2022-06-07 更新
役所広司、永山絢斗、小泉堯史監督
“知られざる英雄”河井継之助を描く歴史超大作『峠 最後のサムライ』が、3度の公開延期を経て6月17日(金)、ついに全国公開! 6月6日(月)はロケ地である新潟県長岡市で先行上映会が行われ、主演の役所広司、共演の永山絢斗、そして小泉堯史監督が参加した。
撮影は2018年9月から11月にかけて敢行。3度の延期を乗り越え満を持して、ロケ地である新潟県長岡市に作品が届けられた。幕末の渦に抗った知られざる最後のサムライ、長岡藩・家老の河井継之助を演じた役所は「長岡の方々には一日も早く作品を観ていただきたかった! 撮影中は新潟の皆さんに本当にお世話になりました」と感慨と感謝を噛みしめつつ「今日はいつもの試写会とは違って料金をお支払いになって観に来ていただいたということで……。本当にありがとうございます!」とユーモア交じりに挨拶して、会場の笑いを誘っていた。
一方、継之助に仕える従僕・松蔵役の永山は「撮影以来の長岡再訪」という役所とは違い、「僕は車が好きで……。その車の部品を新潟の職人さんに作ってもらっているので、実は2ヵ月くらい前に長岡市に寄っています。だから今日は久しぶりな感じがしません」と長岡との意外な縁を明かしていた。
小泉監督は長岡での念願の上映に「撮影が終わってからこの作品を一人で抱えていたけれど、今日から皆さんと河井継之助という存在を共有することができる」と喜び、司馬遼太郎の大ベストセラー「峠」を映画化した理由については「原作小説を読んだ時、河井継之助に会ってみたいと思った。それが本作を製作したい大きな理由になった」と説明した。
新潟での撮影の思い出を聞かれた役所は「思い出といえば……スーパーマーケットに納豆を買いに行ったくらいかなあ?」と笑わせつつ、「河井継之助さんのお墓参りに行きました。墓石にたくさんの傷があったことが印象的でした」と回想。その河井継之助を演じる上では「長岡の皆さんに『河井継之助じゃない!』と言われるのが怖くて……」と恐縮も、「継之助が語る言葉が映画にはたくさん出てきますが、役を通してその言葉を語れるのは俳優ならではの醍醐味と喜びがありました。継之助さんの一つひとつの言葉を大切に伝えることが今回の自分の役目だと思って演じました」と役柄への真摯な向き合いを明かした。
役所の大ファンという永山は役所との共演に「役所さんの近くにいられるだけで幸せ。僕は少し離れたところから、いい距離感で眺めさせていただきました!」と満面の笑み。しかも役所からは私物のキセルをプレゼントされたそうで、「超宝物です! めちゃくちゃ嬉しかった」と喜色満面で報告。さらにNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」で役所と共演した際には「役所さんが実はレコードを出されていたのでそれを買って、現場中に『サインをいただけますか?』と。役所さんからは『なんでそんなものを持っているんだ!?』と言われましたが、自分にとって生まれて初めてのサインをもらいました」と、一ファンとしてのエピソードを嬉しそうに披露した。
改めて河井継之助の魅力を聞かれた役所は「未来を見据えて毅然とした態度でみんなを引っ張っていくリーダーとしての気迫」を挙げて、永山も「頭も切れるし情の深い人」と分析。加えて「人の上に立つ存在である人間を役所さんが演じることで説得力が生まれた」と絶賛。また小泉監督は本作の魅力について「新潟ならではの恵まれた素晴らしいロケーション。それは演じる俳優たちにとっても大きな助けになったはずです」と新潟全土の豊かな風景を見どころに挙げていた。
更に、本作を先んじて鑑賞した方々から、今の混乱した世界情勢の中この作品を観るとまた特別な想いがするという感想が多く寄せられていることから、どのような人物が現代の理想のリーダー像だと思うかを問われると、監督は「歴史は今に生きて初めて歴史になる。想像力をもって時代をみてみればそこから何か得るものがあると思う」とコメント。永山も「難しいですね。継之助もそうですが、人のため、国のためを想って動くという気持ちを持った人間について行きたくなりますね」とのこと。役所は「新潟には田中角栄さんという圧倒的に魅力的でパワフルなリーダーがいましたが」と笑いをとりつつ、「小泉監督は白紙の状態から立ち上げてスタッフ・キャストを指揮し作品を完成させた。すばらしいリーダーですね」と改めて監督を絶賛していた。
最後に主演の役所は、本作の見どころを「すべてのシーン!」と言い切り、「僕らに与えられた大切な言葉がこの映画にはたくさんあります。その一つひとつを噛みしめて観ていただけると嬉しいです。また永山くんが演じる松蔵が素晴らしい存在感でスクリーンに存在していますので、ゆっくりとお楽しみください」とアピール。小泉監督も「ロケ場所も含めてこの映画が完成したのは新潟の皆さんのおかげです。この作品がどのように受け止められるのか? その反応を楽しみにしております」と期待を込めて舞台挨拶を終了した。
(オフィシャル素材提供)
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