インタビュー・記者会見等、映画の“いま”をリポート!

Cinema Factory

Cinema Flash





広告募集中

このサイトをご覧になるには、Windows Media Playerが必要です。
Windows Madia Player ダウンロード
Windows Media Playerをダウンロードする

作品紹介

トップページ > 作品紹介 > ソウル・キッチン

2011-01-31 更新

原題:SOUL KITCHEN

SOUL KITCHEN

イントロダクション
 『愛より強く』でベルリン国際映画祭グランプリ、『そして、私たちは愛に帰る』でカンヌ国際映画祭脚本賞、そして本作で2009年ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞・ヤングシネマ賞をW受賞し、世界三大映画祭を36歳にして制覇した監督ファティ・アキン。映画祭の審査委員長を務めていたアン・リーは「とても素晴らしいこの映画に嫉妬せずにはいられない!」と最大の賛辞を送った。ゴダール、トリュフォーらも成し遂げていない三大映画祭のコンペティション部門すべてで受賞するという偉業を成し遂げたのはファティ・アキンが最年少と言われている。

 本作はこれまでファティ・アキンが描き続けてきた自身のルーツであるトルコやドイツ在住の移民について前面では触れていない。しかし、主人公ジノスはギリシャ系であったり、トルコ系やアラブ系のキャラクターが登場するなど、ヨーロッパ中に多民族が共存していることを『ソウル・キッチン』では提示している。ドイツのハンブルクには多民族が暮らしている。その象徴であるレストラン――ごちゃ混ぜな音楽が響き、自分にとってのソウルフードを味わう人々が集う店“ソウル・キッチン”の存続とは、彼らの心の拠り所の存続なのだ。ファティ・アキンはこれまでの作品のようにテーマをシリアスに扱うのではなく、その主題を残したままにエンターテインメント作に昇華させた。ドイツ語で“郷土映画”をさすハイマートフィルム。ネオ・ハイマートフィルムとも呼べるのが本作『ソウル・キッチン』である。

 2009年末に公開されたドイツでは、公開2ヵ月で130万人を動員し大ヒットを記録。また、イタリア、フランス、ギリシャ、オーストリア、トルコといった国々でもヒットを飛ばし、ヨーロッパ中を席巻している。また、アメリカの公開でも公開第1週で劇場1館あたりの興行収入で1位に躍り出るなど、注目度も高い。

 本作は主人公ジノスに扮するアダム・ボウスドウコス自身がハンブルクで経営していたレストランをモデルにしている。監督もアダムもその店に集い、過ごしていた日々を映画に収めたい、そう思ったことから映画が始動した。アダム自身も脚本に加わり、アキン監督とともに彼らの時間を再現させたのだ。

 ジノスの兄イリアスを演じるのはドイツ映画に不可欠な俳優、モーリッツ・ブライプトロイ。『ラン・ローラ・ラン』でも注目されたモーリッツとアキン監督は3度目の顔合わせ。どうしようもないけれど愛おしくなってしまうイリアスを好演している。天才シェフ、シェインを演じるのはアキン監督作品常連のビロル・ユーネル。『愛より強く』で鮮烈な印象を残したビロルが主人公ジノスに「本物の故郷の料理」を伝える伝道師のようなシェフを演じ、ミシュランで星を獲得したハンブルクの高級料理店“Le Canard”で指導された料理の腕前を披露する。また、『やわらかい手』で強い印象を残したドルカ・グリルシュやモーリッツの母で『4分間のピアニスト』のモニカ・ブライプトロイ、そしてウド・キアまで出演しているのも映画好きにはたまらないサプライズであろう。

ストーリー
 ハンブルクでレストラン“ソウル・キッチン”を経営するジノス。恋人のナディーンが夢を追って上海に行ってしまったり、税務署からしこたま滞納していた税金の支払いを迫られたり、衛生局から新しいキッチン設備の導入を命じられたり、食器洗浄機を動かそうとしたら椎間板ヘルニアになったり……と、このところ上手くいかないことばかり。

 ヘルニアで調理ができなくなったジノスが頑固者の天才シェフを新しく雇うと、彼が作る料理が評判を呼んで、店は連日大盛況! そんなある日、兄のイリアスが刑務所から仮出所してくる。イリアスが店のウェイトレス・ルチアに惚れて、音楽好きな彼女のために盗んできたDJセットでジノスの大好きな音楽をかけながら、店は絶好調に繁盛し出した。すべては上手く回り始めた、ハズだった。

 しかし、ソウル・キッチンの土地を狙う不動産が現れ、店は乗っ取りの危機に陥る……。この店はオレたちの心(ソウル)。なくすわけにはいかない!

(2009年、ドイツ・フランス・イタリア、上映時間:99分)

キャスト&スタッフ
監督:ファティ・アキン
出演:アダム・ボウスドウコス、モーリッツ・ブライプトロイ、ビロル・ユーネル、モニカ・ブライプトロイ、ウド・キアほか

配給
ビターズ・エンド
シネマライズにて公開中、ほか全国順次ロードショー!

オフィシャルサイト
http://www.bitters.co.jp/soulkitchen/(外部サイト)

関連記事
ピーター・バラカン×池田香代子トークショー

Page Top