インタビュー・記者会見等、映画の“いま”をリポート!

Cinema Factory

Cinema Flash





広告募集中

このサイトをご覧になるには、Windows Media Playerが必要です。
Windows Madia Player ダウンロード
Windows Media Playerをダウンロードする

記者会見

トップページ > 記者会見 > 『パシフィック・リム』来日記者会見

『パシフィック・リム』来日記者会見

2013-08-06 更新

ギレルモ・デル・トロ監督、菊地凛子、芦田愛菜

パシフィック・リムprim

配給:ワーナー・ブラザース映画
8月9日(金) 新宿ピカデリー 丸の内ピカデリー他 3D/2D字幕/吹替同時公開
© 2013 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES FUNDING,LCC

 8月9日(金)公開のこの夏一番の超大作『パシフィック・リム』。日本のアニメや特撮文化を愛してやまないギレルモ・デル・トロ監督が公開を前に来日し、7月28日(日)に、今オスカーに最も近い日本人女優の菊地凛子、本作にてハリウッドデビューを果たした芦田愛菜と記者会見に出席した。

 さらに同日夜には、本作に登場する怪獣“ナイフヘッド”のゆるキャラ“ないふへっど君”と一緒に歩くプレミア・レッドカーペット・イベントにも登場! 海から現れる巨大生命体が登場する本作のイメージにぴったりの海をバックにしたステージでは、<約15メートル>もの巨大水柱が吹き上がり、イベントは最高潮に盛り上がった。


まずは、ひと言ご挨拶をお願いいたします。

ギレルモ・デル・トロ監督: 僕は1964年に生まれ、「鉄人28号」「鉄腕アトム」「マジンガーZ」や円谷さんの「ウルトラセブン」「ウルトラマン」を見て育ちました。この作品は日本に対する、私がメキシコで生まれ育ってずっと見てきた日本文化、日本のアニメ、日本のいろいろな映画、そういった日本に対するラブレターです。どうぞ受け止めてください。

菊地凛子: 監督の日本への愛情がたくさん詰まった映画です。

芦田愛菜: Hello my name is Mana Ashida. Please enjoy the film.

 芦田愛菜はこれからのハリウッドでの活躍が期待されるような流暢な英語で挨拶を行い、会場からは拍手が起こった。


監督はハリウッドきっての親日家で、日本の特撮やアニメ等の文化に造詣が深いと伺っているが映画は具体的にどのようなところを参考にされましたか?

ギレルモ・デル・トロ監督: 日本文化は非常に独創的なもので、特にイメージの部分、クリエイティブな部分ですが、美を愛する心があり、儀式を大切にしていると思います。怪獣とロボットを作るにあたって、怪獣を愛している部分など共通する部分があります。


本作ではカナダのトロントで数ヵ月に渡って大規模な撮影が行われたと伺いましたが、これほどの超大作にヒロインとして出演されていかがでしたか?

菊地凛子: 今までのキャリアを通して、SF映画に自分が一人のパイロットとして出られることなど想像もつきませんでした。子供の頃から親しみのある怪獣が出てきたり、ロボットが出てきたりする作品を才能あふれる監督と一緒に撮れたことは夢のようですし、この映画を観ると自分が出ていることを忘れて子供に戻ってしまいます。全てが初めてで、全てが自分にとって大切な時間でした。


愛菜ちゃんは、初めてのハリウッド映画ということで、日本の撮影現場とアメリカの撮影現場で違いはありましたか?

芦田愛菜: 楽屋が一人一台のキャンピングカーでびっくりしました。「用意スタート!」というのが「アクション!」というのでビックリして緊張したんですけど、カッコよかったです。

 そこで監督がすかさず「アクション!」と言い会場は和やかなムードに。


今作で一番お金がかかっていると思われるシーンはどこでしょうか?

ギレルモ・デル・トロ監督: 戦闘シーンはすべて一番お金がかかっています。今回はCGを使っているのですが、実際にロボットの一部を作ってその中にパイロットの方々に入ってもらって、セットを壊したり破壊していましたので。愛菜ちゃんが泣きながら走っているシーンでも、実際にセットを作って怪獣が向かってくると振動するようにしていました。一番お金がかかったのは25分間の戦闘シーンです。海の中から(戦闘が)始まって宇宙まで(ロボットが)行くというシーンです。


ギレルモ・デル・トロ監督の印象と、お互いの印象はいかがでしたか?

prim菊地凛子: 8年前『バベル』を撮っていた時にアレハンドロ(・ゴンサレス・イニャリトゥ)監督を通じて、ギレルモ監督に「ぜひ映画に出してください」とお願いをしていました。その夢が今回の作品で叶うのは光栄です。(ギレルモ)監督は8年前からご自分のことを「トトロ」と言っていて、今と変わりません。撮影での辛いシーンや、集中力が切れた時も日本の文化を非常に知っている方なので、「トトロの歌」を日本語で歌ってくれたり、励ましてくれたりする愛情深い方でした。
 芦田愛菜ちゃんは彼女が出ている作品を見ていたので、こんな素晴らしい女優さんが自分の幼少時代を演じることで苦情が来ないか心配でした(笑)。すごくプロフェッショナルな方でした。

芦田愛菜: 自分のことを「“トトロ”って言ってね」と言ってくれて、良い演技をすると「アメージング!」「パーフェクト!」と言って頭を撫でてくれてすごく嬉しかったです。


お二人の起用理由をおしえてください。

ギレルモ・デル・トロ監督: 凛子はアレハンドロ監督が『パベル』を撮っている時に会ったのですが、弱々しさと芯の強さという相反する部分を持っている非常にユニークなパーソナリティだと思いました。今回の脚本を書く時は、凛子を頭に浮かべながら書きました。凛子が演じるマコというキャラクターは強いけれども非常に女らしい部分を持っているようにしたかったのです。女性の強さは男性の肉体的な強さとは違い、精神的な強さであり、凛子はそれを持っている女優です。彼女との現場は非常に楽しかったですね。彼女は真実の感情を出せるので、女優として尊敬をしています。
 そして、愛菜は天才です。何日も何日も撮影で彼女を泣かせてしまったけれども、今まで一緒に仕事をしてきた女優の中で一番偉大です。本当は彼女は50歳で、精神的には僕よりもずっと大人なのかもしれないですね(笑)。


子供の頃から日本のアニメがお好きで、本作も日本の文化への愛が沢山つまった作品ですが、そこまで監督の心を動かしたのは、日本文化のどういった点でしょうか?

ギレルモ・デル・トロ監督: ロボットと怪獣をデザインするのに1年以上かかりました。心の部分から始めて、外見を作っていきました。押井(守)監督の「機動警察パトレイバー」は本当に素晴らしいと思いましたが、今回はファン・ムービーにしたくなかったので、いろいろなものを参考にして、実際に動かすということを想定して作りました。例えば、(凛子が操縦する)ジプシー・デンジャーは、エンパイア・ステート・ビルディングと(俳優の)ジョン・ウェインを組み合わせたイメージです。それとシルエットも意識し、100種類くらいあるデザインから、まるで『アメリカン・アイドル』のように毎週10体ずつオーディションをしたんです。


日本で行きたい場所は?

ギレルモ・デル・トロ監督: 中野ブロードウェイです。空のスーツケースを持ってきました。あとはジブリ美術館に行きたい。毎回行っています。


監督を連れて行きたい場所は?

菊地凛子: 監督の方が詳しいと思うので中野ブロードウェイに行って、案内してもらいたいです(笑)。

芦田愛菜: 監督はあんみつが好きと言っていたので、あんみつを食べに行きたいです(笑)。


地球最後の日、人類が一丸となり世界を救うお話ですが、監督が伝えたかったことは何ですか?

ギレルモ・デル・トロ監督: 2人のパイロットが1つのマシーンに乗って地球を救うというものですが、怪獣は自然界が生んだ非常に大きな敵です。互いが信頼し合うことで、世界を救うことができる。地球という同じロボットに乗った我々は、愛情と信頼なくして生き延びることはできないのです。最新の技術を駆使した作品ですが、描きたかったのは、自己犠牲の精神や勇気、知性や協和といったシンプルで普遍的なテーマなのです。

◆ジャパン・プレミア・イベント

 約2000人の観客が集まる中、ギレルモ・デル・トロ監督、菊地凛子、芦田愛菜と本作に出てくる怪獣“ないふへっど君”がレッドカーペットに登場。菊地は黒を基調としたロングドレス、芦田は胸元に黒いリボンがついた白いワンピースという出で立ち。ファンの声援に笑顔で握手をしたり、サインに応じたりと、ファンサービスを行った。

 MCから、いよいよ本作が日本で公開する気持ちを問われると、監督は「子供の頃から怪獣映画を作ることを夢に見ていました。この映画を日本に紹介できるのは本当に名誉あることです。私は“オタク外人”として、日本にありがとうと言いたい」と感謝しきり。

 人類滅亡の危機を救うパイロット役を演じた菊地は「この作品が大好きで自分が出ているのを忘れて何度も何度も観ました。日本人としてこの作品に出られて嬉しい!」と感無量の様子。自分の幼少時代を演じた芦田については、「愛菜ちゃんにサインをもらいに行ったんです。愛菜ちゃんが自分の小さい頃を演じてくれてよかった。プロフェッショナルで集中力もある尊敬できる女優さんです」と大絶賛。一方、菊地の幼少時代を演じた芦田は、菊地さんを「背が高くて、外国の人と英語で喋っていてかっこよかった」と、海外で活躍する先輩に対して尊敬の念を込めた。

prim さらに監督は、「今までにない大きさのメカ対怪獣が描かれているこの作品は、本当のスペクタクル映画です。我々人間は助け合って信頼し合っていかないと生き延びられないので、人類は同じロボットに乗っているというメッセージがこめられています」と熱い思いを語った。

 やがて、会場から不穏な地響きと足音が聞こえてきて、15メートルもの水しぶきが監督らの後ろから沸き起こった。東京湾に怪獣が現れるような演出に会場は大いに盛り上がり、イベントは終了。この後に控えるジャパンプレミア試写会舞台挨拶へと一行は向かった。

 ジャパンプレミア試写会終了後、レッドカーペットに再びギレルモ監督と菊地が姿を現し、会場にいる全てのファンの握手とサインに応じ、ファンたちを魅了した。


(オフィシャル素材提供)

関連記事
公開記念〈地球防衛隊任命〉イベント実施レポート
菊地凛子 オフィシャル・インタビュー

Page Top