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『生きててよかった』
トーク付き最速試写会イベント

2022-04-30 更新

木幡 竜、鈴木太一監督

生きててよかったikiteteyokatta ©2022ハピネットファントム・スタジオ
ハピネットファントム・スタジオ
5月13日(金) 新宿武蔵野館ほか全国公開

 昨年放送のドラマ「アバランチ」で“最狂の敵”役を演じ注目を集めた《逆輸入俳優》木幡 竜が、満を持して日本で初主演を飾った映画『生きててよかった』の全国公開を記念し、トーク付き最速試写会イベントが都内で行われ、主演の木幡 竜と鈴木太一監督のふたりが登壇した。


 一般客に向けての上映が今回初めてということで緊張した面持ちで登場したふたりだったが、温かい拍手に迎えられほっと一安心した様子。

 プロットに着手してから撮影に至るまでに6年という長い月日をかけてあたためられてきた本作。鈴木監督は、「最初は木幡さんを主演に映画をつくらないかというお話をいただいたのがきっかけで、木幡さんは中国でアクション映画を中心に活躍されていたので絶対にアクションを取り入れたいというのがまず第一にありました。そのあと、彼から『ボクサーの中には、闘うことを止められないでもがいている人がたくさんいる』という話を聞いて、自身も元ボクサーである彼ともリンクするような主人公に出来ないかと思ったことからスタートしました」と制作の経緯を説明。「長い歳月をかけたからこそ、僕らにしか作れない個性的な作品になったし、登場人物の描き方にもより深みを出せたのではないかと思います」と監督が振り返る一方、木幡は「もう腰が痛くなるくらい、これはものすごいカロリーを使うなと覚悟を決めました」とはじめに脚本を読んだときの率直な胸の内を吐露。また、ボクサーのセカンド・キャリアを描いているという点について木幡は、「ほかのスポーツもそうかもしれませんが、ボクシングを止めたあとうまく社会に馴染めずにいる人たちが僕のまわり含め、多いんじゃないかなと感じていたので、そういった題材で物語を膨らませていくのは面白いと思いました」と自身のキャリアや思いが本作に反映されていることを明かした。


ikiteteyokatta

 ボクシングに地下格闘技と、迫力溢れる格闘シーンが満載の本作。印象に残っているシーンについて聞かれた木幡は、「今回僕が、生っぽいアクションを撮らせたら日本で一番だと思っている園村さんにアクション監督を務めてもらうことが出来たんですが、彼のその生っぽいアクションを最大に活かすために、ひとつだけ提案したことがあって。それは冒頭のボクシングの試合で倒れるシーンがあるんですが、僕がリアルにアゴにパンチをくらってダウンするところを撮って欲しいとお願いしました。もちろん園村さんの技術があればそんなことをしなくても撮れるのですが、僕が単純に自分がダウンして死んだ目で落ちていく姿を見てみたかったというのと、それがあればそれ以降の園村さんの演出したアクション部分もよりリアリティをもって見えてくるんじゃないかと思い、(相手役の)現役の世界チャンピオンにアゴを打ち抜いてもらいました」と衝撃の告白。さらに「このシーンはもう本当に、撮り終わって『生きててよかった』と思いましたね」と続けると会場が笑いに包まれた。

 2009年に中国映画『南京!南京!』に出演し注目を集め、翌年にはアンドリュー・ラウ監督の『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』でドニー・イェンと最後に対峙する大役を務めるなど中国を拠点に数々のアクション映画に出演する木幡。そうした経験から、今回の出演にあたって、アクション・シーンに関してはアクション監督に編集や撮影におけるすべての権限を渡してほしいということをはじめに鈴木監督に要望したそう。というのも、例えば『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』の撮影時、アクション・シーンになるとアンドリュー監督は現場から離れ、ドニーが指揮を執るといい、それくらいドラマ部分との撮影とはメソッドが違い完全に分業化している中国アクション映画の撮影の裏話を交えつつ、ほかの多くの日本の映画・ドラマ作品と本作との大きな違いについて解説した。これに対し鈴木監督は、「アクション・シーンは、リテイクしても正直何がNGでそうでないかの違いが分からなかった」と苦笑い。木幡は「実はアクション・シーンには全くアドリブがなくて、すべて園村さんがミリ単位センチ単位でこまかく演出した動きを正確に再現しただけなんです」とダイナミックで激しいアクションの裏で緻密な計算のもと作り上げられたアクション・シーンへのこだわりを力説した。


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 劇中で、木幡演じる主人公・創太はドクター・ストップでボクサーを引退後、幼なじみで恋人の幸子と結婚し新しい生活を始める。共演した幸子役の鎌滝恵利について、木幡は「僕らが現場で“バトル・セックス”と呼んでいた激しいセックス・シーンがあるんですが、それがかなりの長回しだったんです。(夫婦役の)ふたりがお互いの感情をぶつけ合う大事なシーンなんですが、鎌滝さんは撮影スケジュールの都合でクランクインしてかなり最初のほうの撮影だったにもかかわらず、本当に一生懸命演じ切ってくれて敬意しかないです。そこで一緒に乗り越えられたという信頼関係が生まれて、最後までお互いに演じぬくことが出来ました」と賞賛し、改めて感謝の意を述べた。監督も「鎌滝さんにしか表現できない女性像になったのではないかと思います」と続け、いろいろな矛盾を抱え込んだ難しい役どころを演じた鎌滝を高く評価した。

 最後に、互いに「日本一無名な主演俳優と監督」と自虐し笑いを取ると「ぜひいろいろな方に広めてほしい」とアピールしイベントを締めくくった。



(オフィシャル素材提供)



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