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2008-02-08 更新
どんな役柄にもチャレンジして行きたい。良い作品に出会えて、良い演技が出来ればいいと思います
ハン・ヒョジュ
1987年生まれ、高校在学中に「ミスにっこり選抜大会」で大賞を受賞したのをキッカケに芸能界に入る。多くのミュージック・ビデオに出演し、「ノンストップ」(2005)でTVドラマ・デビュー、その後、「春のワルツ」(06)のヒロイン役に大抜擢されてブレイクし、日本でも多くのファンを得る。『マイ・ボス マイ・ヒーロー2 リターンズ』(06)で映画初出演後、『アドリブ・ナイト』に主演。TVドラマ「空くらい地くらい」(07)にも出演している。
配給:パンドラ
2月9日(土)より、アミューズCQNほか全国順次ロードショー
(C)2006 KBS N,Ad Lib Night Production. All rights reserved.
原作は日本の作家、平 安寿子(たいら あすこ)の「素晴らしい一日」の中に収められている短編。『チャーミング・ガール』(04)で独特で繊細な感性を発揮、その新たな才能に注目をあつめた鬼才イ・ユンギ監督の最新作。 本作で主演し、音信不通のミョンウンという女性に間違われ、父の危篤の床に身代わりで立ち会う女性・ボギョンを演じたハン・ヒョジュに会い、話を聞くことができた。
シナリオを読んで、面白いと思いましたし、映画の持つ奇妙な雰囲気にも惹かれました。自分から“ボギョンという女性を是非演じてみたい”と強く思ったので、演じることができてうれしかったです。
短い撮影時間でした(註:10日間で撮られた)が、シナリオを読んで、ボギョンという女性は表情を顔に出さないほうがいいなと感じました。なるべく無表情でいられるように努力しましたし、その無表情の中にもある種の感情が伝えられたらいいな、と考えました。役を生かすために演技をする前に日記を書いて、ボギョンについて思うことをたくさん書き出したりもしました。監督ともいろんなお話をしながら役を作り上げて言ったのですが、監督からいくつかのDVDを頂いたのでその映像も参考にしたりしました。
TVに出るようになってからはいろいろな方からお声を掛けていただきますが、学生時代は声を掛けられることなんて、全くなかったんですよ(笑)。
(日本語で)ちょっと、怖かった(笑)。
初めて会ったときの印象は、監督自身が人見知りをする方で、話をするときもちょっと無愛想なんです(笑)。言葉も少ない方だったので、怖い感じがしたんですね。映画を撮る作業に入ってからは言葉も増えましたし、そばにいて支えになってくれました。撮影が終わった今も連絡をとってお話をしたりしています。そんな監督は初めてで、特別な監督です。
監督からは、“思ったことが表情に出ないような演技をして欲しい”と言われたのですが、具体的ではなかったのでとても難しいものでした。映画全体を通して、ボギョンという一人の女性のイメージを作り出すのが課題でした。
みんなが集まって撮る場面が多くて、いつもみんなで一緒にいたものですから映画の撮影なのか、ここで一緒に生活しているのか、錯覚してしまうほどでした(笑)。いろいろなものを食べましたが、肉を焼く場面では映画のために焼いているのか、みんなの食事のために焼いているのか分からなくなるほどでした(笑)。焼酎を飲みながら、歌を歌ったりもして、いつも楽しいムードで撮影していました。
あの場面は急に寂しさとか切なさが襲ってきた場面なんです。私自身が気づかないうちに、ボギョンと言う女性になりきっていたからかもしれませんが、“こんな風に生きてきたんだな”とか、“恥ずかしい”という感情とか、いろんな思いがドッと溢れてきて、思わず涙がこみ上げてきてしまいました……。
ボギョンがこれからどうなるかは誰にも分かりません。1日の出来事で人生が大きく変わるとは思えませんが、ボギョンには、徐々に心の迷いから立ち直って行って欲しい……。これは私個人の希望ですが、ボギョンには幸せになってほしいと思います。
こういう役がいい、と決めている役は特にはありません。いつも、どんな役柄にもチャレンジして行きたいと思っています。私自身が与えられた演技をするのも大切なのですが、作品全体を通して観ていたいといつも思っているので、良い作品に出会えて、良い演技が出来ればいいな、と思います。
韓国ではアン・ソンギ先生と、日本では渡部篤郎さんです。
(すべて日本語で)『アドリブ・ナイト』はあたたかい映画だと思います。ぜひ、観に来てください。
都会で、独り暮す女性の心の孤独や繊細な心情を、押さえた演技で見事に表現したハン・ヒョジュ。今後も映画に限らず、TVドラマで幅広く活躍する姿に注目の女優だ。
白いニットのワンピース姿で現れたヒョジュはまるで、雪のせいのように美しかった。 “ヒロインには幸せになってほしい”と心から願う優しい心の持ち主。
ヒョジュが最後にメッセージしたように、観た後にあたたかな感動に包まれ、大切な人への思いを改めて確認できる映画だ。
(文・写真:Sachiko Fukuzumi)
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