2022-05-03 更新
役所広司、松たか子、小泉堯史監督
“知られざる英雄”河井継之助を描く歴史超大作『峠 最後のサムライ』が、3度の公開延期を経て6月17日(金)、ついに全国公開! その完成披露試写会が5月2日(月)に都内劇場で行われ、主演の役所広司、共演の松たか子、そして小泉堯史監督が参加した。
幕末の渦に抗った知られざる最後のサムライ、長岡藩・家老の河井継之助を演じた役所。念願の初お披露目に「いろいろな事情が重なって公開が遅くなってしまいましたが、この映画の持つメッセージにおいては考えさせられる時期の公開になったような気がします」としみじみ。夫・継之助を支え、見守り続けた妻のおすがを演じた松は「皆さんに観ていただけることをとても嬉しく思っています」と笑顔を見せた。
役所広司とは『蜩ノ記』以来のとなる小泉監督は「私は司馬遼太郎のファンで、河井継之助という人物に惹かれました。2017年5月くらいにシナリオを役所広司さんに送ったら『この役に挑戦してみたい』と言われて。役所さんには大きな力になっていただいた」と製作までの道のりを披露した。
河井継之助は、日本中が旧幕府軍につくか新政府軍につくかで二分される中、和平のために武装中立を目指した人物。役所は「河井継之助さんの未来を見据えた毅然とした態度から出る決断力は、リーダーとして理想的だと思った」とそのキャラクターに惚れるも「シナリオを読んだらセリフが膨大で……。このセリフに立ち向かっていくのが今回の役割だと思った」と笑わせた。
役所と松は本作で初の夫婦役共演。役所は「松さんが二十歳くらいの時に同じドラマに出演したことがあります。松さん演じるお姫様が籠の中から出てくるシーンがあって、その時に『なんて華のある女優さんだろうか』と思うくらい上品で。久々にお会いしたら女性としてもお母さんとしても妻としても豊かになっていく感じがして。松さんの包容力で夫婦のシーンが出来上がった気がします」と感謝。それに松は「本当にもったいないお言葉! 役所さんのほうを見ることができません!」と嬉し恥ずかしの表情で視界から役所をカットするも、「役所さんと現場でお会いしたら、軽快な継之助さんで。おすがはこの人と一緒に生きている人なんだとイメージも広がりました。妻役をやらせてもらえるということで、私でいいのだろうか?と思っていた私を役所さんが包んでくれました」と返礼。河井継之助については「こんなにカッコいい人いる?あ、いた!みたいな。そう思わせてくれるくらいカッコいい人でした」と絶賛していた。
今作では、継之助の地元・新潟を中心にロケやロケセットでの撮影を敢行。小泉監督は黒澤 明監督の助監督として映画作りを学んできただけに、役所は「ベテランスタッフと若いスタッフの混合チームで、こうやって映画作りは継承されていくのかと目の当たりにした」と感激。地元民のエキストラも協力的だったそうだが「新政府軍の役を与えられると嫌がる人もいて。いまだに長岡魂は存在しているんだと思った」と学びがあったという。松も「小道具一つとっても素敵。お家のふすまの柄も大好きになって、個人的に写真を撮ったりしました」とチャーミングなエピソードを打ち明けていた。
また映画の内容にちなんで“ゆずれないもの”を聞かれた役所は「河井継之助と僕のゆずれないものではスケールが違い過ぎて……」と苦笑も、「やはりこの国を焼け野原にするような戦争は何があっても避けなければならないと思う。河井継之助の力をお借りして言いました」と平和を祈念していた。
最後に主演の役所は「お待たせいたしました、やっと公開となります。サムライという人間像は、日本人が生み出した芸術品であると司馬遼太郎先生は仰っていました。21世紀に生きる我々に響く言葉がたくさん詰まった映画になりました」とアピール。小泉監督も「河井継之助に出会えたことは自分にとって大きなこと。2度3度と河井継之助に会いに来ていただきたい。一度だけでは気づかなかったものが見えてくる映画にしたつもりなので、出合いを求めて映画館に何度も足を運んでほしい」と大ヒットに期待を込めていた。
(オフィシャル素材提供)
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