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2019-10-05 更新
カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、是枝裕和監督
宮本信子、宮崎あおい、佐々木みゆ
映画『真実』のジャパンプレミアが、都内で行われ、劇中で親子を演じたカトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュが来日し、是枝裕和監督と共に舞台挨拶に出席した。当日は、花束ゲストに日本語版吹き替えを担当した宮本信子、宮崎あおい、佐々木みゆ(子役)が駆けつけた。
本作は、『万引き家族』で第71回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督の初国際共同製作作品。国民的女優の母(ドヌーブ)が出版した自伝本「真実」をめぐって、娘のリュミール(ビノシュ)ら家族が、その自伝本の裏に隠された真相に迫るさまが描かれる。本年度ヴェネチア国際映画祭で、日本人監督初のコンペティション部門のオープニング上映作品。
フランスの大女優であるドヌーブとビノシュは満員の会場から大きな拍手で迎えられた。
主人公のファビエンヌ役を務めたドヌーブは、撮影前に是枝監督と何度か面会したことを明かし、「一緒に映画をやりたくなりました。最初はお互いに通訳を通しての会話でいろいろともどかしいことも多くありましたが、撮影を重ねていくうちに徐々に監督の目線や表情を通して理解できるようになりました」と現場を振り返った。
ファビエンヌの娘・リュミール役を務めたビノシュは、2005年に是枝監督と出会ってから交流を重ねてきたという。「監督とは『いつか一緒に映画を作りましょう!』と話していたので、一緒に映画を撮るのが夢でした。是枝監督とは『誰も知らない』を通じて出会いました。作品には子どもたちが無邪気に描写されていて、子供たちの人生のディテールが細かく描かれていて、沈黙の中にある優しさや観察感に感動しました」と話した。
是枝監督は2人の大女優との現場について「全篇フランスでの撮影でした。10週間弱、ゆっくりゆっくりと2人と同じ時間を共有しながら映画を作っていきました。同じ場所と時間を共有できて良かった。現場では、信頼関係を築いていき、楽しくいい映画を作ることだけを考えました」と満足気な表情を見せた。
日本の印象について聞かれたドヌーブは「日本のものは何でも好きです。料理、文化、歴史、アート。みんな大好きで、30年以上前から日本に来ています。でも残念なことにいつも短い滞在が多いので、いつかぜひ、長時間の滞在がしたい……」と願望を明かした。
ビノシュも「私は河瀨直美監督の『Vision』という作品に出演しており、吉野の森に長い間滞在したことがあります。日本文化には洗練されたデリケートな感覚があり、日本人には、他者への感謝の気持ちがあります」と日本びいきであることを明かした。
終盤、日本語版吹き替えを担当した宮本信子、宮崎あおい、佐々木みゆが花束をもって登壇。
ビノシュの吹き替えを担当した宮崎は「このお話を頂いて、DVDでビノシュさんの顔をずっと観ていました。初めてお会いしたときに涙が出てきそうになって……。すごく幸せなお仕事でした」と述懐した。
宮本は、実写映画の吹き替えに初挑戦。「ファビエンヌの人物像を理解しながら吹き替えました」と余裕の笑顔を見せた。
佐々木は「是枝監督からお話をいただいて、『これはチャンスだ!』と思って、頑張ってやってみました」と初の海外映画吹き替えを振り返っていた。
最後に是枝監督は「作品の中にはいろいろな(状況の)母と娘が当場します。そんなところに注目して楽しんで観てください」とメッセージを送った。
フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーブが来日。ぜひ一度はそのお姿を生で見たいと思わせる人物のおひとりでした。以前にも機会はあったのですが、実際に実物を見たのは初めて。75歳となって、ふくよかになられましたが、大女優の貫禄は十分。美しかった💛 今後もお元気で活躍していただきたいです。
(取材・文・写真:福住佐知子)
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