2017-02-04 更新
2008年9月、十八代目中村勘三郎の“芸能の街・赤坂で歌舞伎を!”という一言から始まった「赤坂大歌舞伎」。世話物の傑作『狐狸狐狸ばなし』/松羽目物『棒しばり』は、これまで歌舞伎を観たことがなかった人々の関心をも喚起し、客席からは絶賛の嵐!!大成功を収めた。
そして2010年、中村勘三郎が再び赤坂に登場! 山田洋次監督が補綴をした『文七元結』/舞踊『鷺娘』は、伝統芸能としての歌舞伎を継承しつつ、笑って泣いて、ほろりと心にしみいる公演として観客を魅了した。
2013年には、中村勘三郎の遺志を継ぎ、中村勘九郎、中村七之助兄弟を中心に、「赤坂大歌舞伎」の新たな歴史の1ページが、勘三郎の当り狂言であった『怪談乳房榎』によって開かれ、現代、そして世界に通じる舞台を繰り広げた。
2015年9月、4回目となる「赤坂大歌舞伎」は、糸操りの人形が三番叟を踊る、ユーモア溢れる舞踊『操り三番叟』と、七役の早替りが見所の『於染久松色読販 お染の七役』。『操り三番叟』では、中村勘九郎が軽やかさと力強さを備えた品格ある舞いを繰り広げ、また、『お染の七役』では、中村七之助が2012年の平成中村座公演での初挑戦以来、二度目の七役に挑んだ。
5回目となる今回2017年は、赤坂大歌舞伎初となる新作歌舞伎『夢幻恋双紙 赤目の転生』を上演!
新作の作・演出を勤めるのは、中村勘九郎・中村七之助と同世代で、演劇界で注目を集め続ける新進気鋭の劇作家・蓬莱竜太。『母と惑星について、および自転する女たちの記録』で第20回鶴屋南北戯曲賞の受賞も記憶に新しく、今後ますますの活躍が期待される蓬莱が、この「赤坂大歌舞伎」で初の歌舞伎に挑戦する。今回は、愛する女を幸せにするために何度も転生する男の話。プロットを読んだ勘九郎に「天才だ!」と言わしめたほどの“とんでもない話”を、人々を惹きつけるドラマ性の高さで定評のある蓬莱が描き出す。
さらに、今回勘九郎・七之助に加え、片岡亀蔵、中村亀鶴、市川猿弥、中村鶴松の出演も決定!! 七之助が、主要キャスト全員が主役だと話す本作。新たに出演が決まった出演者たちがどんな役どころで登場するのか、期待が高まる。
「赤坂大歌舞伎」公演概要
◆会期: 2017年4月6日(木)~25日(火)
◆会場:TBS赤坂ACTシアター
◆演目:新作歌舞伎「夢幻恋双紙(ゆめまぼろしかこいぞうし) 赤目(あかめ)の転生(てんせい)」
◆作・演出:蓬莱竜太
◆出演:中村勘九郎、中村七之助、市川猿弥、中村鶴松、中村亀鶴、片岡亀蔵ほか
◆主催:TBS/松竹/TBSラジオ/BS-TBS
◆企画協力:ファーンウッド/ファーンウッド21
◆製作:松竹
◆発売日:2月18日(土) 10:00開始
◆問合せ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(10:00-18:00)
◆あらすじ:
気が弱くぱっとしない性格のイマイチな男・太郎(中村勘九郎)。太郎は隣に越してきた歌(中村七之助)が好きだった。歌の家には、寝たきりの父親と兄である源乃助がいる。源乃助は稀代のワルで酒と博打に溺れている。一人で苦労している歌を見て、太郎は自分が何とかすると告げる。決して歌を不幸にさせないと。こうして2人は夫婦となる。
しかし、数年後、2人の生活は散々なものであった。太郎は仕事をやっても上手くいかず、引きこもり状態。太郎は歌を苦しめるだけの存在に過ぎなかった。逃げ腰で弱虫な太郎に対して歌は告げる。
「あなた変わらないと。尊敬させて」
歌の物言いに反発し、家を飛び出した太郎。酔いながら人気のない路地をふらついていると源乃助が立っている。
「……そんなんで歌を幸せにできるのかね……」
源乃助は刀を抜き、太郎は殺されてしまう──。
太郎がハッと目が覚めると、野原にいる。時間が歌と結婚する前に戻っているのだ。しかし何故だか周囲の様子が違う。なんと太郎を兄貴分として崇めたてているのだ。
生まれ変わったのだ、今度こそ歌を幸せにするのだと心に誓う太郎。
数年後、金持ちとなった太郎は歌と結婚する。
屈強な男に生まれ変わった太郎は、果たして歌を幸せにできるのか──。
(オフィシャル素材提供)