インタビュー・記者会見等、映画の“いま”をリポート！
『トラさん～僕が猫になったワケ～』完成報告会見
2019-01-27 更新
北山宏光、多部未華子、筧 昌也監督
配給：ショウゲート
© 板羽皆／集英社・2019「トラさん」製作委員会
ある日突然死んだ男が猫の姿で家族の元に戻ってくるという、ファンタジーな世界観と温かいストーリーで人気を博したマンガ「トラさん」（板羽 皆／集英社マーガレットコミックス刊）が、『トラさん～僕が猫になったワケ～』として実写映画化、２月15日(金)より全国公開となる。公開までいよいよ３週間となり、SNSを中心に期待の声が日々高まる中、この度、本作の完成披露報告会見が開かれ、主演の北山宏光、多部未華子、筧 昌也監督が登壇した。
本作が映画初出演にして初主演。そして初の猫役に挑んだ北山は、グレーのスーツでびしっとキメ、颯爽と会見場に登壇。押し寄せた多くの報道陣に向け「本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます」と丁寧な口調で、深々と頭を下げた。続く多部も、少し照れた表情を浮かべながら「今日はよろしくお願いします」と笑顔で挨拶。和やかな空気に包まれ会見はスタートした。
北山が扮するのは、妻・奈津子（多部）がパートで稼いだお金をギャンブルに使ってしまうようなダメ夫だが、家族愛と漫画愛は誰にも負けない愛すべきキャラクターの高畑寿々男。本作は、ある日突然交通事故で死んでしまった寿々男が、猫の“トラさん”となり再び家族の元に戻る、という一風変わった世界感が見どころのひとつであるが、北山はオファーを受けた当時の記憶を振り返り、「マネージャーさんから『映画が決まったよ』と教えていただいて、やった！って喜んでたら、『猫だけどね』って言われて。え、猫なの……!?って。受け入れるまで何分かはかかりました」と笑いつつ、「それでも、初主演で初の猫役ということで、自分の中での挑戦になると思って、とてもワクワクしました」と役にかけた強い想いも吐露した。
一方、寿々男（北山）の妻・奈津子を演じた多部は、「先に原作漫画を読んだのですが、温かい物語に感動しました。でも脚本を頂いて読んだ時に、実際に映像としてどうやって撮るのかなと……」と若干の不安を抱いたそうだが、「監督からその後“猫スーツ”の存在を聞き、なるほどなって思いました(笑)」と納得した過去を述懐。実際に北山の猫姿を初めて見た時の感想を聞かれると、「（娘の実憂役を演じた平澤）宏々路ちゃんに、ペットボトルのふたを開けて～って北山さんが頼んでいるのを見て。トラさん可愛いな～って思うのと同時に、なんか微笑ましかったです」と振り返った。
また、本作のメガホンを取った筧監督は、そんな「人が猫を演じる」という独特な世界感を持つ本作の映画化にあたっても、「実はこういう（動物のスーツを使用しての）撮影手法でやるのは本作が三度目だったので、大丈夫だろうと思っていました」と自信を覗かせ、「プランは蓄積していたので、猫の表現をどうするか、というよりは、この作品が持つ固有のテーマをしっかりと描くことを大事にしていたんです」と胸中を明かした。
本会見では、報道陣からも多くの質問が飛び交い、北山ら３人は時折真剣な表情を浮かべながら、１つひとつの質問に丁寧にコメント。最後には、北山が「一人二役という挑戦の中、「こんな家族の形の愛もあるんだな」と、観ていただく方々に愛を届けたいと頑張りました。ぜひ多くの方に劇場に足を運んでいただけると嬉しいです」と“主演俳優”として締めくくり、会見は終了した。
＜質疑応答＞
北山さん、猫スーツ初めて着た時の感想は？
北山宏光： これでいくんだ！って気合が入りました。着心地など確かめて、この格好で演技するんだなって。スタッフさんも皆さん優しい方々でしたが、自分が猫の時は、異様に優しかったですね。見た目は意外と自分でもいける気がします(笑)。ちなみに、メンバーの宮田（俊哉）からは、「マジか……すごいね」って(笑)。メンバーの皆、ビジュアルを見て気になっていろいろ聞いてきてくれて、『観たい』って言ってくれていて嬉しいです。
筧 昌也監督： 確かに、猫姿での撮影が終わった時は寂しさもあったけど、それ以上に北山さんへのちやほやも無くなったね(笑)。
寿々男と奈津子と実優の３人は素敵な家族のように思いますが、実際の現場でのチームワークはどうでしたか？
北山宏光： 僕の主観ですが、本当に良い家族になれた気がします！ 主演ということでプレッシャーも無いわけではなかったですが、愛すべきダメなやつっていう寿々男というキャラクターもあったので、二人とはどんなくだらないことでも会話して距離を縮めていくことを意識して、寿々男の雰囲気になじむ、高畑家の雰囲気になじむことを大切にしました。
多部未華子： 携帯触っている時とか、本を読んでいる時に、北山さん、本当に関係なく話しかけてくるんですよ！ そこはすごい精神力だなって(笑)。北山さんがすごくフランクに分け隔てなく接して現場を盛り上げてくださったので、私自身気がついたらいつのまにか楽しんでいるような温かい現場でした。
北山さんが猫を演じる上で、筧監督からは、どういったオーダーをしましたか？
筧 昌也監督： 猫的な仕草は確かに必要なのですが、生物として猫に寄せていくというよりは、寿々男のキャラクターを踏襲する必要があったので、モノマネ大会にならないように常に調整しました。北山さんからもたくさんアイディアをいただきました
北山さん、多部さんの理想の家庭像は？
北山宏光： “一姫二太郎”です！ お互いやはり支えていかないと３人のお子さんの構成にはならないですから。
多部未華子： “家族団らん”という言葉が似合うような、のほほんとした、ほっこりした家族が理想です。
映画初主演にして初猫の北山さん、次回作はどんな役を挑戦したいですか？
北山宏光： 次、北山にこんなことをやらせたいなというオファー待ちです(笑)。今回は猫役に挑戦できたので、次どうやって北山を料理しようかと常に思っていただけるような俳優を目指していきたいです。
（オフィシャル素材提供)