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舞台挨拶・イベント

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『ソウル・キッチン』トークショー

2011-01-31 更新

ピーター・バラカン×池田香代子

赤い糸

配給:ビターズ・エンド
シネマライズにて公開中、ほか全国順次ロードショー!

 現在シネマライズにてスマッシュヒットとなっているファティ・アキン最新作『ソウル・キッチン』。
 ドイツ、ハンブルクを舞台にその土地に共存する移民たちを描いた本作の公開を記念して、トークショーが開催された。
 ブロードキャスターのピーター・バラカンと、ドイツ文学者で「世界がもし100人の村だったら」著者でもある池田香代子が、「ハンブルクがもし100人の村だったら」と題して、移民大国ドイツから日本の移民問題についてまで大いに語り合った。

<ハンブルクについて>

ピーター・バラカン: ハンブルクは大好きなビートルズが下積み時代を過ごしたことで有名な場所ですね。あのレストランは倉庫を改装したようなところで本当にかっこいい。東京にあれば是非行きたいですね。“ソウル・キッチン”のような古い建物は家賃が安いから移民やアーティストが借りるんでしょうね。

<移民について>

ピーター・バラカン: 池田さんが実際ドイツに住んでいたのは80年代の終わりだそうですが、移民はどれくらいいましたか?
池田香代子: トルコ系の人が多くいましたね。「ガスト・アルバイター」って「お客様の労働者」という意味なんです。でも、だんだん経済の成長が鈍ってきて労働力が必要なくなってくると、ドイツがお金を出して、トルコに学校やアパートを作って帰国を促しました。ですが東西統一の際に、少し前までガスト・アルバイターと呼んでいた人たちに職を奪われることを恐れた人々が、トルコ人を初め移民排斥のような、ネオナチとなっていったんです。
ピーター・バラカン: ドイツのガスト・アルバイターとちょうど同じような存在が日本では車産業を中心に日本にいるブラジル人だと思います。日本は帰国を促していますが、(ドイツがしたような)援助は何もないんですよね。  今日のテーマは「ハンブルクがもし100人の村だったら」ですが、ハンブルクにいるトルコ移民は100人に約3人、ついでポーランドが1人とかなりの大勢の人たちがいるんですね。
 日本は(外国人の数)はパリとかロンドンとかニューヨークと比べたら、驚くほど少ないですね。これでも増えたくらいです。日本の外国人は、一番多いのが中国人0.5人で、韓国朝鮮も0.5人、ブラジル系は0.2人、フィリピンは0.1人、それ以下は本当に少なくなります。
池田香代子: 全部合わせても日本では100人のうち2人に満たないんです。日本の移民政策は本当に厳しいです。難民受け入れも、30人しか認められていないんです。先進国内で比べてみるとイギリスは何千人という規模だし、アメリカは何万人という規模で受け入れをしているのに。
ピーター・バラカン: 日本政府の考えがいろいろあるんだと思うんですけど、少子化で労働力がだんだん減ってくるなかで、日本の経済レベルを維持するかしないかという決断を迫られると思うんです。もし維持したいんだったら移民を積極的に受け入れる以外に方法はない。ただ日本は未だに移民に対して文化的な抵抗もあるような印象を受けます。
池田香代子: 労働力もですが、文化面でも、たとえばピーター・バラカンさんは日本の音楽にとても貢献されていますし、在日の方々が書かれた小説など、そういった作品がなかったら、日本の戦後文学は本当に貧しいものになっていたと思うんです。音楽でも色々な出自の方が活躍している。そういう文化の面でもう少し関わったほうがいいと思うんですね。

<音楽について>

ピーター・バラカン: この『ソウル・キッチン』という映画のタイトルはThe Doorsのデビューアルバムに入っている曲と同じ名前なんですね。ソウルミュージックが好きなギリシャ系の主人公がやっている食堂の名前でもあり、すごくいいタイトルだと思います。
 それから、「The Creator Has A Master Plan」という曲は本当に有名な曲で、ルイ・アームストロングが亡くなる1年前に作ったアルバムの中で「The Creator Has A Master Plan」をカバーしていたことは自分でも知らなかったものだったので、映画の中に入れたこの監督は本当に詳しいと思いました。

<映画を観た感想>

ピーター・バラカン: 何となく『バグダッド・カフェ』を思い出す、ユーモラスな人物ばかりが出没する大衆食堂。東京にあったらぼくも常連になるかも。
池田香代子: いろいろな人がいると、何かとすれ違いやトラブルが起きがちです。でも、退屈だけはしません。ここにあるのは、タフで楽しい日々!


(オフィシャル素材提供)


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