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『コンビニエンス・ストーリー』
完成披露舞台挨拶

2022-07-20 更新

成田 凌、前田敦子、六角精児、三木 聡監督

コンビニエンス・ストーリーconveniencestory ©2022「コンビニエンス・ストーリー」製作委員会
配給:東映ビデオ
8月5日(金) テアトル新宿他全国公開

 映画『コンビニエンス・ストーリー』の完成披露舞台挨拶が都内で行われ、キャストの成田 凌、前田敦子、六角精児とメガホンを取った三木 聡監督が出席してクロストークを繰り広げた。


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 本作は、スランプ中の若手脚本家・加藤(成田)が、コンビニ「リソーマート」が入り口となっている異世界に迷い込み、妖艶な人妻・惠子(前田)と出会い、恋に落ちるという物語。六角が惠子の“束縛系変人夫”である南雲を演じている。

 映画『くれなずめ』(21)で初共演を果たした成田 凌と前田敦子が撮影時のエピソードを語った。撮影時期は冬で、気温はマイナス2度になることもあったという。成田は「ずっと、過酷な現場でした」と当時を振り返る。

 一番過酷だったのが、ガソリン(実は水)を被るシーンがあり、たっぷりと掛けられ濡れてしまうというシーンでは、「カットがかかったらメイクさんや衣装さん、5~6人がみんな前田さんのほうに行ってしまって、僕も同じくらい濡れているのに『成田さんはロケバスに戻ってください』と言われて、小さいタオル一枚だけ手渡されました……」と悲しそうに述懐した。


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 その話を聞いた前田は「気づいていて、フォローしたかったんだけれど、寒すぎて声が出なかった……」とすまなそうな表情だった。六角は「僕は、待っている時間、暖かいロケバスの中で君たちのことを想像してたんだけど、コンビニ店員の衣装が薄いんですよね~」とねぎらっていた。毎日の撮影が過酷すぎてキャスト・スタッフが全員ハイになっていたという。


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 成田は、自身が演じた役柄について振り返る。スランプに陥っている脚本家として、うまくいってないと人に優しくなれない時間があって、たとえば、コンビニで自分の欲しい商品が見つからなかったとき、「コンビニって何でもあるんじゃないの?」と店員強にくあたる場面をとりあげ、「気をつけなきゃなと思います。生きていると人に優しくなれない自分もあるので、『いつもこうなのかな?』『(せりふが)心から出ているかもしれない』と思う時間がありました。しっかりした大人になっていかないと!と背筋を伸ばされる気持ちで毎日を過ごしていました」と役柄を通じて自分を反省していた。


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 三木監督は、成田の印象について、「この映画を観ていて迷ったら加藤(成田)について行けばいい。自己顕示欲とかいろんな欲から脱した僧侶のようで、自己主張というよりは映画に向き合う姿勢がすごく良かった」と称賛。成田は、「異世界に迷い込んでいろいろんなことを受ける側の人(役)だったので、ただただ楽しい日々を過ごしていました」とコメントした。

 前田は自身の役柄について「何を考えているのかは、いまいち分からなかった」と分析。三木監督は、「脚本の意味とか共感とか、すっ飛ばしてるけど、芝居をすると一番本質的なところにパーンってたどり着くんだよね。ハリウッド女優並み。さすが、(AKBの)センター! 世界のマエアツ!」と前田の演技を絶賛していた。


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 六角は自身の役柄ついて「何かをあえて作っていくという、構えはなかったですね。南雲は演じているうちに自然とその世界が見えてくるんじゃないかなと思いました」と話した。また、「しゃべってもいいし、しゃべらなくてもいいし、リラックスした空間」と和やかな撮影現場だったことも明かしていた。成田は「タキシードを着た六角さんがカートを引きながら歩いているシーンが面白すぎまして。美しいんですが、恐怖を感じさせる六角さんが素晴らしかったです」と話した。


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 最後に三木監督は「それぞれ観客に自分なりの答えや結論を出してもらう体験型のホラーです。この作品を理屈抜きに体験してもらいたい」とアピール。


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 前田は「ほめ言葉として、変な映画だと思います。いろいろんな受け取り方をしてもらえると思うんですけど、意味が分からないとかではないので、受け取ってもらえるものがあると思います」とアピール。

 成田は「ず―っと憧れていた三木監督と一緒にここに立てているのが本当に嬉しいです」と三木監督とのコラボを喜び、「三木監督の言葉1文字1文字すべてが最高だと思っています。異世界を楽しんでください!」と客席に向かって呼びかけた。


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(取材・文・写真:福住佐知子)



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