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『HOMIE KEI~チカーノになった日本人~』オフィシャル・インタビュー

2019-04-25 更新

KEI


HOMIE KEI~チカーノになった日本人~homie-kei
© 「HOMIE KEI~チカーノになった日本人~」製作委員会
配給:エムエフピクチャーズ

KEI

 1961年東京生まれ。ヤクザ時代にFBIのおとり捜査で捕まり、米刑務所・拘置所を合わせ10年以上投獄される。ただ一人の日本人として、徒党を組まず暴れまくるも、刑務所内でチカーノと呼ばれるメキシコ系アメリカ人との出会いによって人生の価値観を大きく変えた。
 出所・帰国後はファッション、タトゥー、書籍、コンピレーションCD、DVD、映画などの幅広いプロデュースで、湧き上がるチカーノ・ブームの象徴的存在に。また、米刑務所内でカウンセラーの資格を取得し、ボランティア団体「Good-Family」を設立。現在運営するマリーナ「HOMIE Marine CLUB」では悩める子ども・親たちが集まる。
 著作「チカーノになった日本人 KEI」(東京キララ社)では口コミだけで1万部以上のベストセラーを達成させ、現在も増刷が続いている。近年では「アメリカ極悪刑務所を生き抜いた日本人」(東京キララ社)を上梓。そして6年以上に及ぶ密着ドキュメンタリー映画「HOMIE KEI~チカーノになった日本人~」の公開を控えている。



 アメリカ極悪刑務所を生き抜いた男・KEIを追ったドキュメンタリー映画『HOMIE KEI~チカーノになった日本人~』が4月26日からヒューマントラスト渋谷にて公開他全国順次公開となる。
 KEI氏は、元ヤクザで、覚せい剤の密売でハワイでFBIに逮捕され、アメリカの刑務所に12年投獄され、帰国後ヤクザから足を洗い、現在は児童虐待の問題に取り組んだり、家庭環境に恵まれない子供たちの居場所としてGood Familyという施設を運営したりしている。本作では、その人生を10年近く追っている。
 公開に先立ち、KEI氏のオフィシャル・インタビューが到着した。


ご自身についてのドキュメンタリー映画を作りたいというオファーが来た時はどう思いましたか?

 最初は、「そんなの作っても、観に来る人はいないし、売れない」と思いました。自分は、「誰かやってくれるんならやってください」という感じだったんですけれど、うちの女房は、「なんでプライバシーを表に出さなくてはいけないの」と今もすごく嫌がります。(アメリカで服役後、)最初の頃は、洋服屋をやっていて、雑誌などで名前が出ると昔喧嘩して怪我をさせちゃった奴らがかなり仕返しにきたので。


本作の取材は、どれくらいの期間されたのですか?

 10年です。めっちゃ撮りました。大阪、静岡、京都、岡山などあちこちにも行きました。


サカマキ監督はいかがでしたか?

 マサさんは、最初はこの映画の監督をするのをすごく嫌がっていたんですが、それから結構二人であちこちに行って、映画の撮影をしない時も電話がかかってきたり電話をしたり、冗談を言い合ったりする間柄になりました。最初は自分を宇宙人を見るような顔をして見ていましたけど、今は結構仲良くしています。


この映画プロジェクトがあったからこそできたことはありましたか?

 この撮影があったことで、育児放棄された子どもやひきこもりの子どもがカメラとかに興味を持って、外に出てきて「映りたい」と元気になった子もいて、そういう面ではよかったんじゃないですか。


本作では、服役したLAに戻ったところも追っていますよね?

 アメリカに入れるかという過程を追ってもらい、入れるか入れないかというのは、運次第だったんですけれど、あれは運がよかったんです。実はそののちに、アメリカで逮捕されたんです。6年前、当時幼稚園年長だった子どもと2人でアメリカに行ったんです。行って、入国・通関手続きのところで、パスポートを出した時点で周りがバタバタし出して、別室に連れて行かれました。英語が分からないふりをして聞いていたら、ホノルルのFBIに電話をしていて、「確保しているけどどうする?」「俺たちがそっちに行くまで身柄を押さえてくれ」という話をしているのを聞いていて、これはもうダメだなと思って、そのまま逮捕されたんです。前回撮影の時に自分をアメリカに入れたのは、間違いだったと話していました。だから運良く、あの映像が撮れたんです。今回は、旅行代理店にESTAとチケットを頼んでいたんですけど、運悪くESTAの申請に手違いがあって逮捕されたんですね。でも不幸中の幸いで、ちっちゃい子どもがいなかったら、今頃自分はあっちの刑務所に入ってますね。子供と一緒に日本でいう拘置所みたいなところに留置されたんですけれど、アメリカの法律では、子どもはそういう施設には絶対に入れちゃいけないんですね。それで日本領事館に電話して弁護士に連絡して、イミグレーション(出入国管理事務所)を訴えたんです。LAX(ロサンゼルス国際空港)のイミグレーションのスーパーバイザーがすごい勢いで来て、「こっちも旅券法違反を取り下げるから、あなたも取り下げてくれ」と言われました。「とりあえずここから出して、どこでもいいからホテルに入れてくれ。うちの弁護士とそっちで、書類を交わして、次の日に帰すという約束をしてくれたら、取り下げる」と言ったんです。


KEIさんが幼い時にKEIさんを捨てたお母さんが登場して、ありえない言葉を言い放つので、ショックを受けたのですが、ご自身としては、ヤクザになった理由は、家庭環境も影響していると思いますか?

 小さい時からあちこちに預けられて、全然知らないところで生活しなくてはいけないので、子ども心に、どうやって好かれようかというのを身につけていきました。でも、だからヤクザになったというわけではなくて、たまたま自転車とかで歌舞伎町に行っていて、歌舞伎町で知り合った仲間たちが後に少年ヤクザになっていって、自然に入らなくちゃいけないという感じになったんです。だからといって、仲間たちがみんな同じところに行ったわけじゃないんですけど、当時テレビだとかで少年ヤクザが取り上げられていて、憧れみたいなものもあったし、自分の中で「ヤクザ=遊んでいてお金が入る」というイメージがあったので、一番楽なんじゃないかと思って始めた覚えがあります。結果、楽でも何でもなくて部屋住みで地獄を味わうんですけど。


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コカインを始めたのも、同じく映像を見て憧れてという感じなんですよね?

 『スカーフェイス』が異常に自分に影響を与えました。


KEIさんは、改心して、家庭環境に恵まれない子どもたちの居場所として Good-Familyという施設を運営されていますが、KEIさんのように、一度悪の道に手を染めた人を改心させるには、何が必要だと思いますか?

 本人が改心をするつもりがなければ、多分できないと思います。そのきっかけと本人の気持ちです。無理矢理は無理だと思います。嘘もつくでしょうし、その場はそう見せても裏で悪いことをしたりするようになります。


最近も、有名人が麻薬取締法違反容疑で逮捕されましたが、どう思われましたか?

 有名人が捕まるとああやって騒ぐけれど、一般人はもっと捕まっているじゃないですか。たまたまその人が有名人というだけで。今捕まっていない人もいるじゃないですか。捕まるかは力が関係してくると思います。


最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

 人間生きていく中でいろいろなことがあるじゃないですか。悪いことをしている人もいるし、生まれてからずっと真面目に生きている人もいるけれど、なんかのタイミングで人間って変われるんだということを伝えたいです。自分がどう変わったというのは観れば分かると思うので、自分を変えたいと思っている人がいるのであれば、それのきっかけになればいいなと思います。


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(オフィシャル素材提供)




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