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第22回ニッポン・コネクション日本映画祭閉幕 受賞者発表へ

2022-06-02 更新

ニッポン・コネクションnipponconnection
©2022 NIPPON CONNECTION

 ドイツ、フランクフルトで開催された第22回ニッポン・コネクションでは、完売イベントも続出する盛況ぶりを見せ、2022年5月29日(日)の授賞式をもって6日間に亘る映画祭が幕を閉じた。約100本に及ぶ日本の短編・長編映画がフランクフルト・アム・マイン市内の12会場で上映されたほか、60以上のイベントが開催された。コロナ禍の規制にもかかわらず、日本からは約25名の映画人やアーティストが来場し、来場者に作品を紹介する機会をもった。3年ぶりに現地開催となった映画祭は、パンデミック以前とほぼ変わらない約1万5千人の来場者を記録。待ちに待った再会に、観客、専門ビジター、日本からのゲストには喜びの表情が見えた。

 なお6月6日(月)まで、今年の映画祭で上映された長編32作品、短編19作品を、ニッポン・コネクション・オンデマンドで視聴することができます(ストリーミング配信はドイツ国内のみ)。各作品は5ユーロで、支払い後5日間は開始から24時間視聴することができる。詳細情報は、映画祭サイト:Watch.NipponConnection.com(外部サイト)に記載されている。

 5月29日にKünstlerhaus Mousonturmで授賞式が行われ、今年の映画祭は閉幕した。今年の「ニッポン名誉賞」は俳優の永瀬正敏に贈られ、同氏は日本からの生中継で式に参加した。第6回目となるこの賞は、日本映画界に特別な功績を残した人物に贈られる。同志であるジム・ジャームッシュ監督からはサプライズでビデオ・メッセージが寄せられた。永瀬は今年の映画祭プログラムでは、『カツベン!』、『ある船頭の話』、『星の子』、『二人ノ世界』、『茜色に焼かれる』、『ミステリー・トレイン』に出演した。


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 「ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞」は、型破りな高校青春映画『ひらいて』を監督した1995年生まれの首藤凜監督に授与された。Gaby Babić氏(Kinothek Asta Nielsenマネージング&アーティスティックディレクター)、伊藤恵里奈氏(ジャーナリスト)、Adam Torel氏(Third Window Films配給・プロデューサー)からなる国際的な審査員は、ステレオタイプ的なジェンダーの役割を超えた驚くべき複雑なキャラクター、映画のリズムと編集を高く評価した。今回で12回目となる本賞は、日本映像翻訳アカデミー(JVTA)の後援により、次回作品への字幕が提供される。


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 本部門のスペシャル・メンションには、工藤梨穂監督の『裸足で鳴らしてみせろ』が選ばれました。審査員は、その繊細で独特、かつ流麗な物語、そして音響、編集、演技指導の巧みさを強調した。


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 また、3つの観客賞も授与された。フランクフルトのメッツラー銀行後援で2,000ユーロの副賞が贈られる「ニッポンシネマ賞」は、心温まる家族ドラマ『浅田家!』に決定した。中野量太監督は一風変わった演出で家族のポートレートを撮る写真家・浅田政志氏の写真集にインスパイアされ、メガホンを取った。


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©2020 ASDKFP

 「ニッポン・ドックス賞」の受賞作品として観客が選んだのは、ドキュメンタリー映画『東京クルド』。当映画に主演する青年たちは、日本に暮らす約2,000人のクルド人の2人です。長年、難民として認められず、オザンとラマザンは労働許可、修学、普通の生活を願いながら生きている。日向史有監督は、日本の厳格な難民政策に対して心打つコメントを発った。1,000ユーロが賞金として与えられる本賞は今年で3回目の授与となる。


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 第8回「ニッポン・ヴィジョンズ観客賞」を受賞したのは、藤本啓太監督の『二人ノ世界』。事故により首から下の自由を失った俊作と盲目のヘルパー華恵の濃厚なラブ・ストーリーは、京都芸術大学の学生たちが製作した。主役は「ニッポン名誉賞」受賞俳優の永瀬正敏。フランクフルト日本文化普及センターをスポンサーとする当観客賞の受賞監督には1,000ユーロの賞金が贈られる。


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 映画祭ディレクター、マリオン・クロムファスは、サポーター、スポンサー、後援者、そしてほとんどがボランティア・スタッフである70人以上の映画祭スタッフ・チームに感謝の意を表した。来年、第23回目となるニッポン・コネクション映画祭は、2023年6月6日~11日にフランクフルトで開催される。

 ニッポン・コネクション・オンデマンドのストリーミング提供に加え、NHK WORLD-JAPANの協力により、テレビドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』と『心の傷を癒すということ』が6月30日まで無料で視聴することができる。また、ホームページ:NipponConnection.com (外部サイト)では、バーチャルな「Nippon Online Market」が引き続き開催されている。限られた期間中、日本の食品や書籍、映画、自転車など、幅広い商品を出展している。

 さらに、プログラム重点テーマ「Stories Of Youth – Coming Of Age In Japan」のもと、映画祭で上映された複数の作品が、ライン・マイン地域で今後数ヶ月にわたり上映される予定です。上映日程は映画祭ホームページにて随時発表される。


 【映画祭について】

 日本映画祭「ニッポン・コネクション」は約70人のボランティアを中心としたチームからなるNPO法人「ニッポン・コネクション」により運営されている。また、ヘッセン州科学芸術大臣アンゲラ・ドルン氏、フランクフルト市長ペーター・フェルトマン氏及び在フランクフルト日本国総領事館に後援されている。2000年の映画祭発足以来、日本映画に関する世界最大のプラットフォームへと、またヘッセン地方における最大級の映画祭となった。

 ■公式サイトNipponConnection.com (外部サイト)



(オフィシャル素材提供)



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