2022-04-09 更新
瀬戸かほ、里内伽奈、小山梨奈、ミネオショウ、永岡俊幸監督
MC:松崎まこと
風光明媚な島根県でオールロケ、水辺の街で過ごす爽やかでちょっと不思議な新しいヴァカンス映画『クレマチスの窓辺』。4月8日(金)にヒューマントラストシネマ渋谷にて初日舞台挨拶が開催され、出演の瀬戸かほ、里内伽奈、小山梨奈、ミネオショウ及び、永岡俊幸監督が島根ロケの思い出や撮影の裏話などを語った。
冒頭、東京から1週間ヴァカンスにやってくる主人公の絵里役を演じた瀬戸かほは、「今から作品が届くんだなという実感が湧いてきました」と挨拶。
絵里の大学生のいとこ・みずき役を演じた里内伽奈は、「撮影が3年前だったので、こうやってスクリーンでの上映を迎えられて本当に嬉しいです」、絵里のいとこ・駿介の婚約者・結梨を演じた小山梨奈は、「作品では私はすごく髪が長いので、誰って感じかもしれないんですけれど、上映を楽しんでいただけたら幸いです」、靴職人の伏見を演じたミネオショウは、「先日『THE BATMAN』を見た劇場で上映で本当に嬉しいです」とそれぞれ挨拶した。
監督・脚本の永岡俊幸は、以前からヴァカンス映画を撮りたかったのこと。「10年以上前に、ロメールやリヴェットなどフランス映画のヴァカンス映画の特集上映があって、それにとても影響を受けた若者でした。ちょうど今日からここ、ヒューマントラストシネマ渋谷でジャック・リヴェットの特集上映もありますけれど、そういった70年代、80年代のフランス映画に影響を受けました。日本でヴァカンス映画を作るんだったらどう撮ればいいのかを考えながら作りました」と話した。
脚本執筆時に島根に行った際に監督ご自身が経験したことが映画になったとのこと。「松江に3~4日位シナハンで滞在して、日中は歩き回って、夜は飲み屋で飲み歩いて、ロケハンを兼ねて情報を集めていました。劇中に飲み屋のシーンが出てくるんですけれど、(松江では)ふらっと入った飲み屋でもすぐ横のつながりができて、みんなと仲良くなれるんです。次の日偶然ばったり道端で会ったりするということがあったので、そういう要素を入れました」と説明した。
島根オールロケながら、ご当地映画にはしたくなかった監督は、「僕自身島根出身なんですけど、島根を押し出したものをあまり観る気になれなくて(笑)。出雲大社や松江城から離れた、素のようなものを撮りたかったです。そちらのほうがより良く見えるんじゃないかと思いました。(劇中では)地名を出さず、どこか分からないけれどいいなと思える場所にしました」とこだわりを話した。
瀬戸は、主人公の絵里と同じく1週間島根にいたそう。「おばあちゃんの家が印象に残っています。初めておばあちゃんの家(のロケセット)にお邪魔した時に、初めて行ったのに親戚の家に来たような安心感があり、リラックスして撮影ができました」と回想。
本作はアドリブが多い現場だったそうで、瀬戸は「現場で監督が一番脚本を持っていなくて、一番脚本に縛られていなかった。サトウヒロキさん演じるロードバイクの小田さんとのやり取りの中の一言(「家に来ますか?」というアドリブ)が、絵里の人物像を形作ったなと思っています。それ以外にも、全編を通してアドリブとセリフが入り混じっている作品です」と話し、絵里のいとこ・みずき役の里内は、「シーンのカットがかからないんです。しゃべり続けているのがそのまま使われていて、『おー使ったんだ』と私も観てびっくりでした。絵里とのシーンの後半ほぼアドリブに行っています。自然といとこ同士の楽しい会話ができたかなと思っています」と説明した。
里内は、思い出に残っているロケ地を聞かれ、「海のシーンがあるんですけど、ああいう(荒れた)海を見たことがなかったので、絵里と一緒に立つと私も感じるものがありました。そのシーンも天候により、セリフが全部変わりました。まさかの大荒れの海でしたけど、それもそれで自然を感じました」と裏話を披露した。
小山は、絵里のいとこ・駿介の婚約者・結梨を演じた。「監督が、私が今までやってこなかった役をあえて書いてくださいました。ネタバレがない範囲でいうと、女性から嫌われちゃう女の人なのかなと思うけれど、この街のコミュニティで生きていくには不自由ない、嫌われすぎもしない絶妙なバランスを持った、ちょっとした違和感があればいいなと思いました」と含みを見せた。
小山演じる結梨と絵里は、最後にクレマチスの咲く絵里の亡き祖母の庭で女子トークをする。瀬戸と小山は普段から仲良しとのこと。小山は「瀬戸さん(が相手役)というのが恥ずかしいくらい普段から大親友なんですけれど、普段のワチャワチャ感が出たらまずいなと思いました。瀬戸さんが絵里としていてくださったので、本当にそこにいるだけで2人で会話を楽しんでいるっていう感じでしたよね」と話すと、瀬戸も「ねっ!」と返し、2人の仲の良さをうかがわせた。
ミネオは変わりゆく街の三代目の靴職人・伏見役を演じた。ミネオが「靴職人というのは初めての役だったので、靴職人ってどんな人がいるんだろうと思って調べたら、貴乃花の息子さんの花田優一さんが出てきて」とユーモア交えて話すと、会場は爆笑。「そのイメージでやるかと思ったけれど、そういうイメージが湧かなくて。亡くなった祖父が農家で、父とかが休日は手伝ってやっているのを知っているので、撮影前に1回帰って手伝ってみたんですけれど、しんどいと思いました。代々続けるというのは結構ストレスもかかるだろうし、本当にやりたくないとできないものなんだろうなとイメージしました」と独特の役作りの方法を披露した。
瀬戸が演じる絵里を誘って飲みに行くシーンについてミネオは、「僕が女の子を誘う時の意識で行きました」と言って、再度笑いを誘った。「(3年前の撮影なので)覚えていなんですけれど、たぶん好きな女性を誘うときの雰囲気をやったんじゃないかなと思います」と話し、会場を盛り上げた。
最後に監督が、「アドリブが多かったというお話を皆さんされていたんですけれど、僕は台本の代わりにカチンコを持っていたんです。それは、強制的に自分をカメラ横に行かせるためで。生で見ないと分からないこともあったので、台本を持たず、自分の目と耳と皆さんのお芝居を信じて撮影しました」とこだわりを話して観客の期待を高め、舞台挨拶は終了した。
(オフィシャル素材提供)
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