2022-02-18 更新
阿部 寛、北村匠海、薬師丸ひろ子、杏、安田 顕、大島優子、麻生久美子、瀬々敬久監督
幾度途切れても必ず繋がってゆく親子の絆を描く、重松 清による不朽の名作小説「とんび」。今この時代にこそ届けたいと、初映画化が実現。映画『とんび』は、4月8日(金)に全国公開となる。この度、2月17日(木)に、完成披露舞台挨拶が開催され、主演の阿部 寛、北村匠海、薬師丸ひろ子、杏、安田 顕、大島優子、麻生久美子、そして本作で監督をつとめた瀬々敬久が、盛大な拍手の中、登壇した。
ようやく観客に映画を届けられることになった気持ちを聞かれた阿部は「去年、岡山という人が温かい場所で、皆で全力を尽くして撮影してました。親子の話ですが、街ぐるみで子供を育てる大きな家族の話でもあります。ぜひ楽しんでほしいです」と喜びの表情を浮かべる。今回、映画化の企画が上がった際、主演の阿部自ら、瀬々監督にお願いしたいとラブコールを送ったそうで、阿部は「『とんび』という作品は、過去に何度か映像化されている作品なので、出演させていただくか悩んだのですが、瀬々さんだったらぜひやらせていただきたいと思いました。(これまでの作品と)違う切り口から描いてくださると思い、また久々にご一緒したいと思い、ラブコールさせていただきました」と、その思いを赤裸々に話すと、瀬々も「ラブはなかったと思うんですけど(笑)。2000年の頃から一緒に仕事をしているのですが、また一緒にできてうれしいです」と、少し照れ隠し交じりに喜びの表情をみせた。
本作では、阿部演じる破天荒ながら愛すべき父親のヤスと、北村演じるヤスの息子・アキラの親子の物語が描かれるが、「常に温度が高い、街をかき回していく役だったので、現場でエネルギーは失ってはいけないと思って演じました」と自身が演じるヤスについて語る阿部。共演の北村について聞かれると、「本当にとんびが鷹を生んだような……取材でも僕が片言で言ったことを、サッとまとめてくれる。本当に父親想いで、“鷹だな”と思いました」と、まさしく劇中の関係性そのままのようだったと話す。息子を演じた北村も、「阿部さんの胸に飛び込んでいく毎日でした。この作品への熱量と、ヤスとしての愛情を肌で感じたので、正直毎日全力でぶつかりに行きました。本当の父のようなおっきい背中でした」と、父親への愛を語った。
また、思い出に残るシーンを聞かれた阿部は、「初めて息子のアキラが反抗期に反抗してくるシーンは、本当に現場で1日中悲しかったです。匠海くんに怒られているような気持ちでした」と、赤裸々に告白。また、映画の後半に、幼馴染を演じた安田にテイクを重ねて10回も頭を殴られたことも激白。「ものすごい痛くて、役者魂を受け取りました」と笑い交じりに話すと、「すいませんでした……ただ10回も繰り返すと思わなかったんです」と、大先輩の阿部に対して全力でぶつかっていったことを謝る様子は、幼馴染という役柄そのままの様子が垣間見えた。
さらに、それぞれが役作りや撮影中のエピソードについて聞かれると、阿部演じるヤスの姉のような存在で小料理屋の女将・たえ子を演じた薬師丸は「出演している皆さんが本当に良い方で温かくて、2年振りに会うのですが、また一緒に住んでいた街の人に会うような気分になりました。本当に良いチームワークで、楽しい撮影でした」と、北村演じるアキラの婚約者・由美を演じた杏は「商店街がノスタルジックな街並みで、町の皆様もとても協力的でした。たえ子さんのお店の向かいがちょうど魚屋さんで、『お弁当にちょっとこれ足してください』とお魚を分けてくださり、皆で食べました。本当にご厚意が染みて更においしかったです」と、ヤスの幼馴染でアキラを我が子のように接する住職・照雲を演じた安田は「大先輩である阿部さんと、幼馴染という役柄で共演させていただいたのは、とても素晴らしく夢のような時間でした」と、その安田演じる照雲の妻で、アキラに母のような愛情を注ぐ幸恵を演じた大島は「照雲さんが笑えば笑うし、叫べば叫ぶ、というように周りを盛り上げる夫婦という形を意識して演じました」と、ヤスの妻でアキラの母・美佐子を演じた麻生は「撮影初日が、11月に淡路島で海の撮影だったのですが、海がきれいだったのと空が真っ青だった。そこにトンビが飛んでいて、この映画は恵まれているなと感じました」と、それぞれが撮影当時を、温かなエピソードと共に振り返った。
阿部演じるヤスと、北村演じるアキラ。この父と息子の親子家族の物語を描く本作にちなみ、キャスト陣の家族との思い出が詰まった写真をスクリーンに投影しながら、当時のことを振り返ったトーク・パートでは、それぞれの家族の温かなエピソードが披露された。
まず、スクリーンに映し出されたのは、母と3人の子どもが写るモノクロの家族写真。これは阿部が幼少期に父が撮った写真だという。「兄弟3人なんですけど、兄と姉と母親です。父はエンジニアで寡黙な父親です。現在95歳になるのですが、子どもの時よりも、今のほうがなんでも親父に積極的に聞いています。今も生きていてくれてうれしい。ありがたいと思っています」と今でも続く、父親との温かい関係性を明かした。
次にスクリーンに映し出されたのは、北村が幼少期に父と釣りに来た時に撮られた1枚。父の趣味が釣りで、よく家族で磯遊びをしていたという。「僕の名前の“匠海”も、海がついているんですけど、父が釣り好きだったので、海がつきました」と自身の名前の由来も語った北村だが、「同じ11月に生まれたB型で、よき飲み仲間という関係です。ファッションや映画、音楽など、全部両親から影響を受けてきました」と、両親との仲の良さを嬉しそうに語った。
続いてスクリーンに大きく映し出されたのは「押し花」の写真。「これは、母が最近はまっている押し花ですね」と答えるのは安田。「自分の家の庭に咲いている花を残すことにはまっているんです。北海道のとある新聞に掲載いただいたみたいで、身内が何かに載るのはすごいうれしいものですね。うちの母ちゃん、新聞に載った! 誇らしい母だなと思います」と、趣味の域を超えた母の押し花のエピソードを、誇らしげに語っていた。
最後に映し出されたのは、大島の写真。父親と一緒にスキューバ・ダイビングをした時とのことで、「父はいつもニコニコしていて、全部趣味が同じですね。スキューバ・ダイビングも父が60歳になってから始めたんです。私が趣味で始めたら、父も取りたいと言って、一緒に行きました」と、その仲の良さを告白した。
四者四様の家族愛に満ちたエピソードが披露され、会場は幸せに満ちた空間となっていた。
最後に会場に駆け付けた観客に向けて、瀬々監督は「映画『とんび』は繋がりをテーマにして描いた映画です。今、人と人がダイレクトに繋がることが難しい状況ですが、そんな中でも人と人が出会って、悲しみや喜びを共有する。そんな大事なシーンがたくさんある映画です。ぜひ、このような状況のなかでも人との関係性を感じてもらいたいです。この映画は間違いなく面白いです。期待してください!」と熱い思いをピーアール。主演の阿部は「監督がそう言ってくださるのは初めてですごく嬉しいです。瀬々さんとやれてよかった。誰もが親になった瞬間から1年生で、いろいろなことを悩んで楽しいこともあれば、大変なこともある。時には泣いたり笑ったりすると思うんですけど、僕が演じたヤスという男は、周りの力も借りながらがむしゃらに子どもを愛し一生懸命に育てる。そういう姿が人の心を打ち、感動してもらえたら嬉しいです」と強い想いと作品への自信と期待を伝え、温かな雰囲気の中、イベントは終了した。
また本日より、【映画『とんび』家族自慢キャンペーン】が開催される。イベントで阿部はじめとするキャスト陣が、家族へ想いを馳せながら家族自慢を披露したように、本キャンペーンで、ぜひ「家族」を存分に自慢していただきたい。
映画『とんび』家族自慢キャンペーン 概要
映画『とんび』公開を記念して、皆さんの家族にまつわる写真やエピソードを募集。阿部 寛、北村匠海も審査に参加し、当選者には豪華賞品をプレゼント。
●応募期間:2/17(木)~4/15(金)
●参加方法:TwitterまたはInstagramで『とんび』公式アカウントをフォローの上、「#とんび家族自慢」を付けて投稿
詳しくはキャンペーンサイトへ
■ キャンペーンサイト: https://movies.kadokawa.co.jp/tonbi/photo_cp/ (外部サイト)
(オフィシャル素材提供)
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