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『とおいらいめい』SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022 質疑応答

2022-07-18 更新

大橋隆行(監督・脚本)、吹越ともみ、田中美晴

とおいらいめいtooiraimei ©ルネシネマ
ルネシネマ
8月27日(土)~9月23日(金) 池袋シネマ・ロサにてレイトショー公開

 開催中のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022の国際長編部門に、日本映画では唯一正式出品されている映画『とおいらいめい』。8月27日(土)~9月23日(金)に池袋シネマ・ロサにて4週間レイトショー公開されるのを前に、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭での質疑応答に、監督・脚本の大橋隆行、長女・絢音役の吹越ともみ、次女・花音役の田中美晴が登壇した。


 徐々に家族になっていく腹違いの3姉妹の演出を聞かれた監督は、「コロナ前だったので、おうちで合宿という制作体制で撮影していたので、すっと家族のように仲良くなっていました。3人はお芝居の雰囲気が被らない良いバランスだったので、“このシーンではどれ位の距離感が欲しいか”を絶えず考えていました」と回答。

 吹越は、「合宿で修学旅行みたいな気分で、スタッフさんも一緒にみんなで頑張ったという思い出があります」と話すと、田中が、「お姉ちゃん(吹越)もあかりちゃんもすごくかわいくて、3姉妹で幸せだったなという思いが強いです。寝食共にしていたので、自ずと距離感も縮まって。お料理もお姉ちゃんはお姉ちゃんで、一番早く手伝っていましたよね?」と言うと、吹越は「お腹が空いていただけで」と恐縮した様子。私生活でも3姉妹の真ん中の田中は、「私は見ながらちょっと手伝う位で、本当に妹みたいに甘えさせていただきました」と感謝の意を表した。


tooiraimei

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 プログラミング・ディレクターの長谷川敏行が、「世界の終わりというテーマと同時に、家族の創生という対照的なテーマを見事に融合させていた」と絶賛した本作は、『あらののはて』の長谷川朋史監督の2004年の舞台が原作。映像化の過程を聞かれた大橋監督は、「2018年に僕の作品が池袋シネマ・ロサで公開していたタイミングで長谷川さんが僕の作品を観て興味を持ってくれました。元々長谷川さんはご自身の舞台を映画として残したいと思っていたようで、僕の作品を観て面白がってくれた長谷川さんが『こういう台本があるだけど、映画にしてみませんか?』と声をかけてくれたのがきっかけです。『どういじってもいいよ。その代わり、撮影は自分にさせてくれ』というのが唯一の注文でした」と説明した。

 映像化するにあたって変えた部分を聞かれた監督は、「原作は双子の姉妹が主人公の1幕一話もので、“主人公は、明日彗星が落ちてきて世界が終わるということを知らない”という設定でした。それを、ロケに変えて、3姉妹に変えて、“3姉妹は近々世界が終わることは知っている”と設定を変えました。原作の“家族になっていく”という部分は守らなきゃと思いながら執筆しました」と話した。


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 ロケ地に岡山県の牛窓を選んだ理由について聞かれた監督は、「長谷川さんは岡山出身の方で、僕の作品を観た時に、『瀬戸内海の風景が君には合うんじゃないか』というお言葉を頂きました。僕は関東周辺でロケをずっとしてきたんですけれど、場所探しに限界を感じていたので、岡山に行ったら、すごくよかったため、メインは岡山で撮りました。めちゃくちゃ探して、牛窓は昔ながらの風景、時間が止まった感じがすごくいいと思い、ぜひ取り入れたいと思いました」と話した。

 吹越は、「私は岡山の隣の広島県出身で、瀬戸内海の海には馴染みがあったので、懐かしい感じで、帰ってきたような気分で撮影していました」と回想。田中は、「海が綺麗だったので、自然とゆったりとした気持ちになって、みんな穏やかに撮影ができました。お刺身は特においしくて、みんなでたらふくいただきました」と撮影時のエピソードを語った。

 食卓を囲むシーンが多用されていた理由を聞かれた監督は、「時間経過を表すのに、食事の変化を使うとすごくやりやすいということに気づきました。セリフを使うことなく、誰が誰と何を食べるかという情報で、今の状況を端的に説明できます」と独自の演出論を披露。

 「子役の方の演技がよくて、大人になった二人(吹越演じる絢音と田中演じる花音)とリンクしていると思った」という観客に監督は、「オーディションに来ていただいた十数名の中から、お芝居をしてもらって、いいなと思った2人を選んだら、たまたまお二人(吹越と田中)と雰囲気が似ていたんです。お姉ちゃんは真面目で、花音は自由に走り回っている子で、大人と子どもを近づける苦労は特にしなかったです」と説明。

 吹越は、「前髪の感じだとか、チビ絢音ちゃんは私のほくろも描くなど、ビジュアルをヘアメイクさんが寄せてくれたので、感動しました」とヘアメイクさんの功績を讃え、田中は、「初めて試写会で二人が小さい時を演じているのを見て、変に感動してしまいました」と当時の心境を語った。

 「コロナもあって胸に迫るものがありましたが、コロナの影響はありましたか?」という質問に監督は、「撮影に関しては、3月に1週間岡山で撮影して関東に戻ってきたタイミングで緊急事態宣言に入りました。本来はシェルターや家の中のシーンを撮る予定だったんですが、年末に持ち越すことになり、1年がかりで撮りました。でも、ゆっくり冷静になって自分の作品について考える時間が作れたので、プラスに働きました」と回答。

 このタイミングで公開されることについては、「僕は別れを意識した人たちがどう生きていくかということに興味があって描いているんですけれど、普段皆さんそういうことを考えないのかなと今までずっと思っていたんですが、コロナやウクライナの情勢があって、死を身近に感じる環境にあるというのはよくはないんですけれど、僕の作品を観ていただく上では、近づきやすい状況になっているのではないかなと思います」と複雑な心境を吐露した。

 最後に監督は、「劇場に足を運んでゆったりと流れる時間を見ていただきたいなとすごく思います。魅力的なキャストと瀬戸内の美しい風景を収めているので、3人が過ごす時間を真っ暗な中の大きな音という環境でぜひ観ていただきたいと思います」と、7月21日(木)10:30からの2回目の上映と、8月27日(土)~9月23日(金)に4週間レイトショー公開されるに池袋シネマ・ロサでの鑑賞をお願いした。



(オフィシャル素材提供)



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