2021-10-18 更新
首藤 凜監督×北條誠人(ユーロスペース)
ミニシアター、映画好きのためのオンライン・コミュニティ「ミニシアタークラブ」では毎回様々なゲストを迎えて映画、映画館にまつわる様々な話をしている。この度、10代の時に綿谷りさ原作の「ひらいて」を読んで8年後に商業長編デビュー作品として映画『ひらいて』の監督をした首藤 凛監督がゲストとして登場した。
高校生の時に文化祭で友人と映画を1本撮ったんですが、すごく失敗したんです。その当時見ていた映画や演劇に影響されて作ってみよう!ということになって作ったんですが、できたものが内輪的でつまらないものになって、上映するしないの話になって結局上映するんですが、最後に観客に謝るという……。映画を作るって怖いなとその時思いました。その後、大学に入っても何かを作りたいという気持ちがあったので早稲田大学映画研究会に入りました。
いえ、その時はまだ全然思ってませんでした。自主映画の監督ってやることが多くて大変なので、目の前のことだけで精一杯で。
はい。先輩がたまたまその出版社にいたこともあって、お手紙を書きました。その時に口約束ですが、撮れるなら撮ってもいいよと。ただぴあのスカラシップはオリジナルが規定だったようなので実現はしなかったんですが。
一番最初に胸を打たれた小説で、生きていく糧になるような。自分の人生でいろいろなことが起きる前に独特ないびつな関係性の中で人が人に受け入れられていくさまが衝撃でした。これから自分にもいろいろなことが起きてきそうな予感とあいまって。本当にこの原作に救われてきたので。その後就職をして仕事をしながらずっと脚本を書いてました。他に原作権を取られたらどうしようと、正式に固まるまで不安でした。ちょいちょい対抗馬がいる、といったことも耳にして気が気じゃありませんでした(笑)。
スタッフの皆さんが本当に優しくてありがたかったです。ただ、当たり前なんですが、監督としての判断をきちんとしていかなければいけないので、そのあたりは孤独だなと思いました。
特に主人公の愛についてですかね。山田杏奈さん演じる愛というキャラクターは私がずっと共鳴してきたキャラクターなんですが、演じる場合には愛自身も自分のことが良く分かってないので、演じる時に山田さんも悩まれたようなんですが、私はその分からなさもそのまま演じて欲しいと思っていたので試行錯誤しました。私が言語化して伝えてその通りに演じてもらっても、あまり面白くならないような気がしていて。山田さんも愛と同世代なので、その渦中の中にいる人の特有の分からなさがいいと思いました。役者さんとこんなにも対話することも初めてでした。作間さんは演技もほぼ初めての様子で、背の高さ、スタイルの良さも含めて持て余している感じでした。撮影の自分の出番が終わっても気配を消して他のシーンの撮影を見ていたり、私がこのシーンは見られたくないな、と思ったときは何も言わなくても帰っていかれたり。芋生さんは人あたりも良くて優しい方なんですが、演じること以外は全く興味のない感じだなあと思いました。
カラオケのシーンは私も気にいってるので嬉しいです!
観るといろいろ言いたいことが出てきたり、もやもやと複雑な気持ちになったりするかもしれませんがぜひ、いろいろな感情になってもらえたら一番嬉しいなと思います。
■ ミニシアタークラブHP: https://basic.motion-gallery.net/community/minitheater/ (外部サイト)
(オフィシャル素材提供)
関連記事
・完成披露舞台挨拶
・公開記念舞台挨拶
・大ヒット御礼舞台挨拶