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『マーティン・エデン』
オンライン初日舞台挨拶

2020-09-19 更新

ルカ・マリネッリ&ピエトロ・マルチェッロ監督

マーティン・エデンmartineden 配給:ミモザフィルムズ
絶賛公開中!
© 2019 AVVENTUROSA – IBC MOVIE- SHELLAC SUD -BR -ARTE

 第76回ヴェネチア国際映画祭での初披露から一年、『ジョーカー』(19)のホアキン・フェニックスを抑えて見事《男優賞》を獲得した主演ルカ・マリネッリの演技と、ポン・ジュノ監督も注目する俊英ピエトロ・マルチェッロ監督のタッグで贈る本格文芸映画『マーティン・エデン』が待望の日本公開を迎えた。これを記念して行われた初日舞台挨拶には、ルカ・マリネッリがドイツ・ベルリンから、ピエトロ・マルチェッロ監督がフランス・パリからオンラインで登場!

 スクリーンに監督とマリネッリが登場すると、今まさに『マーティン・エデン』を観終えたばかりの観客から大きな歓声とどよめきが沸き起こった。監督、マリネッリとの時差は7時間。現地は午前11時頃とあって、明るい日差しの中、青いポロシャツを身に着けたマルチェッロ監督と、赤いチェックシャツのマリネッリが笑顔で日本の観客に向かって手を振り、「観てくださった日本のお客さんありがとう!」と呼びかけ、和やかなムードでトークが始まった。


ピエトロ・マルチェッロ監督&ルカ・マリネッリからの挨拶

ピエトロ・マルチェッロ監督: この大変な状況の中、この作品を日本で公開してもらえてとても嬉しいです。主演のルカと一緒に舞台挨拶できることも嬉しく思います。

ルカ・マリネッリ: 私もとても嬉しいです。映画と一緒に日本に行けなかったのは残念でした。この作品と日本に行けば、とても素晴らしい旅になったと思います。
 旅といえば、この作品の製作もピエトロとの大きな旅で冒険でした。オンラインという特別な形ではありますが、ピエトロと一緒にこの映画を紹介することができて幸せです。


 挨拶のあとは、二人への質問&感想コーナーへ。作品を観終えた興奮冷めやらぬ観客から、熱い感想や質問が続々飛び出した。


撮影現場では、脚本通りに撮影が進みましたか? それともアドリブなど現場で作り上げた部分が多かったですか?

ピエトロ・マルチェッロ監督: 脚本というのは映画を撮り終わるまで完璧なものには成り得ません。編集の段階を経て完成されていくものが映画の脚本だと思います。特にこの作品では、ルカに任せた部分も多くありました。労働者階級から作家になるという非常に大きな変貌を遂げる主人公ですが、原作に描かれた倫理観、ルカという優れた役者を得たことでマーティン・エデンという人物が出来上がっていったのです。


美しい風景が印象的な作品でしたが、原作のアメリカから舞台をイタリア・ナポリに移した理由はなぜですか? 撮影時の雰囲気や裏話も教えていただけると嬉しいです。

ルカ・マリネッリ: 素晴らしい風景に触れていただきましたが、この風景の選択は自分にとっても非常に大事なことでした。映画の中で、郊外の家で窓を開けて平原を見るというシーンがありましたが、その時は自分自身も大きな感動を受けました。あの風景はマーティン・エデンという役を演じるにあたって非常に大きな助けになりました。


 監督、マリネッリがそれぞれいくつかの質問に答えたところで、惜しまれながらも一度目の舞台挨拶が終了。客席を入れ替えたのち、再びスクリーンに登場した。


ピエトロ・マルチェッロ監督&ルカ・マリネッリからの挨拶

ピエトロ・マルチェッロ監督: まずは、この状況下で『マーティン・エデン』が日本で公開できることに感謝します。この映画は、ルカと素晴らしい関係を築きながら撮影することができました。プロデューサーとしては困難もありましたが、挑戦することでこの映画を完成させることができてとても幸せな気持ちです。映画は、どのように年を取っていくかでその作品の価値が変わってくると思います、日本でもこの作品が長生きしてくれることを願っています。

ルカ・マリネッリ: グラッツェ! ありがとう! ピエトロが言ったように、この作品が無事に日本で公開され、皆さんが劇場へ足を運んでくれていることに感動しています。自分にとって、役者としても、人間としても忘れ難い経験となった作品です。映画が皆さんに語りかけて、そこから何かが伝わることを願っています。


 一時映像が乱れるハプニングに見舞われたものの、再び映像がつながった際には観客、監督・マリネッリそれぞれが手を振りあって再会を喜び、二回目の舞台挨拶は、これから映画を観る観客に向けた二人からのコメントで締めくくられた。


ピエトロ・マルチェッロ監督: 原作を20歳のころに読んでから20年を経て映画化することができました。この物語の魅力は普遍的なテーマを扱っていることだと思います。マーティン・エデンいう主人公はハムレットのような典型的な人物像。マーティンを演じられる強い力を持った役者としてルカを選びました。映画賞を受賞してもすぐに消えてしまう作品もあれば、最初はあまり受け入れられなくても生き残っていく作品もあります。作品の価値が見えてくるのには時間がかかるものだと思います、マーティン・エデンの冒険が、皆さんの心に届くことを願ってます。作品の見どころは、観ていただいた皆さんゆだねたいと思います。

ルカ・マリネッリ: 自分にとってこの映画は、撮影し、作ること自体が素晴らしい出来事でした。自分たちで作り上げた作品の良さを語るのはとても難しいことですが、この作品の美点をあげるとすれば、映画の物語、そして撮影中に起こった出来事が映画のなかに入っていて、まるで2つの映画が重なっているかのような点だと思います。


 最後は、大きな拍手を受けながらルカ・マリネッリが「皆さんを抱きしめます」というハグのジェスチャーで舞台挨拶を終了。一度目、二回目ともに、主演・監督コンビの貴重なトーク満載の舞台挨拶となった。


martineden

 ジャック・ロンドンの自伝的小説をルカ・マリネッリ&ピエトロ・マルチェッロ監督のイタリア映画界注目のコンビで完全実写化した話題作、『マーティン・エデン』は、9月18日(金)よりシネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国劇場にて絶賛公開中!



(オフィシャル素材提供)



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