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2018-07-15 更新
渋川清彦、飯塚 健監督
ドイツ、フランクフルトで開催された欧州最大規模の日本映画祭、第18回「ニッポン・コネクション」にて、個性派俳優としてめざましい活躍を見せている渋川清彦主演、飯塚 健監督の『榎田貿易堂』のワールドプレミア上映が行われ、飯塚 健監督と「ニッポン・コネクション」には2度目の参加となる渋川清彦が上映前の舞台挨拶および、上映後のQ&Aに登壇。満席となった熱気あふれる会場で、日本人とは発想の異なるドイツの観客からの質問に快く答えた。
『榎田貿易堂』は、監督と渋川清彦、プロデューサーの出身地である群馬県を舞台に、「扱う品はゴミ以外。何でも来いが信条さ」という店主が経営するリサイクルショップ・榎田貿易堂に集う人生に迷える大人たちの、おかしくもほろ苦い日々を、ユーモアとペーソスたっぷりに描いた“ゆる”コメディ。映画ではこれまであまり舞台になることのなかった群馬県を盛り立てようという想いがこめられた、飯塚監督の完全オリジナル作品。
【上映前の舞台挨拶】
飯塚 健監督: ワールドプレミアということになります。この機会に多くの方々に観ていただけて、本当に嬉しく思います。最後まで楽しんでいってください。
渋川清彦: グーテン・ターク! 渋川清彦です。2年ぶりにフランクフルトに帰ってきました。相変わらず満喫しています。昨日、ハイデルベルグという所に行ったんですけど、帰り際に列車のチケットがうまく買えなくて戸惑いました。機械が壊れていたのかボタンが押せなくて、1時間くらい買えず、フランクフルトに戻れるかどうか不安でしたけど、なんとか帰ってこられました。よかったです(笑)。ありがとうございます。
監督と俺は同じ群馬出身で、おまけに田舎も高校も一緒なんです。この映画の舞台は俺たちの生まれた所なんで、よろしくお願いします。
【上映後Q&A】
飯塚 健監督: 僕ときぃさん(渋川)と、もう一人この映画のプロデューサー(狩野善則氏)が群馬県の出身で、元々はそのプロデューサーが「地元で映画を作ってみないか」と声をかけてくださったところから始まったんですね。で、「何を描いてもいい」とおっしゃるので、どうしようかなと思いつつ、きぃさんと二人でロケハンがてら、いろいろな場所を見に行きながらストーリーを考えていったみたいなところがあります。僕は今39歳で、きぃさんが43歳……くらいですか? なんというか、年を重ねるごとに、いろいろなことを始められなくもなるし、止められなくもなるし、でも何かを始めるためには何を止めないといけないし……というところで、現状から前に進むために、何かを止める人たちの話を描こうと思いました。
飯塚 健監督: それはないんですけど、日本でのレーティングはR15+になっています。(なぜか、会場で笑いが起きる。)
飯塚 健監督: それは、東京でも観てくれる方々はいると思います。多くの方々に観ていただきたいなと思いますし、ええ(笑)。
渋川清彦: 上映するのは東京なんで、うん、それはもちろん。で、その後、地元で上映はします。東京でスタートして、1週間後に群馬でやります。
飯塚 健監督: 全然そうじゃなかったですね(笑)。
渋川清彦: 監督はすごく忙しかったけど、俺ら俳優と貿易堂で働いている人たちは一緒によく居酒屋行ってました(笑)。
飯塚 健監督: 本当に存在していますし、登場しているあの方は本物の館長さんで、今回特別に出演していただきました。別にふざけた場所ではなく、いたって真摯に性の歴史について展示しているんです。
渋川清彦: あの館長さんはもう30年以上も前から、つまり、僕らが子供の頃からとても有名な人で、よくローカル・テレビに出ていました。
飯塚 健監督: 館長はジャガーに乗ってます(笑)。すごく人がいっぱい来て結構潤っていますから。
渋川清彦: 館長は挨拶として、男性でも女性でも必ず股間を触ってきます(会場爆笑)。(ドイツ人通訳さんから「“股間”とは何ですか?」と質問され、「えっ、股間は……ここ」と指さす渋川。)
飯塚 健監督: 我らも触られましたよね、こうやって(と股間をつかむ仕草)。
渋川清彦: 「元気?」って(笑)。
飯塚 健監督: 群馬は東京から車で1時間半~2時間くらいなんですね。ですから、割と映画でもドラマでもロケーションとしては使われているんですけど、群馬県だとしてはあまり扱われないんです。特に渋川は、渋川として登場するのはこの映画が初めてじゃないでしょうかね。
渋川清彦: プロデューサーの人が、群馬県を盛り上げたいというか、もっと多くの人たちに来てもらいたいということで、“群馬”ということにこだわって撮った作品なんです。
最後にMCから「映画の成功をお祈りしております。今回は来てくださって本当にありがとうございました。また群馬を舞台にした映画をニッポン・コネクションにもってきてください」という言葉をかけられた監督と渋川は、その後も観客からのサインや写真撮影の求めに気さくに応じていた。
(取材・文・写真:Maori Matsuura)
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