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2008-01-17 更新
市原隼人、関めぐみ、浅利陽介、北村拓司監督、チェーンソー男
配給:日活
1月19日(土)よりシネ・リーブル池袋、新宿ジョイシネマ、渋谷Q-AXシネマほか全国ロードショー
(C)2007ネガティブハッピー・チェーンソーエッジ製作委員会
第五回角川学園小説大賞特別賞を受賞した滝本竜彦の「ネガティブハッピー・チェーンソーエッジ」が映画化され、第20回東京国際映画祭で初披露された。メガホンを取ったのは、これが長編第1作となる北村拓司。日本映画界には欠かせない市原隼人・関めぐみ・浅利陽介といった出演者たちと共に、晴れの場で舞台挨拶を行った。
映画に登場する終始無言のチェーンソー男の先導でステージに現れた4人。「今回はチェーンソー男が出てくるのですが、そのチェーンソー男がどんな意味があって出てくるのか、そしてそれがいつ判るのか、すごく楽しみでした。音楽も最初から音に揺られるような感じで、すごく楽しめると思います」(市原)、「やっとこの映画を皆さんに観ていただく日が来たと思うと、すごくうれしいです。一生懸命頑張りました。ぜひ、最後まで楽しんでいって下さい」(関)、「劇中の話はあまりしたくないのですが、これだけは言いたいと思います。映画の中に(浅利が演じた)渡辺が作ったという歌があるのですが、それは誰が歌っているのか? ということも踏まえてですね、まぁ僕が歌っているのですが、その辺も聞きつつ、作品を最後まで楽しみつつ、チェーンソー男の何たるかを判っていただければうれしいかなと思います」(浅利)、「氷点下になるような場所で水の中に入ってもらったりして、寒い中での撮影は大変でした。ナイターが多くて、連日朝まで撮っていました。そんな過酷な現場で、キャストとスタッフが本当に頑張ってくれた甲斐もあり、クオリティの高い娯楽映画になったと思っています。今日はゆっくり楽しんでいって下さい」(北村監督)と、初のお披露目を迎えた喜びを語る。
出演者に、それぞれの立場からの見どころを聞くと、「まだ大きなスクリーンでは観ていませんが、チェーンソーの音やCGはすごく迫力があって楽しいと思います。アクションのシーンがとても多くて、10m以上のワイヤーで吊されているシーンもあります」(市原)、「これほど跳んだことは初めてです。いろいろな場所で跳びましたし、いろいろな立ち回りもやりました。すごく勉強になりましたし、はまりました」(関)、「僕もアクションをやりたかったですし、CGも使ってほしかったのに一切無く。何ですかねぇ、歌か……。ここぞといった僕のシーンは特にありませんが、この作品のスパイスになれて良かったなと思います。市原隼人君や三浦春馬君の演じたアンチな青春が、こんな世の中で生きたくないといった青春の感じがすごく好きだったので、その気持ちをぜひ観てもらいたいなと思います」(浅利)と、三者三様だが手応えは充分といった様子だ。
スクリーンからは和気藹々として本当の親友のような雰囲気が伝わってきた3人だが、撮影現場でのエピソードを聞くと、「(市原隼人と)2人で絡んでいる時に、申し訳ないですが眠たくて台詞を間違えてしまった瞬間、市原君に“お前、ちゃんとやれよ!”と怒られたことがあります。そういうことも言える仲ですね」(浅利)、「一緒に食事に行ったり、家に来たりしています」(市原)と仲が良いところをアピール。
こんな3人を含めて演出時の思い出を北村監督に聞くと、「いろいろありましたが、眠ってしまった件は気づきませんでした(笑)。それぞれのキャラクターで持ち味を出してくれたので、むしろそこを伸ばしていく、そこを頂いたという感じですね」と満足げだ。
最後に、長編第一作のお披露目を迎えた感想を北村監督に聞くと、「初めての長編なので、今とても緊張していますし、また、とてもうれしく思っています。どのように観ていただけるでしょうか? 先ほど娯楽作品と言いましたが、実はテーマがその真逆のところに隠れていたりします。ですから、そのテーマは何だろう? と考えながら観ていただけると、また楽しめるかなと思います。その答えらしきものが見えれば、このチェーンソー男は何なのだろう? という謎解きにも繋がっていくのではと思います」と嬉しそうに答えた。
いきなりチェーンソー男が登場するという一見抽象的で難しそうなテーマの原作を、CGやワイヤー・アクションを駆使して娯楽作品に仕上げたのが本作。最初は取っつきにくいかもしれないが、やがてチェーンソー男に象徴される何かを感じ取ることが出来る。まさに映画だからこそ表現することができた作品だ。
(文・写真:Kei Hirai)
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