2022-05-31 更新
倍賞千恵子、磯村勇斗、早川千絵監督
映画『PLAN 75』の凱旋プレミア試写会が都内で行われ、舞台挨拶に倍賞千恵子、磯村勇人、早川千絵監督が出席して作品についてクロストークを繰り広げた。倍賞と磯村がカンヌでカメラドール スペシャル・メンションを受賞した早川監督へ祝福の花束を手渡す場面も見られた。
本作は、映画監督・是枝裕和が総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一篇『PLAN 75』を新たに構築、キャストも一新し、早川千絵監督が脚本を書いた自身初の長編映画となる。近未来の日本が舞台。超高齢化社会に対応すべく75歳以上が自ら生死を選択できる制度〈プラン75〉が施行され、その制度に大きく翻弄される人々の姿が描かれる。
第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、早川千絵監督がカメラドール スペシャル・メンションを受賞した。
早川監督は「(作品を観て)皆さんがどういうふうに受け止めてくださるか、楽しみにしております」と挨拶。
主人公・角谷ミチを演じた倍賞は、主演映画がカンヌ映画祭に出品されるのは初めて。出演へのオファーに、はじめは悩んだことを明かし、「監督と一度お会いして、熱い思いが伝わってきたので出演を決めました」と語った。
早川監督は「(主演が)倍賞さんでなければどうなっていたんだろうと思います。倍賞さんに出ていただいたから、この映画ができました」と倍賞への強い信頼を明かした。
「ある視点」部門に出品され、新人監督賞「カメラ・ドール」のスペシャル・メンションが授与された早川千絵監督について、倍賞は「本当に良かったなって思います。若い監督なので、これからどんどん良い映画を作ってくださるんじゃないか思います。凍える寒さの中で撮影したのですが、スタッフやキャストの顔が思い出されて笑顔になりました」と話した。
カンヌで海外映画祭への初参加を経験した磯村はレッド・カーペットを経験し、「会場でのスタンディングオベーションに言葉で言えない感動を味わいました。映画って魅力的だな、映画を愛していきたいなと強く思いました」と感激を振り返った。磯村は、「プラン 75」の加入促進の窓口を担当する市役所職員・岡部ヒロムを演じている。
共演した主演・倍賞との撮影について聞かれた磯村は、「2人のシーンで、倍賞さんが見つめるまなざしが、動けなくなるくらいの強いまなざしで、僕自身も体が震えたシーンがありました。シビれました。目線を合わせることができただけで満足です」と絶賛した。
早川監督は、同映画祭のコンペティション部門に『ベイビー・プローカー』を出品した是枝宏裕和監督と現地で会ったことも報告。「上映にも行かせていただいて、大きなスクリーンで満席の客席を観て、是枝監督の人気に驚き、「すごいんだなと思いました。作品も素晴らしかったです」と率直な思いを語っていた。
倍賞は、最後に「作品について早川監督と磯村さんが話してくれたので、私は歌を歌います」と劇中でも歌っている「林檎(りんご)の木の下で」の歌いだしを披露した。「林檎の木の下で 明日また会いましょう~」と美しい歌声で会場を魅了した。
(取材・文・写真:福住佐知子)
関連記事
・第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品決定!
・第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門フォトコール・公式上映・レッドカーペット
・第75回カンヌ国際映画祭カメラドール スペシャル・メンション(特別賞)受賞!
・日本外国特派員協会記者会見
・公開記念舞台挨拶
・第47回トロント国際映画祭への出品決定!国内でもロングラン&興収3億円突破!
・第95回米国アカデミー賞®国際長編映画賞部門日本代表に決定!