2019-12-27 更新
倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田 吟、池脇千鶴、美保 純、佐藤蛾次郎、桜田ひより、北山雅康、笹野高史、夏木マリ、浅丘ルリ子、山田洋次監督
第1作の公開から50周年となる今年、50作目の最新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』が12月27日(金)より公開中。26日(木)には公開記念舞台挨拶が実施され、シリーズ初参加のキャストを加え、寅さんファミリー13名が勢ぞろい! 長い間ずっと待っていた寅さんが、帰ってくる喜びを劇場の観客とキャスト全員で分かち合った。
満員の劇場で山田洋次監督と寅さんファミリー総勢13名がステージに登場し、盛大な拍手で迎えられた。
はじめに山田監督から「この映画は、第一作から大勢のスタッフや俳優全員で一緒に50年かけて作りました。これから皆さんにも楽しく観てもらえますように」と、会場へ集まった観客に語りかけた。寅さんの妹・さくら役の倍賞千恵子は「50年前に始まって50作目の『おかえり 寅さん』。22年ぶりに封切りになります。前夜祭ということで今日はドキドキしています。映画を楽しんでもらえたらぜひ周りの人にも伝えてください」、また、シリーズ最多出演のマドンナ・リリー役の浅丘ルリ子は「私も早く寅さんに会いたくて、ずっと寅さんの帰りを待ちながらジャズ喫茶をやっております。寅さんが帰ってきたら奄美大島の家で2人でゆっくり住みたいなと思います。私は初号試写の後また観たくなってそのあとも2回観ました。これからまた劇場でお化粧を落として観ようと思ってます。皆さんも2回、3回とご覧ください」と寅さんへの想いと合わせて語った。さらに、さくらの夫・博役の前田 吟は「22年ぶりに帰ってきます。くるまやの二階は、お兄さんがいつ帰ってきてもいいように箒とはたきで掃除してます。満男とイズミちゃんがどうなるか、皆さんこれからご覧ください」、寅さんの甥・満男役の吉岡秀隆は「50作目のお話をいただいたときから寅さんを探す長い長い旅に出ておりましたが、今こうして無事に旅を終えられるのも渥美さんが見守っていてくれたからだと思います。映画、楽しんでください」と挨拶し、イズミ役の後藤久美子は「今回大人に成長したイズミを演じることができたのはとても大きな喜びです。映画の中で寅さんにたくさん会えます。皆さん楽しんください」、イズミの母・礼子役の夏木は「50作目のこの記念の映画に参加できて俳優として幸せです。映画、お楽しみください」と、続けてこの舞台挨拶を迎えた思いを込め語った。
今作で小説家になった満男を支える編集担当・高野役でシリーズ初出演となった池脇千鶴も「皆さんの大きな拍手を聞いて、自分が小さい時にたくさん観てきたこのシリーズに自分が出られるなんて感激です」と挨拶。タコ社長の娘・朱美役の美保 純は「タコ娘です。あの印刷工場がどうなってるか楽しみに観て欲しいです」、題経寺の源公役、佐藤蛾次郎は「この間仕事でアメリカへ行った時、外国の方がみんな僕の顔を見て、ToraさんToraさんって言うんです。だから『Yes!I’m temple maintenance!』って答えたらウケてました」とシリーズお馴染みのキャストも登場。満男の娘・ユリ役の桜田ひよりは「この記念すべき50作目に参加できて心の底から嬉しく思います」、カフェとなったくるまやの店長・三平役の北山雅康は「40作目からくるまやで働いております。これまでは公開の時に皆さんが舞台挨拶しているのを見てたんですけど、今日はこうして皆さんと並べて感無量です」と挨拶をした。
御前様役の笹野高史さ「なんと本作では御前様をやらせていただいております! 渥美さんがいらしたら喜んでくれただろうなと思ってやらせていただきました」と語った。
● 監督キャストから寅さんへ一言
ついに封切りを迎える今、山田監督は「渥美さんはこの世の人じゃないんだけど、この映画はやっぱり主役は渥美 清、寅さんになってしまいました。この作品が皆さんに語りかけるものは渥美さんを中心に大勢の俳優さんたちの50年が主軸になっているんじゃないかと思います。皆さんも、この50年の時間と一緒に今日までの自分の歴史を振り返って考えることができるんじゃないかと思います。」と、思いを語った。
倍賞は「50年前から長い長い映画を撮っていてやっと明日封切られます。ここにお兄ちゃんがいたらどうだっただろうって、『おいさくら、頑張ったじゃないか』って言ってくれる気がして撮影してました。だからお兄ちゃんも喜んでると思います。この作品に参加して50年、人間としていろいろなことを学びました。本当に出演できてよかったです」と感極まって涙ぐむ姿も。寅さんに最も愛されたマドンナ・リリーを演じた浅丘は「リリーという役をいただいたことがどんなに嬉しかったか、本当にどんなに素敵な役だったか。私がこれまで演じてきたどの役よりも一番やりやすい役です。ここまで出させていただけて光栄です。山田監督に感謝します」と監督へ声をかけると、山田監督も「こちらこそありがとうございます」とお互いに肩を抱き寄せた。そして、いつもお兄さんを気にかけていた前田は「渥美 清さんは亡くなったけど寅さんは心の中で生きてるんだとこの作品に出て感じます。やっぱりファンの皆さんも寅さんは生きてると思ってるんだと思います」、そして寅さんの甥・満男役の吉岡は「おじさんには『お前何バカ言ってんだ』って言われそうだけど、風に向かって名前を呼んだけど現れてくれないんです。でも、『ずっとそばにいただろう、だから50作目ができたんだろう』と言ってくれる気がします」と、どんな時も味方でいてくれた伯父さんへ言葉を贈った。
さらに、後藤は「ただもう、ありがとうの一言だと思います。家庭が複雑なイズミがきちんと育ったのは寅さんの優しさに出会ったからだと思います。おじちゃま、ありがとう」といつも大きな優しさで包み込んでくれた存在だった寅さんを思い、夏木は「私は、あのぬくもりが忘れられないんです。あの頃から、礼子もいろいろと状況が変わったけど、相変わらず悩み事はあると思うから寅さんに聞いて欲しいです。風に向かって悩みを話したいです」と、かつての寅さんとの思い出を振り返りながら語り、シリーズ初出演となった池脇千鶴も「私は残念ながら寅さんにお会いできませんでしたけど、完成した作品を観てみんなの心の中に寅さんはいるんだなと、そんな関係が羨ましいなと思いました。私も会いたかったです」と思いを明かした。
シリーズお馴染みの美保 純は「本当に私は寅さんに甘えっぱなしだったと思います。美保 純としても役としてもあの時以上に誰かに甘えたことはないです。いつも心の中に寅さんいます。今もそう思って生きています」、佐藤蛾次郎も「人生も酸いも甘いも兄貴に教わりました。本当にいろいろ教わりました」と大切な気持ちを伝えた。満男の娘・ユリ役の桜田ひよりは「私が現場にいる時もユリとして生きている時も常に心の中に寅さんがいると思います。オーディションを受けていた時も寅さんが見守ってくれていた気がします。感謝しかないです」とその姿はなくとも諏訪家の家族から寅さんを感じていたことを話し、北山雅康んは「寅さん、くるまやがカフェになりました。さくらさんも博さんも待ってますから早く帰ってきて欲しいです」と呼びかけ、笹野は「これまでいろいろな役で出演してきましたが、本作でやっと寅さん一家と呼んでいただけて嬉しいです。渥美さん、笑わないでくださいね、お前が御前様だなんてって」と監督・キャスト揃って寅さんへ一言ずつ声を掛けた。
最後に山田監督は「ここにいる俳優さんたちはみんなは話が上手いから、映画も面白いんじゃないかと期待すると思うけど、その期待に応えられるように楽しんでもらえるよな映画であることを祈ります」と作品、俳優の皆さんへ愛情を込め、観客へメッセージを贈り、イベントは幕を閉じた。
(オフィシャル素材提供)
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