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2019-10-19 更新
綾野 剛、杉咲 花、佐藤浩市、村上虹郎
瀬々敬久監督、ユップ・ベヴィン
映画『楽園』の初日舞台挨拶が都内で行われ、綾野 剛、杉咲 花、佐藤浩市、村上虹郎と瀬々敬久監督が映画の上映後に登壇してクロストークを繰り広げた。また、本作で劇中曲を担当しているオランダのユップ・ベヴィンがこの日のために駆けつけ、舞台挨拶前にピアノ演奏を披露し観客を喜ばせた。
本作は、「悪人」(10)、「怒り」(16)などのベストセラー作家・吉田修一の「犯罪小説集」を原作に、映画『64 -ロクヨン-』(16)などの瀬々監督が映画化した。ある村で起きた少女失踪事件と連続殺傷事件、養蜂家にまつわる事件を通して、人々の喪失と再生の物語が描かれる。少女失踪事件の容疑者となる孤独な青年・豪士役を綾野が、失踪した少女の親友だった紡(つむぎ)役を杉咲が、周辺住民ともめたことで孤独になった養蜂家の善次郎を佐藤が演じている。
初日を迎え、主演を務めた綾野は「ようやく(観客の)皆さんにこの映画を託すことができます。この映画を皆さんに託すことで、皆さんの中で何かが生まれることが非常に重要だと思っています。最後の受け渡しができて良かったです」としみじみと語った。
杉咲は「この映画が無事に皆さんのもとに届いているんだなと、実感できて嬉しいです」と笑顔を見せた。また、杉咲は、「撮影をしていたときは本当に苦しかった。自分にとってトラウマのような時間があったりして……」と過酷な撮影を振り返ったが、「私はこの映画を観て救われたので、一人でも多くの方に観てもらいたいです」と作品をアピールした。
佐藤は「人によって楽園のとらえ方は違うと思う。このことを考えられる時間を皆さんに提供できるのが嬉しい」と語った。
村上は「作品が作品なので、(キャスト陣が)黒い服を着て宣伝してるイメージがあったので、僕は明るくしようと思って白系の衣装を着てきました」とコメント。その後、(お笑い芸人のカズレーザーを彷彿させる)金髪に真っ赤なスーツ姿で登場した綾野のほうを見て、「今日は、(お笑いの)ライブですか?」と突っ込む場面もあったが、綾野は、「(作品が心をえぐるような衝撃作のため)映画を観てくださった方々が、(映画のキャラクターを演じた)僕たちのことを心配すると思ったので、(キャラクターとは)全く別人だなと思ってもらえるように着てきました」と説明した。
ロックバンド「RADWIMPS」の野田洋次郎が手がけ、上白石萌音が歌う主題歌「一縷(いちる)」について、綾野は「試写の後、歌に救われました。なんとか立ち上がるきっかけをもらえた気がして、とても感謝しています。彼女の声は、すべてをすくい取ってくれるようで、真実なんて何の役にも立たないような時代になってきたのかなと思う今、ちゃんと真実を照らしてくれる声があるんだと思いました」と感想を述べていた。
上映後の舞台挨拶となり、キャスト陣が観客からの質問に答えるコーナーもあって、盛り上がりを見せた。
最後に綾野は、「希望に向かって生きる沸点を懸命に探している人がいたら、抱きしめてあげてください。僕もそのように努めていきたい」と客席に向かって呼び掛けイベントは終了した。
(取材・文・写真:福住佐知子)
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