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舞台挨拶・イベント

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スペインのファンも大熱狂!
『初恋』
第67回サン・セバスティアン国際映画祭
舞台挨拶・Q&A

2019-09-26 更新

三池崇史監督、ジェレミー・トーマス(プロデューサー)、坂美佐子(プロデューサー)

初恋hatsukoi 配給:東映
2020年全国公開
© 2020「初恋」製作委員会

 三池崇史監督×窪田正孝主演の映画『初恋』がスペインのバスク地方で開催されている第67回サン・セバスティアン国際映画祭のサバルテギ・タバカレラ部門に出品され、現地時間9月24日(火)に三池崇史監督、ジェレミー・トーマス(プロデューサー)、坂美佐子(プロデューサー)が登場し、舞台挨拶とQ&Aを行った。


 三池監督初参加となったサン・セバスティアン国際映画祭は、スペイン北東部の港町 サン・セバスティアンで開催される国際映画祭。1953年から始まったスペイン最大の国際映画祭であり、ヨーロッパにおいてカンヌ、ベルリン、ヴェネチアに次いで重要な映画祭として位置付けられている。今回出品されたサバルテギ・タバカレラ部門の“サバルテギ(Zabaltegi)”は、バスク語で“自由”を意味し、国、言語、長編・短編を問わない様々なジャンルの映画が出品される。

 現地時間の9月24日(火)に行われた公式上映のチケットは、前日の段階で既に完売! 会場には20~30代と見られる若者から古くからの映画祭ファンまで、男女問わず幅広い観客が“世界の三池”最新作をいち早く観るため駆けつけた。フォトコールが終わり、上映前の舞台挨拶では、三池監督、プロデューサーのジェレミー・トーマス、坂美佐子が登場すると、歓声と大きな拍手が会場を包み込んだ。


hatsukoi


 ジェレミー・トーマスは「最高の友人たちとまた一緒に映画を作ることができて嬉しい。この映画は三池監督の想像力が生み出した、特別でユニークなラブ・ストーリーです」と、三池監督と共に本作を作り上げた喜びを語った。

 三池監督は「サンセバスチャン国際映画祭はすごく歴史の深い伝統的な映画祭で、この作品にはふさわしくないのかな?と感じていました(笑)。街をあげて盛り上がっている様子を見ると、スペインの方々の映画というものに対するリスペクトが伝わってきましたが、果たして今日の上映にどんなお客さんが来られるのか分からなかったので。もしかするとアウェーな感じかな?と思っていましたが、この劇場に来てお客さんの顔を見ると、ホームに戻ってきたような感じがしています。ちょっと変わった作品ですが、楽しんでいただけると思いますので、ごゆっくりご覧ください」と挨拶。

 上映が始まると、劇場内は終始笑いが絶えず、時折拍手が沸くほどの盛り上がり! 現地の映画ファンも三池節炸裂の本作を思いのままに楽しんでいた。

 上映後には、Q&Aに応えるため再び三池監督が登壇。観客からの熱心な質問に一つひとつ丁寧に応じ、本作にかける特別な思いを明かした。イベントの最後には、三池監督が「皆さんに一つお願いがあります」と語り出すと、「日本に先立ってこの映画をご覧になった皆さんが、「どういう映画か?」と聞かれたら、“悪い奴に子犬がいじめられて、その子犬が頑張ることで恋が生まれる映画だ”と、伝えてください」と、三池監督らしいお願いが。司会者から「成功を祈っています」と激励を受け、盛大な拍手が送られるなか幕を閉じた。


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現地では、同映画祭に出品された『真実』(10月11日公開)の公式上映のため、渡航していた是枝裕和監督にバッタリ遭遇し日本人監督同士互いに健闘を称え合った。さらに、本作の主演・窪田正孝が女優の水川あさみとめでたく入籍したとのビッグニュースを聞きつけた三池監督は「窪田さん、水川さん、結婚おめでとうございます。いやいやいや、やりましたね! 役者として一番良い時に、人として一番幸せな時を迎えるという。まぁ、贅沢だな。羨ましいです。良い家庭を築くというのも役者にとっては大事な仕事だと思うので、頑張って下さい。今でもスーパースターなんだけど、また、僕たちを踏み台にしていただけるとありがたいです(笑)」と、にこやかにコメント。全米の先行公開を目前におめでたいニュースも舞い込み勢いに乗る本作に注目だ。


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▼Q&A▼


ご自身でも「変わった映画」と仰っていましたが、どのような思いで作られたのでしょうか?

三池崇史監督: これは誰の記憶にも残らない、不必要な映画です。登場人物たちは欲望や憎しみにまみれたどうしようもない人間たち、それでも彼らがいたから出会う2人がいて、そこに恋が生まれる。くだらない人も生きてさえいれば、誰かに光を与えることができる。そういう人間の姿を描きたかった。


後半のアニメーションのシーンについて、なぜあのような表現にしたのでしょうか?

三池崇史監督: 世界でもそうかもしれないが、日本映画もどんどんリスクを避ける傾向になっている。それは事故があると当然撮影すべてに影響してしまうから。ただそうやって20年、30年と作っているうちに、難しい撮影が減っていって若いスタントマンがいなくなってしまっている。リスクが伴うシーンは台本段階で無くされてしまうが、それでは納得がいかないから、どうしたら成立できるかは自分で考え、とにかく台本上は残してもらうようにした。今回は60歳を超えるスタントマンの腰の骨を守るためにアニメーションという手段をとったが、いつかもっと予算増えて、もっといろいろな手段が取れる時に、かつてのスタントマンが若いころに憧れたカッコいいカー・アクションができる映画、スタントマンってかっこいいなって思ってもらえる映画を作りたい。スペインは車文化も成熟していてレースの一流選手もたくさんいるので、その時はぜひ力を貸してほしい(笑)。


これまでたくさんのジャンルの映画を撮られていますが、まだやってないことでこれからやってみたいことはありますか?

三池崇史監督: 作っている自分たちは、あまりジャンルを意識していない。作った後にお客さんの「これはコメディだね」といった感想などからジャンルが生まれてくると思っている。例えば次は女児向けのTVシリーズの企画を進めているが、それも企画との出会いがあったから。いつも自然にやっているうちにきっかけや場所が与えられて、それを精一杯作っている。その後どういうものを作るか、それを自分で考えるか、また誰かがそれを与えてくれるか、自然に任せてやってきたところもあるので、これからもそうやっていく。


予算の問題があったと聞いたが、三池監督のように長い経験のある監督でも、自分が思う予算で企画を実現するのは難しいのでしょうか?

三池崇史監督: 普通の監督はキャリアを重ねてステップアップしていき、きっとそこから下がりたくないだろう。そうやってパワーアップしていくエネルギーも映画界には必要だと思う。ただ、自分の場合それを考えるエネルギーがあったら、それを現場で使って1本でも多く作品を撮っていたい。だから大規模な映画もやる、女児向けのTVもやる、ヤクザ映画もやる、そうやって作り続けることで次につながるし、その時に前にできなかったことが実現できるだけの予算が上がるかもしれない。作り続けることで解決をしていくしかないと思っている。


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≪上映後の観客の感想≫


 ・まさにこういう三池作品が観たかった、という内容で最高だった!
 ・三池監督の作品は何本も観ているが、今回特に登場人物の描き方が素晴らしかった。
 ・三池監督の作品は初めてでどんな映画かも知らずに観にきたが、テンポがよくてキャラクターも立っていてすごく面白かった!



(オフィシャル素材提供)



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