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『グッバイ、ドン・グリーズ!』
スペシャルトーク付き試写会

2022-01-10 更新

いしづかあつこ監督、吉松孝博(キャラクターデザイン)、松村沙友理

グッバイ、ドン・グリーズ!donglees ©Goodbye,DonGlees Partners
配給:KADOKAWA
2022年2月18日 全国ロードショー

 1月9日(日)にアニメ誌 月刊Newtype×映画『グッバイ、ドン・グリーズ!』スペシャルトーク付き試写会を開催。イベントでは、本編の上映後に、いしづかあつこ監督と、本作のキャラクターデザインを担当した吉松孝博、さらに1月刊Newtypeにて連載中の「Nogizaka Newtype」の元レギュラーメンバーで、自身もアニメ好きを公言している元乃木坂46の松村沙友理がスペシャルゲストとして登壇し、作品について語った。


 本編の上映が終了し、観客の興奮が冷めやらぬ中、司会者の呼び込みによって松村沙友理、いしづかあつこ監督、吉松孝博の順で登場。客席からは、熱い拍手が贈られた。いしづか監督は、上映後に観客の前で話すのが初めてと挨拶し、「楽しみ」と笑みをこぼした。続いて、吉松は「裏方中の裏方なので、こういう場でしゃべることはあまりない」と述べつつも、フランクな雰囲気で観客に挨拶した。そして、「Newtype特派員」としてイベントに参加した松村は、「呼んでいただけてとても光栄です。皆さんの代表と思って、お二人にいろいろ聞けたら良いなと思っています!」と、持ち前の弾けるような笑顔を見せた。


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 上映後のイベントということで、まず、完成した作品を観客に観てもらったことについて、吉松は「映画ということで、実際に皆さんに足を運んでもらわないといけないんですけど、これからどんどん人が来てくれると嬉しいなと思っています」と答えた。続いて監督は、「映画は作っただけで終わりじゃない。お客さんの目に触れて初めて完成だと思う。観に来てくださった皆さんの名前がエンドロールに載るみたいな感覚。これから、この映画のエンドロールに名前がいっぱい増えていくのが楽しみ」と語った。

 本作は、「宇宙(そら)よりも遠い場所」(以下、「よりもい」)に続く劇場オリジナル・アニメーションということで、松村から「どのような経緯で企画が立ち上がったか」という質問に、監督からは「それらしいきっかけはあまりない。いつも一緒に制作しているこのメンバーは、次はなにやる?みたいな会話が自然と出てくるチーム。いつの間にかふんわりあった」と意外な回答が。こういう話にしようとなった理由については、「なんとなくオリジナルだよねという空気があった。もしかしたら私が劇場やりたいといったのかもしれない。記憶にはないけど(笑)」とまさかの発言! しかし、オリジナルに対する想いについては、「お客さんにダイレクトに自分の想いをぶつけて、ダイレクトに受け取る機会が大切で、それが一番できるのがオリジナル」と、作り手としての最終的な憧れを熱く語った。それを受けて、松村は「オリジナル作品は、より心がワクワクドキドキするんですよ。0から作り出したものって、すごく尊い気がする」と、アニメ・ファンならではの視点で話した。松村からの感想に喜びの表情を見せた監督は、オリジナルを手掛ける際には吉松にリアクションを求めると言い、吉松も「僕お客さんなんで(笑)」と、会場の笑いを誘った。そして、今回脚本を読んだ時の感想として、「ストレートにお客さんの胸を突き刺すような話を作ってくれたので、やりがいがあるなと思いました」と述べた。

 次に、キャラクターの話になり、「ドン・グリーズ」のロウマ、トト、ドロップの3人の中で、ドロップだけは雰囲気が全然違った、と裏側を明かした監督に、吉松も「一番苦労した」と続いた。また、当初は3人とも18歳の「陰キャな」高校生の設定だったそうで、そこから「どんくさいシルエット」にするために、キャラクターの足をちょっと短くしたという。ここで司会から、どのキャラクターが一番印象に残ったか聞かれた松村は「ロウマですかね。ロウマの繊細な不器用さが愛おしい」と回答。監督は、「嬉しいです! ロウマ票を初めていただきました」と言い、スタッフ間では、特に女性にトト・ファンが多いと声を漏らした。すると松村は、「私がロウマを独占します!」と力強い発言を! それに対して、監督は、アニメーターに最後のカットのロウマをイケメンにしてほしいとオーダーした際に、おでこに「イケメン」という文字が書いて返ってきたというと秘話を披露した。


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 作品を制作する際に苦労した点について監督は、コロナ禍で、舞台となったアイスランドにロケハンに行けなかったと漏らし、「アイスランドに行った気になる」「男子中高生になった気になる」期間が必要だったという。そして、その期間中は、「街中を歩く女子高生が妙に可愛く見えていました(笑)」と、完全になりきっていた様子。吉松は、「僕の作業は、すべてはいしづかあつこの思う通り」と冗談交じりに話し、「キャラクターに対する愛情を入れ込んでいくのが僕の仕事かなと思っています」と話を締めた。


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 完成していく中で、自身の想像を超えたシーンはあったかという質問に、吉松は「滝の音」を挙げ、「効果音がつくと、画(え)の説得力が増す」と答え、監督も「私も言おうと思っていたのに(笑)」とシンクロ。そして、「スクリーンで観たときの、花火とか滝とかの地響き感が格別ですよね。この作品は重低音っていうのに力を入れていて、スクリーンで観たときに“これこれ!”って思った」と追加した。

 今作では、[Alexandros]が主題歌を担当。オリジナル楽曲の「Rock The World」の印象について、監督は「ずっと頭の中で回りません?」と観客に問いかけ、「どストレートな日本語の歌詞で、ド直球なメッセージをまっすぐ歌ってくれるのが意外」だったという。そして、「背中を押される、前向きな気分になれる。なおかつ、青春の映画だったんだなという印象を残してくれる。キャッチーで爽やかで疾走感があり、男らしさを忘れない、非常にこの作品に合う楽曲をいただいた」と感謝の気持ちを述べた。

 松村は、この作品の印象について、「中高生の時って人間最強感があるじゃないですか。忘れていたものを取り戻した気持ちになりました!」と語り、「ほしい答えをそのままいただきました」とご満悦な監督。「大人が観ても良い映画だったって思ってほしい」と思って作ったと、喜んだ。

 本作を制作して得た「宝物は?」という質問には、吉松は「良い作品に巡り合えたこと。いしづか監督に感謝」、監督は「このメッセージが宝物です」と、相思相愛な雰囲気。付随して、「お客さんに観てもらってその人の心に残る、この現象そのものが宝物」と、監督は観客に想いを伝えた。関連して、それぞれ個人的な宝物を聞かれると、監督は「学生時代の友達との関係」、吉松は「この作品を生み出せるこの右腕」、松村はお米が大好きということで、「炊飯器」と答え、お米が大好きと話す松村らしい回答で会場を沸かせた。

 最後に、本作を心待ちにしているファンに対して、監督は、「一度で終わってほしくないっていう気持ちも込めて、気になる絶妙なポイントを残しているつもりなんです。この作品の中に、“よりもい”エッセンスが実は隠されているです。ぜひ、二度楽しんでいただければと思います!」とアピールした。そして、松村も「いろいろな人に薦めたい作品」「私ともぜひ共有しましょう!」と後押しし、終始温かい雰囲気の中、イベントは幕を下ろした。



(オフィシャル素材提供)



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