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『恋は光』試写会トークイベント

2022-04-24 更新

登壇者:小林啓一監督
MC:立田敦子(映画ジャーナリスト)

恋は光koihahikari ©秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会
ハピネットファントム・スタジオ/KADOKAWA
2022年6月17日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

 秋★枝氏による同名人気コミックを、神尾楓珠主演、西野七瀬ヒロインで映画化した『恋は光』が、6月17日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開となる。4月21日(木)、本作の最速試写会トークイベントが実施され、小林啓一監督と映画ジャーナリスト・立田敦子氏が登壇した。


 本作は秋★枝氏による同名人気コミックを、神尾楓珠主演、西野七瀬ヒロインで映画化した作品だが、この物語に興味を持ったきっかけについて小林監督は、「原作コミック1巻の終わり方がものすごく映画的で、恋の光が視えるシーンはエモーショナルだったので、映像化したらきっといい作品が出来ると確信しました」と作品との出合いを語る。デビュー作『ももいろそらを』(13)を撮ったとき、青春映画を撮りたかったというが、あれから約10年、今も若者たちの恋愛を描いた青春劇を撮り続けている小林監督。「僕にとっての青春映画とは、葛藤だったり、どうやって生きていこうか足掻くことであったり、そういうことが僕の中での青春映画なのだと思っています。それは自分の中でのテーマでもあります」と、このテーマに惹かれる理由について述べる。

 そして、小林監督の作品はセリフが生き生きとリアルであることが魅力であるが、本作も会話劇といっていいほどに、セリフまわしが重要だ。その中で一風変わったキャラクターたちをリアルに見せることに苦労したという。「今回、脚本に落とし込むのが大変でした。漫画は画があるので各キャラクターの個性も画で何となく伝わると思うのですが、それが脚本だけでは全然伝わらないのです。原作から少し離れてみたり、キャラクターを少し変化させてみたり、試行錯誤して今の形にたどり着きました。脚本に関して前作では3~4回くらいしか書き直していないところ、本作では30稿くらい書き直していると思います。ひとつ要素を入れようとすると、別の要素が弾かれてしまったりして苦労しました。でも最終的には元々やりたいと思っていたとことが凝縮されたものが出来上がりました。脚本って数学的なものだなと改めて思う作品でした」と振り返った。

 本作は、西条をめぐる3人の女性たちの「恋の闘い」であり、3人の女性たちの「友情」も描かれる。「ライバル同士でありながら友情を育むというのが原作でも好きな部分です。もしかしたら、すごく現代的で、新しい恋愛の形なのかもしれません。恋を定義する映画なので、こういう形の見せ方も素敵なのではと思いました」と語る。

 西条、北代、東雲、宿木、それぞれ個性溢れるキャラクターとキャスティングについては、「神尾さんは頭もよくて朴訥で声のトーンも含めて西条に近いものを感じました。西野さんに関しては、華があるけど普通に見える人ってなかなかいないのですが、そこが北代にぴったりだなと思いました。平さんは、天真爛漫で可愛くて古風な雰囲気がある感じがまさに東雲だと思いました。馬場さんは、(馬場さん演じる)宿木を北代のライバルという捉え方をしていたので、かっこよくてサバサバとしていながら女性らしさも持っているという点で選びました」とキャスティングについて明かした。

 この日は客席とのQ&Aも実施。本作で使用されているShe&Himの音楽(「Sentimental Heart」」と「In The Sun」)について質問が出ると、「『(500)日のサマー』 は元々好きな作品なので、影響は受けていると思います。ズーイ―・デシャネルの、レトロな感じの新しい音楽がこの映画にはピッタリだと思いました」と、影響を受けた作品を明かし、洋楽を起用することでポップな雰囲気を生み出した。

 最後に小林監督より「この映画は『恋』をテーマにしていますが、今世の中は戦争とかコロナとか辛いことで溢れていると思います。『恋』というのは一瞬軽いテーマだと思われるかもしれませんが、人と人の繋がりの中で大事なものが『恋』なのかなとも思います。それがエネルギーになって、頑張ろうという気持ちにさせてくれます。この作品を観て、恋がたくさんの人の光になってもらいたい、そういう気持ちでこの映画を作りました」と本作に込めた思いが語られた。


原作者:秋★枝氏のコメント

 自分の描いた漫画を映画にしていただくという経験は初めてだったのですが、ストーリーを再構成していただき、役者さんが演じて下さり、音や音楽、光の効果などが加わり、世界に色が付き……文字通り「次元が違う」ものにしていただいて、原作以上の『面白さ』のある作品へと昇華していただきました。
 観てくださった皆様も、本作を多くの要素で楽しんでいただけたのではないかな、そうだと嬉しいな、と思っています。
 恋という何だかよく分からないあやふやなものに対して、あれこれ考えたり楽しんだりするきっかけになれば幸いかなと思います。




(オフィシャル素材提供)



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