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ドキュメンタリー映画
普通に死ぬ~いのちの自立~』上映情報

2020-10-15 更新

普通に死ぬ~いのちの自立~ikiru2
© 2020 マザーバード
配給:マザーバード

 ドキュメンタリー映画『普通に死ぬ~いのちの自立~』がまもなく公開となる。年齢を重ねてゆく重い障がいがある人とその家族――。在宅生活の中心的けあらーが病に倒れると、残された医療的ケアの必要な人が、群れ育った「地域で生ききる」ことはなぜこれほどまでに困難なのか。前作『普通に生きる~自立をめざして~』から10年、家族と支援者の葛藤や気付き、「一緒に生き合う」取り組みを追い、厳しい現実から希望を見出すドキュメンタリー。


 前作『普通に生きる~自立をめざして~』では、「どんなに重い障害を持っていても、本人もその家族も普通に生きる」という理念のもと、重症心身障害児・者と呼ばれる子を持つ親たちの起ち上げた社会福祉法人が、静岡県富士市と富士宮市にふたつの通所施設(生活介護事業所)「でら~と」「らぽ~と」をオープンさせ、法制度の改革の波に揉まれつつも“福祉の受け手から担い手となる”発想で行政に働きかけて自分たちのニーズに合った制度やサービスをつくりあげてゆく5年間を追った。

 その続編となる本作『普通に死ぬ~いのちの自立~』は、その後8年、グループホームの開所や、設立10年を迎えて次第に変わりゆく運営方針と、3つ目の生活介護事業所の開設という流れの中で、年齢を重ねてゆく本人とその家族の人生を追って撮影を続けた。

 途中、「医療的ケア」を必要とする人の、在宅生活の中心的ケアラーであった母親ふたりが病に倒れ、残された2人の子は、母亡き後の地域生活がとても困難になった。なぜ生まれ育った地域で生ききることができないのか。なぜこの人たちの生活や人生を社会は障害することになってしまうのか……。厳しい現実がそこにはあった。

 今回は、重症心身障害児・者と呼ばれる方たちの中でも最も困難を有する人たちの記録が中心である。そのきょうだいも登場する。

 そして映画は後半、支援をする側の人たちの気づきを物語の軸に、兵庫県・伊丹市、西宮市に希望を探して旅に出る。

 そこには、伊丹市で「しぇあーど」を率いる李国本修慈氏と、西宮市で「青葉園」を率いる清水明彦氏らの重ねてきた地道な活動があった。軽快でしなやかで、しかしとてもしたたかに人生を賭けて、真正面から繰り広げられている「共に生き合う」取り組みがあった。

 『普通に死ぬ~いのちの自立~』は、2020年9月「あいち国際女性映画祭2020」での招待上映を皮切りに10月17日(土)より名古屋シネマスコーレ、10月30日(金)より東京キネカ大森、11月13日(金)より富士宮市イオンシネマ富士宮、11月28日(土)より大阪シネ・ヌーヴォなどで劇場公開を開始!


監督:貞末麻哉子 プロフィール

 1958年東京都生まれ。女子学院高等学校卒業。「マザーバード」代表。映画作家。
 1979年、港区六本木に映画の上映スペース Creative Space OM(オム)を映画監督の伊藤智生氏と共に設立。1985年にOMを拠点に制作した35mm劇映画『ゴンドラ』(伊藤智生監督・1988年公開)で本篇プロデュースデビュー。1990年には大阪で制作した35mm劇映画『あーす』(金秀吉監督)をプロデュース。この2作は、1987年、1991年に日本カトリック映画賞大賞を受賞している。
 1995年、『水からの速達』(西山正啓監督)で初めてドキュメンタリー作品の制作・上映をプロデュース。西山監督とは同年にNHK・ETV特集『大量廃棄社会に未来はあるか』でゴミの最終処分の問題に取り組み、2002年公開の制作・上映プロデュース作品『朋の時間~母たちの季節~』(西山正啓監督)では「重い障害を持つ子どもたちとその家族の人生」をテーマに、学び会う共育活動の様子を、障害者本人と家族(特に母親)の視点から報告している。
 また、1992年に公開された『阿賀に生きる』(佐藤 真監督)で東京上映をプロデュースした縁で、1995年には佐藤 真監督が構成・編集をつとめた『おてんとうさまがほしい』をプロデュース。
 2000年には、『おてんとうさまがほしい』をもとに制作した『風流れるままに~アルツハイマー病の妻と生きる~』を制作・プロデュース。
 2001年に本作の共同プロデューサーである梨木かおりらと共働制作プロダクション マザーバード(杉並区)を起ち上げて、『朋の時間~母たちの季節~』の上映に取り組み、『晴れた日ばかりじゃないけれど』(05)、『普通に生きる~自立をめざして~』(11)、『ぼくは写真で世界とつながる~米田 祐二22歳~』(14)と制作。各作品の全国上映にはその後数年にわたり奔走しつつ、同時に撮影を続けてきた本作『普通に死ぬ~いのちの自立~』(20)が監督・プロデュース最新作となる。
 当初、完成予定は2020年春であったが、コロナ感染拡大により活動を自粛し、完成は夏となった。現在は、認知症になった実父を追った『THE 貞爺』なども平行して撮影中。


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(オフィシャル素材提供)



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