2022-04-15 更新
吉岡里帆、中村倫也、尾野真千子、吉野耕平監督、辻村深月(原作者)
映画『ハケンアニメ!』の完成披露上映会が都内で行われ、舞台挨拶にキャストの吉岡里帆、中村倫也、尾野真千子と吉野耕平監督が出席してクロストークを繰り広げた。
本作は、アニメーション業界を舞台に、最も成功したアニメの称号=「ハケン(覇権)」を手にすべく奮闘するクリエイターたちの姿が描かれる。新人監督・斎藤 瞳を吉岡が、崖っぷちの天才監督・王子千晴を中村が、王子に発破をかけるチーフプロデューサー・有科香屋子役を尾野が演じる。
ステージに大きく描かれたアニメの絵の色にちなんで、吉岡は青色、尾野はピンク色の服を着てステージに登壇。中村は胸元にピンク色のチーフを挿して登壇した。
主演の斎藤 瞳を演じた吉岡は満員の客席を見渡し、「こんなに多くの人が来て下さるなんて……」と感無量の面持ち。「自信作です」ときっぱり。
また、瞳との共通点については「自分の中の熱い思いをうまく伝えられないのは分かります。もっと燃えてるんですが、冷めて見られるんです。同世代なので、その点分かります」と説明する。
中村は2020年公開作の『水曜日が消えた』のクランクアップ前に、吉野監督から「『ハケンアニメ!』の王子役が中村さんにぴったりだと思うので、オファーしてもいいですか?」と言われたことを明かし、原作を読んでみると「めちゃめちゃかっこいい役だったので、嬉しかった」と話す。そして、「『どこがぴったりなんですか?』」と吉野監督に直接質問すると、吉野監督は「カメラが回っているときの感じがいいんだよね。好きだなぁ~と思って……」と応える。それを聞いた中村は「キュン!としました。嬉しいですね」と大喜びだった。
吉岡は先輩である中村、尾野との共演エピソードを聞かれると、「2人ともギャップがありました。共演することは『怖そうだな……』って畏怖の念がありました。緊張していたのですが、実際は2人とも三枚目で、ずっと面白いことを言っていて楽しい現場でした」と笑顔で語った。
尾野は、吉岡の印象について「もう少し硬い感じの人かと思っていました」とコメントし、撮影中に吉岡から「グミ食べます?」と何種類ものグミをもらったことを告白。グミが大好物だという吉岡は「好きな人にグミを食べさせたいと思って……。でも尾野さんはグミはあまり好きじゃなかったみたいで、最終的には干し梅を差し上げると喜んでくれました」と話した。
作品のテーマにちなんで、「ハケン(覇権)を取れるものは?」という難しい質問に、吉岡は「リップを塗りながらしゃべること」。中村は「舞台挨拶の最後にムービーさんのカメラに向かって手を振るときのスマイル」。尾野も「ビーフジャーキーを食べる速度」とあまりよく分からないことを答えにあげた。とくに尾野は好物のジャーキーについて「一袋をものすごいスビートで食べきります」と自慢げだった。
イベント中盤には原作者の辻村深月も参加。「大切にしてほしいところもちゃんと描いてくれていて感謝です。キャストも素晴らしい。王子役は中村さんがいいなと思っていたら念願叶いました。幸せです」と登壇者一人ひとりに感謝の気持ちを伝えた。
当日舞台挨拶に出席できなかった、瞳を気にかけるくせ者のチーフプロデューサー・行城 理に扮した柄本 佑からは、コメント映像が届いた。「誰しもキャラクターに共感できる」「瞳と王子の熱量に胸が熱くなる」と作品をアピールした。
最後に、吉岡が「挫折の先の希望的メッセージを伝えられると思います。皆さんにどうか刺さりますように! それと、エンディングの最後に素晴らしいシーンがあるので、必ず一番最後まで観てください」とメッセージを伝えた。
(取材・文・写真:福住佐知子)
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