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『水曜日が消えた』
配信舞台挨拶イベント

2020-06-20 更新

中村倫也
MC:SYO(映画ライター)

水曜日が消えたwednesday 配給:日活
TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中
© 2020『水曜日が消えた』製作委員会

 新型コロナウィルス感染拡大防止対策による方針を受け、公開を延期していた『水曜日が消えた』が、6月19日(金)から公開中。

 映画『水曜日が消えた』は、一人の人間の内側で、曜日ごとに入れ替わって暮らしている“7人の僕”が主人公で、そのうちの最も地味でつまらない、通称“火曜日”の視点を通して描かれていく世界の物語。主人公を演じるのは、話題作への出演が相次ぐ中村倫也。そしてメガホンをとったのは次の時代を担う気鋭の映像クリエイター100人を選出するプロジェクト「映像作家100人2019」に選ばれるなど注目を集める吉野耕平。今回、満を持して自身発案の完全オリジナル脚本で長編映画デビューを果たし、監督・脚本・VFXをすべて自ら担当した。このタッグに、石橋菜津美、深川麻衣、きたろう、中島 歩、休日課長ら豪華俳優陣が集結した作品となっている。

 この度、本作の公開を記念し、配信舞台挨拶に中村倫也が登場した。


 劇場に入場し、座席に中村倫也演じる7人の僕のパネルが置いてある光景を見るや否や、ファンの間からは歓喜の声が。パネルと一緒にセルフィ―で写真を撮影したり、会場は舞台挨拶前から熱気に包まれた。


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 いよいよ舞台挨拶が始まるところで、会場が暗くなり、ブザーが鳴ると、「本日はご来場いただきまして誠にありがとうございます。中村倫也です」という中村の影ナレが始まり、会場からは悲鳴があがった。「少しの時間ではありますが、今日ここに来てくださった方限定の配信舞台挨拶です。ぜひお楽しみください。まる」というナレーションに続き、舞台挨拶が始まった。

 MCの呼びかけで登場した中村は「よろしくお願いします」とウィスパーな声で挨拶をし、「(MCの声に)あわせてみました」と、初めから会場を沸かせた。公開を迎えた気持ちを尋ねられると、「非常にワクワクしています。楽しんでもらえる作品だと、胸を張って送り出せる作品なので、観に来てくれた方が楽しんで、帰り道に誰かに話したくなるような映画になっていたら良いなと思います」と自信をのぞかせつつ、「(作品は)面白かったです。この作品がどういう読後感と言いますか、観終わった後自分がどういう感覚になるんだろうなっていうのは、定めきらずに撮っていたので、試写を観終わったときに勇気をもらいました。人によっていろいろな受け取り方ができる作品だと思っています。7つの曜日で皆違うんですが、人間みんないろいろな顔を持っていて、その自分のいろいろな顔に時々翻弄されたり、反省したりとか、生きているといろいろな思いがあって。僕もそういうところあると思うんですけど。この作品を観たときに、そういうことを認めていく“力”だったり、自分だけではなくていろいろな人と接点を持つことで、成長していくとか、受け入れていくとか、背中を押してもらった気がいたしました」と、作品の印象を語った。


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 撮影に関して話が移ると、「(撮影中は)スーパー寂しかったです(笑)。雑談できる出演者がいる日のほうが少なかったので。スタッフさんが準備をしている中で、僕は和室にずっと座っていたような気がします」と話しつつも、「(プレッシャーは)ないですね。いろいろな経験をして、いろいろな人の背中を見ていく中で、役者としてだけではないかもしれないですが、人生観として、“背伸びしても、たかが知れている”と思っているので、緊張とか気負いとか、排除しています」と、“7役”という大役に挑んだ際の気持ちを振り返った。その流れで、現場で考えていることに関して話が続くと、「吉野監督の天才的な頭の中にあるものを現場のスタッフで共有できたほうが絶対得だと思っています。現場でいろいろな選択肢が無数にある中で、どれを選択するか(という状況が)が、一番いい気がしていて、その選択肢のひとつになるアイデアがあるならば、その場にポンと置いてみんなで眺められれば、より良いモノづくりができるんじゃないかなと思うので、思ったことは言ってしまいますし、他の人の言ったことで“いいな”と思ったことに自分が乗っかるならばどうしたらいいかなとか考えます」と話す。

 共演者に関しての話になると、「きたろうさんには、きたろうさんにしか出せない音色で存在してくれて、とても魅力的で。深川さんも、監督が例えた“中学生男子の憧れ”というのをいやらしくなく演じられる稀有な方だと思うし、休日課長さんもフランクに思いを現場に持ってきてくれて、中島君も何とも言えない怪しさ、なんでイケメンなのに怪しさが出るんだろうって不思議だったんですけど(笑)。石橋さんも台本読んだ時から、一番繊細で難しい役なのかなと思っていた役を見事に軽やかだけど、質量伴う役にしてくれて、すべての化学反応がハマっているなと思ったので、本当に皆さんがやってくださった作品の真ん中に立てて嬉しいです」と、その場にはいない、共演者に思いを馳せた。今回の主演を務めた事の心境の話になると、「年々、中村倫也どうでもいいって思っているので(笑)。いままではスパイスみたいな役柄で、作品に刺激をもたらす役が多くて、それにはそれのかかり方があるけど、(今回は)そうではない。いろいろな人といろいろなシーンで呼吸を合わせることは意識してました。それがより一層楽しくなってきた年ごろ、そんなぴちぴちの17歳(笑)」と、真剣な想いを冗談混じりに話す中村倫也ならではの世界観が画面からも浸透し、客席も盛り上がりを見せた。

  「脳のストレッチしているみたいで楽しかったです。ただ、話し相手がいないのは寂しかったです(笑)。監督のビジョンとか、好きなトーン、絡みとかが撮影序盤で、旗が立っていたことが、指針になっていましたし、荷物少なめには入れました」と、“一人七役”という難役に挑んだ気持ちを話しつつ、細かい演じ分けについても「筋肉の使い方というか、生きている人の体の使い方が分かると、声のイメージも出てくるというか。舞台とかやっていたのは大きいかもしれないです。毎日コンディションが異なる舞台の中で、調整して探ってというのをやってきたので、その経験が生きているかもしれないですね。……もういいですよ、僕のことは(笑)」と、照れつつも話していた。

 最後に、「きっと、(7人の僕は)どこかにいるかもしれません。映画が始まれば、皆様もこの世界に入っていける。そういった作品になっていると思います。時間を忘れて楽しんでいただければ嬉しいです」と観客に挨拶をし、舞台挨拶は幕を閉じた。


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(オフィシャル素材提供)



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