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2019-10-15 更新
綾野 剛、佐藤浩市、吉田修一(原作者)、瀬々敬久監督
国内外で多数の映画賞を受賞した『悪人』(10)、『怒り』(16)と映像化が続くベストセラー作家・吉田修一の新たな最高傑作「犯罪小説集」が、『64 -ロクヨン-』(16)を大ヒットさせた瀬々敬久監督により映画化。心えぐられる衝撃のサスペンス大作、映画『楽園』が10月18日(金)に全国公開となる。10月8日(火)、紀伊国屋新宿本店にて「『楽園』まもなく公開!スペシャルイベントin新宿」が開催され、主演の綾野 剛、佐藤浩市、瀬々敬久監督そして原作者の吉田修一が登壇した。
綾野 剛、佐藤浩市、瀬々敬久監督、吉田修一が紀伊国屋新宿本店にサプライズで姿を現すと街行く人は足を止め、大歓声が沸き起こる中イベントはスタートした。MCより本作のタイトル『楽園』に絡め、東京の楽園“新宿”のど真ん中でのイベント開催となった気持ちを聞かれた綾野は「とても嬉しいですね、映画と書店が連動して作品を盛り上げるのは良いことですよね。でも新宿が“楽園”ですか?『新宿スワン』の撮影中に一般の人に髪の毛を掴まれた思い出もあり、激しい街ですよ(笑)」と過去の撮影時のエピソードを披露した。佐藤は「私も書店でのイベントは初めてですけど、日本映画界も一時期は危ない時代がありましたけど、今は書籍のほうも大変な時期を迎えている中で、お互いが手を取って、何かひとつでも身になれば良いなと思います。新宿に関しては夜の歌舞伎町の撮影は本当に大変なんですよ。ここでは話せないエピソードもたくさんあってそっちのほうが印象深いですね」と綾野と同じく新宿での撮影にまつわる苦労話で会場からは笑いが起こった。
そして、先日行われたヴェネチア国際映画祭や完成披露試写会、そして現在も開催中の釜山国際映画祭でも大喝采を浴びている本作への手ごたえを聞かれた綾野は「釜山国際映画祭ではレッドカーペットも歩かせていただいて、お客さんのパワーに圧倒されました。改めて映画は国境を越えるなって実感しました。現地では自分たちのことを知らない人も全力で拍手を送って歓迎してくれている姿に感動しました」とレッドカーペットを歩いた際の気持ちを述べた。同じく映画祭に参加していた瀬々監督は「今は日韓が政治的に大変な時期ですが、釜山のお客さんは温かく迎えてくれました。そうした意味では映画は国境を超えると思いましたし、映画で手と手を取り合えると確信しました。映画の力というのは本当に素晴らしいなとも思いましたね」とコメントした。
そして映画を見た感想を聞かれた吉田は「一言で言うと圧倒されました。映画を観終わった後に人間の感情がすべて奪い取られるような、今まで感じたことのない気持ちになりました。本当に作品を作ってくれた監督やキャスト、スタッフに感謝しています」と伝えた。それに対して綾野は「めちゃくちゃ嬉しいです。吉田さん原作の作品に出演するのは『楽園』で3本目になるんですけど、まだまだ吉田ワールドの中で生きたいなと思いますし、もっともっと頑張ろうと思います」と吉田に感謝を述べた。そして本作の魅力に関しても「この作品に出ている人物は誰一人として心が乏しい人はいないと思っています。そのような人は周りの環境によって生まれてしまうのだと思いますし、会場にいる人たちの近くにもそうした人はいて、私たちはそれに気づかなければいけないし抱きしめてあげなければいけない。だからこの作品を皆さんに託したいです」と本作に対する熱い気持ちを語った。
続けて佐藤は「瀬々監督の作品で『楽園』というタイトルを見てファンタジーを期待する人はいないと思いますけど、人によって楽園の受け止め方は違うと思いますので、いろいろなことを考えながら観てもらえますし、観終わってから良い意味での後味の悪さを感じることができます」とコメントした。
続いて本作の原作である〈犯罪小説集〉の続編となる〈逃亡小説集〉の話になり吉田は「元々三部作で考えていまして、第一弾が〈犯罪小説集〉で、その次に何かから逃げる人たちを描いている〈逃亡小説集〉があります」と説明すると、綾野が「〈逃亡小説集〉! 瀬々さん一緒にやりましょうよ! 何かから逃げたいです!」と続編の映画化をその場で瀬々監督にオファーし会場は盛り上がった。
最後に、佐藤は「人間はどこにいようが、等しいです。人間がどうやってボタンを掛け違っていくのか、考えながら本作を観ていただきたいです」と話し、綾野は「地方に対して中央も、もっと見つめ直さなければいけないことがたくさんあると思います。私たちは政治的観念で伝えることが出来ないので、映像化して想いを届けたいと思っています。本作は“今何を見つめ直さなければいけないのか”を描いています。ぜひ劇場でお楽しみください」と挨拶しイベントは終了した。
(オフィシャル素材提供)
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