱気に包まれたイベントとなった。


 バレンタインデーである昨日2月14日に、ついに公開を迎えた本作の公開記念舞台挨拶が開催され、失踪した友人を探す主人公・今野秋一役の綾野 剛、今野の親友であり突然姿を消す日浅典博役の松田龍平、日浅の持つ裏の顔を今野に伝える二人の同僚、西山役を演じた筒井真理子、そしてメガホンを取った大友啓史監督が上映後の会場に登場! 「皆さん、こんにちは。本日はお越しいただき、感激しております。短い時間ですが、豊かな時間になればなと思います」(綾野)、「今日はありがとうございます。初日を迎えられてとても嬉しいです。楽しんでいただけたら幸いです」(松田)、「公開に立ち会ってくださって、本当にありがとうございます。チケットが1分で完売したというお話を聞きましたが、綾野さん、松田さん、大友さんの力だと思います。こんなに大きな劇場で、たくさんの方に見守っていただいて嬉しいです」(筒井)、「私の故郷の盛岡で大切に、大切に撮った映画です。大好きな三人の俳優と一緒に初日を迎えられて嬉しいです。今日はよろしくお願いいたします」(監督)とそれぞれ挨拶をし、会場の熱気も高まった。

 既にたくさんの方々が本作を鑑賞しているが、「元々は、震災を挟んだ話なので、2011年に僕の故郷でも突然愛する人がいなくなってしまった、戻って来なくなってしまったという方々がどういう想いで過ごしているのか。その想いを忘れちゃいけないな、オリンピックで賑やかになる前に忘れたくない想いがあるな、と思って作った映画です。愛する人を失うということは震災に限らずどんなことでも当てはまることだと思います。そのあたりを上手く受け止めていただいたら嬉しいです」と監督は本作に自身の故郷への熱い想いを込めたことを吐露。

 本作は芥川賞受賞作の実写化となるが、綾野は「文学の映像化に成功している」とコメント。「情報過多な作品や世の中が当たり前になっていますが、限りなく情報を削いでいく作品でした。あまり無駄なことをしないように、なんとなく意識もしていましたが、現場に入ったらそんなことを考える必要なく演じることができました。僕も文学とはいったい何なのかという定義ができるわけではありませんが、おこがましいなと思いつつ、自分が純文学などを読んだ時に感じる心のひだの数というのが、自分が関わってきた作品で初めてこんなに感じた作品です。中村倫也くんが演じた副島も素敵で、美しくて可憐なんですけど、身体は震えているんです。彼がどういう想いで今野に会いに来たのかという部分も、文学的な匂いを感じ取れたなと思います」と語った。

 撮影時の思い出を尋ねられると松田は、「釣りをきっかけに今野と日浅が仲良くなるというのもあって、釣りのシーンが多かったんです。撮影が楽しくてはしゃぎすぎて、熱中症になっちゃいました。自然の怖さというか、自然を舐めちゃいけないなと勉強になりました」と振り返った。筒井は「中村さんもそうですが、綾野さんもどんどん可愛くなっていって、ドキドキしていました。その隣には飄々と松田さんが佇んでいて、すごく幸せな撮影でした。震災などが起きてしまうと日常が無くなってしまい、マイノリティのほうが更に日陰にいってしまうと思うんですけど、そこに光を当てて挑戦した監督も、綾野さんと松田さんのお二人も素晴らしくて、この作品に参加できたことが光栄でした。ひとつだけ、“盛岡さんさ踊り”を踊るシーンがあって、私は東京から練習していったんですけど、綾野さんと松田さんがへなちょこだったので、なんなんだこれは!と思っていました(笑)」と綾野と松田のダンスの下手さを暴露すると、綾野は「僕と松田さんの共通点はダンスが下手なんです(笑)」、松田も「気持ちで踊れるかなと思ったんですけど、テクニックも必要でした……」という二人の弁解に会場は笑いに包まれた。

 本作の『影裏』というタイトルにちなみ、人知れずやってみたかった“影の野望”というトークテーマに移り、綾野は「役者という仕事でいろいろな経験をさせてもらっているので、そういった欲求がないほうなのかもしれませんが、絶対に叶わない願望を言うなら、箱根駅伝走ってみてかったなあ……。同じコースは一人で走ったことあるんです!」とマラソン好きの綾野らしい夢が飛び出した。松田も「スポーツ選手になりたいです。競技を見ているとすごく身体がしなやかで、憧れるというか羨ましいなと思います。まずは身体を柔らかくすることから始めようと思ってストレッチをしていたんですけど、効果がすぐに切れちゃうので永遠にやらないといけないんだと思うときつくて(笑)」とストレッチを断念したエピソードで笑いを誘う。筒井は「フィギュアスケーターになりたかったんです。高校時代やっていて、大会にも出たんですけど、足だけ太くなりました……(笑)。今でもスピンだったら三回転ぐらいできるかも!」と明かすと会場からは大きな拍手が上がった。監督は「女性になってみたいですね。今の時代、女性のほうが楽しそうなんです。女子力がないと今の時代、見えないものがあるなと思って、こう見えて普段から女子力を意識しています(笑)。本作でもかすかな女子力を駆使して、今野さんの気持ちになって撮っているシーンが多かったです」と明かした。

 さらに、公開日の前日はバレンタインデーだったが、「年々ファンの方から頂くチョコが減っていっている気がするんです……いや気持ちだけで充分なんですけど! でも年々減っていって気がする……」とちょっぴり寂しそうな綾野。松田は「小学校の頃、10個くらいもらったので机のテーブルに並べて賞味期限が切れるまで食べませんでした。勲章のようで、それを自信にして日々を生きていました(笑)」と当時の記憶を掘り起こすと、会場から笑い声が起こった。本日の登壇者で唯一の女性である筒井は「バレンタインデーってことを、さっき思い出したんです(笑)。昨日も何もなく過ごしましたが、これから頑張りたいと思います!」と意気込む。監督からは「取材したかったけどずっと断られていたおばあちゃんがいて、ある日、チョコレートをくれたんです。それがバレンタインの日だったんですが、取材OKの印でもあったんですよね」と粋なエピソードが飛び出した。

 最後に監督とキャストを代表して綾野が、映画をご覧になる方々に向けて「映画はスタッフ、エキストラ、陰で協力してくれた方を含めるとたくさんの方々の力で作られています。想いの深さという点では大作映画にも負けておらず、登場人物たちの小さな心の動きをこの大スクリーンで観ていただくことで、普段見えないものが届けられるかと思います。ぜひ映画館で観ていただきたい作品です。今日は本当にありがとうございました」(監督)、「本日は本当にありがとうございます。ようやく皆さんに作品を届けられることができて、感謝申し上げます。忘れてはいけない記憶があるということを、ここからちゃんと繋いでいかないといけないという気持ちがこの作品にも込められています。皆さんにも誰かに繋いでいきたいと思っていただければ嬉しいです」(綾野)とコメントを贈り、イベントは惜しまれつつ終了。本作の大ヒットの御礼として、チョコレート入りの大入り袋をスタッフが来場者に配布したりと、バレンタインデー気分も残った胸もときめくイベントとなり幕を閉じた。



(オフィシャル素材提供)



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