インタビュー・記者会見等、映画の“いま”をリポート!

Cinema Factory

Cinema Flash



舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 『よだかの片想い』

『よだかの片想い』
プレミア試写会舞台挨拶

2022-08-23 更新

松井玲奈、中島 歩、城定秀夫、安川有果監督

よだかの片想いyodaka ©島本理生/集英社 ©2021映画「よだかの片想い」製作委員会
配給:ラビットハウス
2022年9月16日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国公開

 2018年に『ファーストラヴ』で第159回直木三十五賞を受賞し、これまでにも『ナラタージュ』『Red』などの著作が映画化されてきた作家、島本理生の傑作恋愛小説『よだかの片想い』(集英社文庫刊)の映画化が決定し、2022年9月16日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国公開となる。8月22日(月)、主演の松井玲奈、共演の中島 歩、脚本の城定秀夫、監督の安川有果を迎え、キャスト・スタッフが登壇した舞台挨拶付きのプレミア試写会が実施された。


 以前から直木賞作家・島本理生の大ファンだと公言している松井。中でも「よだかの片想い」は、島本作品と出合ったきっかけの作品であり、それゆえ何年にもわたって映画化を熱望してきた思い入れの強い作品となる。「本当に長い時間をかけて映画という形になったので。やっとひとつの夢がかなったような気持ち。うれしくありながらも、本当に大好きなこの作品、そして大好きなキャラクターのアイコという人を演じきれるのか、とても不安な気持ちの中にいたと思います」と語る松井は、「お話を知りすぎているというか。何度も読んでいる作品だったので、物語に自分を合わせにいってしまいすぎないだろうかとか。いろいろなことを考えていたなと思います」と振り返る。

 アイコの半生を映画にしたいと思い、アイコの前に現れる映画監督・飛坂を演じた中島は「松井さんとは撮影で毎日会っていたんですけど、でも空き時間にそんなに話したわけでもないので、松井さんがどういう方なのかは分かっていないんですけど」と冗談めかしつつも、「でも出来あがった作品を観て、松井さん自身がお持ちの繊細さのようなものが、非常にアイコに反映されていて。生々しいアイコ像ができているなと思いました」と述懐。

 さらに松井が「はじめましての瞬間から飛坂さんがいるという感じでした。本当にナチュラルなトーンのまま、映画の世界に中島さんがいてくれた。今でも飛坂さんといるような気持ちでいます」と語ると、「良かったです」とホッとした様子の中島。「やっぱり松井さんの思い入れのある作品ですし、映画化されるとなったら(誰だろうと)いろいろな人を思い浮かべたと思うんですけど。だからなんだと思われたら嫌だなと思っていたので。その言葉を聞くことができて、泣きそうです」と付け加えた。

 そしてこの日は本作のテーマにちなみ、「初めての片想い」というテーマでトークを。まずは松井が「わたしは『ファイナルファンタジー X』が好きで。そこに出てくる主人公のティーダが初恋です」と切り出すと、「今はそんなに熱はあげていないですが、二次元で片想いをしていました。ヒロインであるユウナという女の子を守ってくれる人という意味で、好きな人を守ってくれる人が好き、という屈折した片想いでしたね」と述懐。

 さらに中島が「僕はずっと片想いをしています」と語ると、「電車のホームの向こうの人とか、道路にいる人、喫茶店のお姉さんとか。1日に2、3回はしているんじゃないですかね。それが僕の片想いです」と冗談めかし、会場を沸かせる。

 そんなイベントもいよいよ終盤。まずは城定が「この映画を観て、恋愛映画というのもそうなんですけど、すごくすてきな恋愛映画になっているなと思っていて。やはり松井さんの念願の企画ということで、その思いを無駄にしないように頑張って(脚本を)書きました。とてもすてきな作品になっていると思うので、感想をお願いします」と語ると、中島も「コンプレックスは誰しもが持っているものだと思うので。だから男女問わず、みんなが自分に重ね合わせられる映画かなと思います。気に入ったら広めていただけたら」と続ける。

 そして松井が「わたしがずっとこの作品が好きだと言い続けていたら、たくさんの方が協力してくれて。素敵な1本の映画にしてくださいました。そんな自分の思いを抜きにしても、本当に誰かに寄り添える優しい映画になったと思います。ぜひ楽しんでいただけたら」と語ると、最後に安川監督が「撮影で印象に残っているのは、シーンについて松井さんに相談しに行くときに、そのかたわらにはいつも原作小説があって。その小説にはおびたただしい数の付箋が付けられていたということ。それを目にした時に、その熱量に負けないようにわたしも頑張らなきゃいけないなと思いました」とコメント。

 さらに「一緒に撮影をしていく中で、意見が違った時もありましたが、それでも松井さんが、わたしの意見と、ご自身の考えるアイコ像をうまく融合させてくれて。松井さんがもつ凛とした部分や所作が、まったく嫌味なくアイコという人物に落とし込まれていて。本当に思い入れのある役を演じるって、俳優さんにとってすごくすてきなことなんだなと。そういう作品にたずさわれて、ありがたい機会となりました」と晴れやかに付け加えた。


“(not) HEROINE movies”=ノット・ヒロイン・ムービーズの第二弾公開作品!

 『勝手にふるえてろ』『寝ても覚めても』『愛がなんだ』『本気のしるし』を手掛けたメ~テレと、制作会社ダブがタッグを組み、“へたくそだけど私らしく生きる”、等身大の女性のリアルをつむぐ映画シリーズであり、次世代を担う映画監督と俳優たちを組み合わせ、それぞれの感覚と才能を思う存分発揮できる場を生み出し、輩出するプロジェクト。何ドンもされない。胸キュンもしない。恋とか愛とか生きるとか自意識とか、考えすぎてこんがらがって。それでももがいて生きている“ヒロイン”になりきれない“ヒロイン”たちの物語。
 第1弾「わたし達はおとな」(公開中)、第3弾「そばかす」(2022年12月16日公開)



(オフィシャル素材提供)



関連記事
公開記念舞台挨拶

Page Top