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2012-09-29 更新
草なぎ剛、安田成美、夏帆、風間俊介、香川照之、西谷 弘監督
配給:東宝
2012年11月17日(土) 全国東宝系ロードショー
(C)2012フジテレビジョン ジェイ・ドリーム 東宝 WOWOW FNS27社
草なぎ演じる極道者・翼 彦一が素性を隠して老人介護をするというストーリー。最高視聴率17.8%を記録した2009年の連続ドラマ、その後のスペシャルドラマに続く待望の劇場版となる。
新たな老人介護施設を舞台に、組を抜けて生きることを決意した彦一が、“任侠道”を胸に厳しい現実に立ち向かい奮闘する姿を描く。
主人公を演じた草なぎは「普通、ドラマで役が終わるとパッと(自分の中から)なくなるものなんですが(本作の)彦一に関しては頭の中にずっと残っていて、終わったのに終わってない感じだった」と役柄に特別な思い入れがあることを明かす。そして作品については「とても満足いく作品。血が通った、温もりを感じてもらえるはず」と本作に自信をみせた。西谷監督も「草なぎくんの顔を見ていたら、意外にケンカが強そうな顔をしてるなと思って。そうしたら役がどんどんよりハードになって、生身の彦一になっていった」と語った。
本作の撮影前に、草なぎは任侠映画に多数出演してきた高倉 健と『あなたへ』で共演。高倉の仁侠映画を参考にしたことを明かし、「健さんから、学ぶことがたくさんありました。健さんの存在が反映されていると思います。健さんからは『お前、似合ってねーぞ』と言われましたが……」と振り返り、「健さんにもぜひ観てほしい。昔の任侠映画の現代版になったのでは……」とうれしそうに語った。
さらに草なぎは「彦一は、ぶっきらぼうに老人に向かって『やれることはやれ!』という姿勢で介護を進めていくけれど、実は実際の介護の現場に通じるところがある。仕事を与えて、やれることをやらせてあげるスタイル、ひとりの人として尊重してやっていくのが介護なんだと感じました」と語った。劇中、身体をはったアクションにも挑戦した草なぎ、充実した表情を見せた。
久しぶりの現場復帰となった安田は「台本をはるかに超える素晴らしい作品で、出ている私が驚いています」と語り、草なぎについては「撮影中は寡黙でしたがとってもナチュラルな方でした。『よーい、ハイ!』って声が掛かると自分で『集中!』って言うんです。ご自分は集中できるんでしょうが、私たちが集中できなかった」とコメントし、草なぎは「ごめんなさい」と平謝りだった。
本作で茶髪のキャバクラ嬢に挑戦した夏帆は「いままでのイメージを覆すような挑戦で、皆さんの目にどう映るのか不安と期待でいっぱいです」と胸の内を吐露。役づくりのためキャバクラへも足を運んだことも明かした。「途中から私自身が楽しんじゃって……」と笑顔でコメント。また、草なぎとの激しいラブ・シーンにも挑戦している夏帆、「緊張していて、ひたすら草なぎさんに付いて行きました」と語った。
香川は「役者さんのいろいろなベクトルが飛び交い、ひとつのシーンに向かっていく現場の空気が好きだった」と振り返り、「僕は議員という立場で介護に携わる役でしたが、介護において一番大変なのは何よりも現場の人たち。普通ではない時間が24時間続くという感じで、そのことを忘れずに演じました」と語った。
草なぎの事務所の後輩である風間も劇中、アクション・シーンを披露、「僕はやられるだけというのが多かったんですが、彦一のアクションはすごい。たまらなくカッコ良かったです!」と草なきの激しいアクションに感激していた。
(※注)なぎの漢字は弓偏(ゆみへん)に、右側上部が前(まえ)の旧字体、右側下部が刀(かたな)
いい人のイメージが強い草なぎさんが、極道を演じたことでも注目されたドラマは、私も観ていた。介護問題というまさに今後の日本に課せられた大きな問題を取り扱っていることも興味をひいた。草なぎさんの新境地を開いた作品になったと思う。
(文・写真:Sachiko Fukuzumi)