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記者会見

トップページ > 記者会見 > 『ミッドナイトイーグル』製作発表記者会見

製作発表記者会見

2007-11-20 更新

大沢たかお、竹内結子、玉木 宏、吉田栄作、藤 竜也、高嶋哲夫(原作者)、成島 出監督、小滝祥平(プロデューサー)、松本輝起(松竹株式会社取締役)

ミッドナイトイーグル

配給:松竹
11月23日(祝・金)丸の内ピカデリー1ほか全国拡大ロードショー
(C)「ミッドナイトイーグル」パートナーズ

 邦画史上最大スケールの本格山岳サスペンス・アクションに、ラブ・ストーリーが融合したエンタテインメント超大作『ミッドナイトイーグル』。製作発表記者会見には大沢たかお、竹内結子、玉木 宏、吉田栄作、藤 竜也という豪華キャスト陣と成島出監督、原作者の高嶋哲夫、プロデューサーの小滝祥平と松竹株式会社取締役・松本輝起が出席。10月2日(現地時間)に米ロサンゼルスでワールド・プレミアを開催したのをはじめ、世界規模のプロモーションに臨む本作に賭ける意気込みを口々に語った。

-----まずは、ご挨拶をお願いします。

松本輝起(松竹株式会社取締役):この映画は、『ラストサムライ』が公開された後、「悔しいね。ああいう映画、日本でも絶対に撮れるよ」という話をしていたところから生まれました。去年、日本映画が21年ぶりに洋画のシェアを抜きましたが、そんな中で、これだけの超大作を今年公開できるということに、大きな興奮と喜びを覚えております。
小滝祥平(プロデューサー):製作概要について、若干説明させていただきます。クランクインは1月15日に松本のシーンから入りまして、約1ヵ月強、穂高・八ヶ岳・八海山などの雪山で撮影を敢行します。3月15日くらいのクランクアップを目指しておりまして、そこから編集、ダビング等々で8月の頭くらいには皆様にご覧いただけるのではと思います。ただ実は、12月11~13日、すでに撮影をしておりまして、今回防衛省と航空自衛隊、陸上自衛隊の全面的なバックアップを得て、撮影させていただいております。これからまた、立川の基地やいろいろな自衛隊の場所をお借りしまして撮影を進めてまいります。また、山岳アドバイザーには登山家の第一人者である小西浩文さんにご参加いただき、山岳部の一員という設定になっている俳優には何度も山に行って訓練をしてもらいました。みんなが無事に撮影を終えられるようにと祈っております。
高嶋哲夫(原作者):僕はこの映画は日本では作れないのではないかと思っていたのですが、非常に優れた脚本家の方、監督さん、そして俳優の方々にご参加いただきまして、今回、原作を超える映画が出来そうですのですごく喜んでいます。基本的にこれは家族愛の話です。……よろしくお願いいたします(笑)。
成島 出監督:高嶋先生がお書きになったスケールの大きな原作を映画化するために、本当に素晴らしいキャストとスタッフが集まってくれました。スケール感、サスペンス、そして切ないラブ・ストーリーが凝縮されたとても素敵な物語だと思っています。多くの方々に感動していただけるように、人間をきっちり描いた映画に仕上げられたらと思っております。
大沢たかお:2007年の年明け早々に『ミッドナイトイーグル』という、とても大きく刺激的で挑戦的な作品に参加することができて、とても光栄に思います。そして何よりも、素晴らしい原作を、ずっと憧れていた成島監督とここにいらっしゃる素敵なキャストの皆さんと共に映画化できるということに、今とても興奮しています。こういう山岳アクションというのは、実は僕にとって初めてのジャンルとなります。この作品は、先ほど高嶋先生もおっしゃっていたように、愛する人を命懸けで守る人間たちの熱い、熱い物語だと僕は解釈しています。なので、俳優としてだけでなく人間としても、精一杯この作品に向かっていければと思います。2ヵ月間、ほとんど雪山にこもりきりの撮影になりますが、結果を楽しみにしていてください。
竹内結子:骨太な作品であり、命を懸ける男性陣の間にポツリと私がいるという、ある意味、私の立ち居地は客観的なものがありまして、女性から見た感情のあり方といったものをうまくつかめたらいいなと思っております。私が雪山に行くことはないんですが、まずはこれからいろいろなことを勉強しつつ撮影に臨みたいと思います。
玉木 宏:まだ撮影に入っていないので何とも言えないんですが、僕が演じる落合信一郎という役はすごく熱い男で、あることをきっかけに松本に左遷されてしまいます。熱い男ですが、おっちょこちょいなところもあるという役柄で、最後まで精一杯演じきりたいと思います。
吉田栄作:2年前になりますが、この映画の製作が実現すると小滝プロデューサーに言われまして、それからこの半年間は僕なりにこの役にしぼって役作りをしてきました。今回は自分の命を懸けて国を守る男の役です。しっかりとリアリティを持たせなければいけないなと思いまして、陸上自衛隊のレンジャー部隊に入隊してきました。そこでたくさんの自衛官の方たちと触れ合いましたので、そういう意味では陸上自衛官の代表としてこの映画に参加するという気持ちで臨みたいと思っています。過酷な冬山のロケに入りますので、見守っていただければ幸いです。
藤 竜也:一国の宰相を演じるというのはなかなか気が重いものですが、ここで描かれている核クライシスは決して現実感がないものではなく、かなり恐い話です。日本という国がこういう危機に向かっていかないためにも、この映画は必見になると思います。

-----キャストの皆さんにお聞きします。出演依頼を受けたときに感じたこと、また、出演を決めたきっかけを教えてください。

大沢たかお:2年前に小滝プロデューサーからお話をいただいて、まず原作を読ませていただいたんですけど、先ほども申し上げたように、僕はあまりアクションをやっていなかったのと、それ以上に、藤さんがおっしゃったように核クライシスというか、夢物語のようでそうではない話だなと思いまして、そういう意味では、俳優としてより人間として、男として一体何が出来るのかなということを考えながら読んでいたら参加したくなりました。つまり、話に惚れたというのが一番の理由ですね。
竹内結子:私はまず、事務所の方からこの話をいただいたとき、「雪山が舞台で、核、戦闘機、いろいろな要素が入っています」と伺いまして、「もしかしたら私も雪山に登ったりするんだろうか」ということが一瞬頭をよぎった後に台本を読みまして(笑)、週刊誌の女性記者の役だと知りました。そういった役は初めてでしたし、台本を読んですごく胸が熱くなってしまったことと、今はまだ細かい部分を説明させていただくことは難しいんですが、あるひと言にとても胸を打たれてしまいまして、参加させていただくことに決めました。
玉木 宏:ちょうど去年の今頃にオンエアされた「氷壁」というドラマで、初めてアイス・クライミングや雪山登山を経験したんですけども、この話をいただいた時も雪山に行くということでしたので、「またか!」というのが正直なところでした(笑)。ただ台本を読ませていただくと、大沢さんや藤さんもおっしゃったように、そこには遠いようだけど考えなければいけない問題があると思いまして、すごくやり甲斐がある作品だなと思ったのが出演の決め手になりました。
吉田栄作:きっかけは小滝さんに言われたからです(笑)。小滝さんに「No」という返事なんて出来ません。内容的にもやり甲斐を感じています。自分の運動能力を活かせる仕事だなとは思っているんですが、僕はどちらかというと山より海のほうが得意なものですから、正直不安な部分はたくさんあります。でも何よりもストーリーが持つメッセージ性を考えたら、やり甲斐のある仕事ですので、思いっきり闘ってきたいと思っています。
藤 竜也:また仕事をいただけてうれしいな、というのが実感です(笑)。ただもう一つ、だんだんきな臭い方向に日本全体の流れが行っているようなこういう時勢に、この物語には「これはヤバいぞ」というメッセージがほどよくあるんですね。ですから、いいエンタテインメントになるなと感じました。本当に、仕事をいただけてうれしいです(笑)。

-----監督はこのお話が来たとき、どう思われましたか?

成島 出監督:最初は“何故僕に……”と思ったんですが、高嶋先生の原作と、台本も仕上がっていくにしたがって、本当のエンタテインメントが作れると感じたんですね。最近はちょっと曖昧な傾向にある気がしますが、映画って、いつも時代と共にあるべきだと僕は思っています。この映画はまさにその正道を行っていると感じましたので、「思いきって、やらせていただきます」と受けさせていただきました。

-----大沢さん、玉木さん、吉田さん、雪山で訓練をされたとのことですが、体験された感想やエピソードをお聞かせください。

大沢たかお:12月に入ってから富士山や八ヶ岳などに行き、年末も玉木さんと一緒に山小屋やテントに泊まったりしていました。トレーニングというかほとんど合宿生活に近いような感じで、八ヶ岳では「遭難で人が死ぬってこういうことなんだ」という経験を玉木さんとしまして、先行きがとても不安になったことを覚えています。時間が限られていますが、その中で出来る限りのことはやるつもりでいます。
玉木 宏:僕は年末に2泊3日で合宿に参加させていただきました。基本的に雪山に登るのは苦しみしかないと思っているんですけど(笑)、あまりにもキツすぎて笑っちゃうような状況でした。そんなわけで、すごく楽しかったのを覚えています……(笑)。本当に1メートル先の視界もない状況で、風速も20メートルくらいあったんでしょうか、頂上に着いた時には立っていられないような状態でした。でも、それがすごく楽しかったなと今は思いますね。
吉田栄作:本当に雪は辛いです。僕らみんな身長180センチ以上ある大男たちですけど、胸ぐらいまでズボって埋まっちゃうような箇所がいくらもあって、そこから自力で這い上がらなきゃいけないんですよ。そんな中で撮影が始まるんだなぁと思いました。あと僕は、大沢さんと玉木さんに助けられる役ですから、あまり雪に精通してはいけないというところがありまして、そういう意味では戦いのほうを中心にトレーニングしてきました。

-----しもやけになったり、寒すぎて手の感覚がなくなったりしませんでしたか?

大沢たかお:凍傷までは行きませんけど、慢性的に凍えてる状態でしたね。でも残念だったのは、せっかくの泊り込みの訓練だったんですけど、あまりの苦しさに玉木さんとほとんど会話もないまま終わってしまいまして(笑)。コミュニケーションを取るはずの合宿だったのに、会話がひと言くらいで終わったことがちょっと残念でした(笑)。

-----大沢さんはカメラマン役、竹内さんは週刊誌の記者役ですが、演じられる役の職業に対するイメージをお聞かせいただけますか? 竹内さんは普段は取材される側ですが、今回は取材をする側になるわけですね。

大沢たかお:戦場カメラマンは過去にも演じたことがありますので、その時の記憶を頼りに、資料も全部出してきたり、人に話も伺ったりしました。ただ、理屈では分かるんですけど、深いところまではなかなか入り込めない部分があったりして、とても難しいんですよ。命懸け以上に命懸けで、自ら進んで戦場に行ってしまうわけですからね。その感覚というのは、到底理解できない部分があります。ただ今回は、自分から行きたくて行ったというよりは、ただ単に取材に同行したカメラマンが、日本を揺るがすような大事件に巻き込まれてしまうという役どころなわけです。そういうところも忘れずに、等身大の人間らしさをお見せしたいなと思って、今はそのバランスを取りながら演技を考えています。
竹内結子:確かに、私自身は取材を受ける側ですので、逆の立場を演じる場合には、やはり私自身の考えとは切り離そうと思っています。私の役の場合も、巻き込まれるように事件の取材をすることになるわけですが、個人的にはグルメとか旅館とか、そういう旅モノの記者をやれるといいのにな、という気持ちはありました(笑)。

-----週刊誌の取材記者も大変だなと思われますか?

竹内結子:もちろん、お互い大変なんだなと思います!

-----これから雪山ロケが続くと思いますが、大沢さん、玉木さんは年末も山に行っていらしたということで、このお正月はゆっくりする時間がございましたか? 皆さん、お正月はどのように過ごされたのでしょうか。

藤 竜也:酒飲んでました(笑)。
竹内結子:ご飯を食べたり、私もちょっとお酒を飲んだり、派手でもなく暗くもなく、のんびりと過ごしていました。
大沢たかお:母親と一緒に、ボ~ッと一点を見つめてました(笑)。何にもしてなかったです。無の境地でした(笑)。
玉木 宏:僕は炬燵から出られなかったですね。炬燵で寝て……という生活をしていました。
吉田栄作:お酒飲んでました。
松本輝起(松竹株式会社取締役):松竹の場合は正月、歌舞伎座で集まるわけでして、ずっと休みなく仕事をしていました。
小滝祥平(プロデューサー):脚本の長谷川(康夫)さんと監督と紅白を見ながら、脚本を直してました(笑)。コンビニに年越しそばを買いに行ったんですけど二つしかなくて、まるで雪山にいるかのように三人で二つを分け合って食べました(笑)。
成島 出監督:お二人と一緒にコンビニのおそばで年越ししたことは、たぶん一生忘れられない思い出になると思います(笑)。
高嶋哲夫(原作者):田舎の岡山に帰って両親と過ごしながら、仕事をしてました。

ファクトリー・ティータイム

この製作発表記者会見は今年1月のことだったが、当時から超ド級のスケールの映画を製作するという熱い想いがひしひしと伝わってきたのを覚えている。その出来栄えのほどを、まもなくスクリーンで確認できるのが楽しみだ。
(文・写真:Maori Matsuura)


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