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2018-05-19 更新
永瀬正敏、夏木マリ、岩田剛典、美波、森山未來、河瀨直美監督
配給:LDH PICTURES
6月8日(金) 全国ロードショー
© 2018“Vision”LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.
18歳の時、初めて8ミリカメラを手にしてから約30年。今や、世界中で高い評価を受ける河瀨直美監督が、生まれ故郷である奈良県を舞台に、『イングリッシュ・ペイシェント』(97)で米アカデミー賞®助演女優賞、世界三大映画祭すべてで女優賞を獲得したフランスの名女優ジュリエット・ビノシュ、そして、『あん』(15)、『光』(17)と河瀨監督作品2作に連続主演、日本が世界に誇る国際派俳優・永瀬正敏をダブル主演に迎えた映画『Vision』が6月8日(金)に全国公開となる。この度、本作の完成を記念して、仏が生んだ名女優 ジュリエット・ビノシュとW主演を担う永瀬正敏をはじめ、夏木マリ、岩田剛典、美波、森山未來、河瀨直美監督が勢揃いしての上映会付き完成披露イベントが実施された。
丸の内ピカデリーに集まった観客の大歓声に迎えられ、永瀬正敏、夏木マリ、岩田剛典、美波、森山未來、河瀨監督がステージ上に登場。はじめに、吉野の山を守る山守として猟犬コウと静かに暮らす智(トモ)・永瀬正敏が「本日はご来場いただき、ありがとうございます。感想は後で聞かせてください」と笑顔で語り、唯一ビジョンのことを知る鋭い感覚を持つ女性アキ・夏木マリから「奈良の山奥に千年生きておりました」と笑いを交えつつ演じた役を紹介し、山に迷い込んだ謎の青年の鈴(リン)・岩田剛典から「本当に感動しました。観ている方が森の中にいるような錯覚に陥る、神秘的で美しい映画です。今日は皆さんにお披露目できるのでうれしく思います」と笑顔を見せ、ジャンヌと共に日本を訪れる通訳兼アシスタントの花(ハナ)・美波は「映画を観た後、歩きながら余白に浸ることってあると思うんですが、この映画を観た後には東京の街が少し違って見えてくると思います」、続いて、山守とは違う形ながらも山を守る猟師の岳(ガク)・森山未來は「2~3日という撮影期間で、どういう話になるのか分からないまま撮影に臨んだのですが、映画を観させていただいて、吉野に生きる人間たちがいるのに、神話のような作品だと思いました。ステキな読後感のある映画でした。この作品に関われてうれしく思います」と作品への思いを語った。
そして、最後に、今作で劇映画10本目となる河瀨直美監督は、「やっと皆さんに観ていただけるので、ドキドキワクワクしております。この作品を通して皆さんに何かしらの光が差し込んだらいいなと思っております」とやっと迎えることができた初お披露目の日に感慨深げにしていた。続けて河瀨監督は「神話やファンジーと言われる方も多いですが、主演の永瀬くんにも何が響いてくるのか分からない映画。でも必ず旅の途中で何かが変化し得られる作品だと思いますし、旅の後に、違う自分がいると思います。皆さんの変化を楽しみたいと思います」と作品への思いを語り、永瀬も「本当に驚いた。この作品を観たときに監督は異次元から来られているんじゃないかと思いました。作品が未来から来ている」と絶賛し、そんな永瀬は「劇中で今日は雨が降るなというシーンがあるのですが、本当に雨が降ってきて。河瀨監督にはそういう不思議な力があった」と神秘の山・吉野での撮影を振り返ると、すかさず監督は「ちょっと魔法が使えるので」と会場を盛り上げた。
続けて夏木は「また人間じゃない役をやらせていただきました。もう千年も生きているので、山と一緒。もう、山です。そういう予習をして撮影に臨みました。山の生活はとても過酷で、苦労したのですが、映画ではとても美しく映っていて……。2週間寝泊まりした時に、自然ってステキだなと思いました」と感慨深く語り、岩田は「特殊伐採というものを生業としている人物だったんですけど、撮影前に実際に吹替を使わずやりたいなと思っていたので、練習させていただき、それが意外と馴染みました。もし転職するなら山守になりたいなと思います」と撮影中のエピソードを語った。
美波は河瀨作品のフランスでの評判を聞かれ「河瀨監督作品に出演すると言ったら、周りの反響は本当にすごくて、ワオ、ナオミ・カワセの映画に出るのかいって。監督の作品は非常に評判が良くて、本来なら日本人にしか理解できないようわびさびの部分が、フランス人にとっては美しかったり、悲しかったりと伝わっているんだと思います」と評した。
今回初めての河瀨組となった森山は「たくさんありますけど、3日間の撮影で、後半って書いてある台本を渡されて、とりあえず吉野の森に来てと。最初役名などなくて、監督にお会いしたら、じゃあ岳ね、と言われてました。吉野の森の密度が非常に高い印象で、猟師でもあり山守も兼任している役だったので、森に入ると妖気がにじみ出ていて、監督の演出は、没入していくような、呪術師のような感じでした。たった3日間だったのですが、催眠術にかけられたような不思議な体験でした」と撮影時を振り返っていた。
ここで本作は奈良の吉野を舞台に人生の回帰を描いた大切な人に会いたくなる愛と絆の物語ということから、キャストの人生でもう一度会いたい大切な人を発表。
森山は「ひいお祖父さん、会ったことはないのですが、鹿児島の田舎にまだあるのか分からないですが、森山村があるみたいで。洒脱な人だったらしく、会ってみたかった」と語り、美波は「あえて会いたい人を言うなら、過去の自分に会って、説教したいです」と自身を挙げ、岩田は「お祖父さんですね、僕が生まれたときには亡くなっていたので、会ったことはないのですけど、僕のお祖父さんなら会ってみたかったです」と語り、夏木は「私2人いるんですけどいいですか? 亡くなった人で考えるなら、ルン。『ファミリーストーリー』という番組で先祖を探していただいたときに、フランス人の血縁者がいたんです。これが本当なら、私は16分の1、フランス人の血が混じっていることになるんです。あともう一人は、ジュリエット・ビノシュさん。河瀨組は私語厳禁で、撮影中は役で会話をしているので、全く話す機会も挨拶することもなくて。だからどういう人かって、日常会話をしてみたい」と共演者のジュリエット・ビノシュを挙げ、永瀬は「僕もフランス人の親戚とかいたらよかったんですけど……」と会場の笑いを誘いつつ、「亡くなった弟ですね。河瀨監督と同じ歳だったんですよ」と故人に思いをはせていた。
そして本作の完成を祝し、また大ヒットを祈願して、みんなで鏡開きを行った。最後に河瀨監督は「吉野の森で起こった不思議な物語。でもみんなはリアルに生きていました。ぜひ、みんなに会いに来てください」と、作品への思いを語り、イベントは終了した。
(オフィシャル素材提供)