2022-08-21 更新
三木 聡監督、マーク・シリング(企画・原案)
MC:小田ゆりえ
全国公開中の映画『コンビニエンス・ストーリー』。8月19日(金)にテアトル新宿で英語字幕上映&公開記念トークショーが行われ、三木 聡監督、企画・原案を務めたマーク・シリング、本編にも役者として参加した小田ゆりえがMCとして登壇した。
2007年に公開された『転々』の取材時からの付き合いという三木監督とマーク氏。それから約10年後にマーク氏から作品を一緒に作れないかというメールが届いたという。マーク氏が身近な存在であるコンビニを異世界の舞台として選んだきっかけは東日本大震災。「街中から物資が消えていく中でコンビニの存在は砂漠の中のオアシスのように感じられたという。コンビニしかない世界があったらどんな世界になるのか」という発想から今作の原案が誕生したという。そしてマーク氏が長年三木監督作品のファンであったことからプロットを送り、三木監督は外国人の目から見た日本のコンビニの見え方について興味を持ったことから制作がスタートした。
本作はファンタジア映画祭(カナダ・モントリオール)と香港国際映画祭にも出品され、ファンタジア映画祭では三木監督とマーク氏は現地に足を運んだ。海外の観客からの反応を聞かれると、「もっと抵抗があると想像していたものの予想以上に現地の観客たちが作品を受け入れてくれた」と話した。言葉が違うとジョークのニュアンスが伝わらないことも多々あるものの、今作は映画も気に入ってもらいティーチインも盛り上がったという。マーク氏は「作品が面白くない場合、観客が帰ってしまうことがあり、それを危惧していたというが最後まで残ってくれていて安心した」といい、三木監督から「上映が不安だったんだ?」と突っ込み笑いを誘っていた。
そして、今回MCを務めたのは本作で温泉街の女将役を演じた小田ゆりえ。小田が登場する温泉街は、三木監督によるとロケ地を探すのに特に苦労した場面だといい、70年代の映画のようなノスタルジーさを感じさせる映像となっている。赤や緑のライティングを用いておどろおどろしい雰囲気を作り、ある種の異世界を感じるような場面に仕上げたという。
日本ではまだ上映の少ない英語字幕上映については、三木監督の作品は小ネタのギャグが多いことから翻訳が難しく、これまでの翻訳作業には全て監督自身が立ち会っているという。観客からの「直訳ではないものの、分かりやすく面白かった」という感想には笑顔を見せた。
最後に三木監督は「英語字幕上映の機会があればまたやりたい」と意気込みを見せた。マーク氏は本作のポスター・ビジュアルのデザインにも触れ、「自分の頭の中で描いていたイメージと近かったので嬉しく満足している」と話した。
(オフィシャル素材提供)
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