2022-09-20 更新
板谷由夏
名匠・高橋伴明監督がコロナ禍の中の社会的孤立を描く『夜明けまでバス停で』。10月8日(土)より、新宿K's cinema及び池袋シネマ・ロサほか全国順次公開されるのを前に、本作で17年ぶりの映画主演となった板谷由夏のオフィシャル・インタビューが到着した。
日本の映画監督らしい映画監督です。20代でご一緒した時に、「将来もう一度絶対にご一緒したい」と思った、目標の監督でした。
後半、画になってみないと分からないなという部分はあったのですが、初号試写を観て、納得しました。
三知子は自分のことは自分で責任を取るという、責任感が強い人だと思います。いい人だし、人にも優しい。でも自分は「助けて」と言えないという、現代の日本の女性たちの代表のような気がします。
三知子に起きることを私が体験・体感することで素直に出てくる気持ちを大事にしようと思いました。
梶原さんは「同じ世代として三知子のこと、分かるよね」と話し、一緒に(本作のモチーフとなった)大林三佐子さんの命日にバス停にお花を持って行きました。
どうしてそんなことになったのかだとか、どうして彼女が殺されてしまったのかだとか、背景については読み漁りました。三佐子さんはネガティブな想いでホームレスになってしまったのではなく、元々はポジティブな普通の女性だったというところは参考になりました。「じゃあ(三佐子さんが)どうしてこういうことになってしまったんだろう」ということを紐解いていくことは、「三知子がどうしてそうなっていったんだろう」ということを理解するためのヒントになりました。
そこで働く女性たちに会いたかったですし、居酒屋の忙しさだとかを習得したかったので、バイトさせてもらったんですけれど、三知子が時給で働いて、住み込みだったと考えると、(ホームレスになってしまうことは)可能性としてあり得る話なんだなとリアリティを感じました。
三浦(貴大)さん演じるマネージャーが嫌な奴全開でやってくださったので、三浦さんに助けられました。
台本よりも映像になったほうが伴明さんのメッセージ・言いたかったことが分かる気がしました。
観終わってどうだったというより、観終わって持ち帰って、あなたはどうしますか?と問題を提起している作品だと思うので、伴明さんが言いたいメッセージ、伝えたいことをそれぞれが考えてくれたらいいなと思います。
コロナ禍で、「何かやらなきゃ」だとか「このままじゃいけない」と思っている人が多いと思うんです。そういう優しい気持ちを持っている方には観に来てもらえるのではないかと思っています。
(オフィシャル素材提供)
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