2022-09-11 更新
木村文乃、永山絢斗、砂田アトム、山崎紘菜
9月9日(金)、深田晃司監督最新作『LOVE LIFE』の初日舞台挨拶がTOHOシネマズ日比谷にて行われ、木村文乃、永山絢斗、砂田アトム、山崎紘菜が登壇した。木村、砂田は直前までヴェネチア国際映画祭に参加していたため、この日が“凱旋舞台挨拶”となった。
■ ヴェネチア国際映画祭への参加について
現地で監督と砂田と共にレッドカーペットを歩いた木村は「レッドカーペットって、キャストや監督だけではなく、その映画の制作や配給に携わる皆さんと歩くものなんです。『LOVE LIFE』という“子ども”を“家族”と一緒になって世に出していく感じがして、私にとっては特別な時間でした」と振り返り、公開を迎えた心境については「監督が何度もおっしゃっていますが、この作品は “日本のありのままの生活を描いた”作品。まずは日本の人たちに観てもらいたいと思っていたので、この日を迎えられて嬉しいですし、ホッとしました」と笑顔を見せた。
また、日本人のろう者の俳優として初めてヴェネチア国際映画祭のレッドカーペットを歩いた砂田は、「小さい頃、レッドカーペットを歩く人たちの姿を見て“自分にはできないだろうな”と思っていましたが、監督と木村さんと歩くことができて、感動しました」とコメント。さらに「あともう1つ!」と付け加えて、「木村さんと2人で記者会見に向かっていた時のことです。車を降りて、綺麗な服を着た木村さんと腕を組みながら意気揚々と歩いていたんです。ただ、道を間違えていたことが分かって(笑)。木村さんとあわてて道を引き返したのがいい思い出です」と茶目っ気たっぷりに舞台裏を明かした。
一方、スケジュールの都合でヴェネチアに参加できなかった永山と山崎。「(ヴェネチアのレッドカーペットを歩くということは)この仕事をしていて一生に一度あるかないかの出来事。どうにかして行きたかったですね」(永山)、「皆さんと嬉しい瞬間を共有したかったですね。長野の田んぼにいたんですけど、でも気持ちはひとつでした!」(山崎)とそれぞれ悔しさをにじませる一幕も。
そしてこの日の舞台挨拶で、ヴェネチア、トロントに続き、10月に開催される釜山国際映画祭への正式出品決定が発表され、木村は「韓国手話が大きなテーマとなっていて、協力してくれた方々にやっと恩返しができて嬉しい」と喜びを爆発させた。
■ 愛してやまない“LOVEなモノ”について
そしてトークは、矢野顕子さんの名曲「LOVE LIFE」の中に“どんなに離れていても愛することはできる”というフレーズがあることにちなみ、「これだけは愛してやまない“LOVEなモノ”について」の質問へ。
木村は「この2、3年、だいぶアクティブに私生活を送っていたんですが、中でもやはり海とダイビングは大事ですね。(ダイビングをすることもあり)普段はあまりメイクをしないので、(ヴェネチアで)急にばっちりメイクをして衣装を着たら、自分の心が追いつかなくなっちゃって……。いまは海に逃げ帰りたいです」、砂田は「離れていても愛し続けているものといえば、生まれ故郷の愛媛です。両親が故郷にいて、コロナや仕事の都合で5年ほど会えていない。やはり愛は続いていますし、気持ちも伝わっています。もう1つは、ビールです。ヴェネチアの期間中、日本のビールと離れてすごく寂しかった」、永山は「車ですね。不具合も含めなんだかんだ5年ぐらい乗れていないので、乗れる日を楽しみに仕事をしています。どこに行きたいということではなく、とにかく車に会いたい」、山崎は「お母さんの手料理ですかね。普通、年齢を重ねると嫌いなものが好きになったり、濃い味が好きだったのに薄味が好きになったりと味覚が変化していくと思うんですが、お母さんの料理だけはいつ食べても恋しい。実は今日、母が観に来ているんで、緊張しています(笑)。号泣している人がいたら私の母です」とそれぞれ“LOVEなモノ”を明かした。
■ 深田監督からのビデオメッセージ
舞台挨拶中には、ヴェネチアに滞在中の深田監督からビデオメッセージが流れた。
こんにちは。LOVELIFEを監督しました深田です。
今、ヴェネチアにいます。あの、後ろにあるのはメインの上映会場ですね。あの建物のまえにレッドカーペットがあって、5日の夜に木村さんと砂田さんと私とで歩いてきました。
今日は会場に伺えず申し訳ありません。ちょっと自分は居残り組でして、まだヴェネチアにいます。会場には木村さん、永山さん、砂田さん、あと山崎さんがいらっしゃると思います。どうでしょうか? 満席でしょうか? 満席だといいなと思いながら、いまヴェネチアから話しています。
今日は本当に皆さんお越しいただきましてありがとうございます。『LOVELIFE』という作品は、自分が20歳の頃に矢野顕子さんの同じタイトルの『LOVELIFE』という歌を聴いて、とても好きになってそこから何度もその歌を聴いているうちに思いついていった物語です。本当に20年間「撮りたい!撮りたい!」と言い続けていたら、最高の俳優・最高のスタッフの力を得てこうして皆さんにお届けできることになりました! 楽しんでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします!
■ 最後にメッセージ
山崎紘菜:出来上がった作品を拝見して、自分の中にこんなに感情があったんだとか、この感情って何て名前なんだろうという、本当にたくさんの感覚と出合うことができた作品。皆さんには、理解するというよりも“感じて”いただけたら。いろいろな感情と出会えってもらえたら嬉しいです。
砂田アトム:全国の聴こえない人たち、ろう者の仲間たちからたくさんの連絡が届いています。本当に嬉しく思っています。ただ、この『LOVE LIFE』、ろう者のみんなに“砂田アトムが出ているから観に行く“ではなく、純粋に『LOVE LIFE』という作品を観に来てもらえたら嬉しいです。そして全国各地の耳が聴こえない子どもたちに夢を持ってほしい。自分がこの映画に出演できたことをきっかけに、みんなにも夢や希望を持って一緒に歩んでいけたらと思います。
永山絢斗:深田監督の作品が本当に好きで、今回ご一緒できて嬉しかったです。演出もあまり受けたことのないような感じで、今まで突かれたことのないことを突かれた感じがして、自分の中で何かがひらけた感覚でした。大切な作品になりました。観終わった後に、近くにいる家族や友人、恋人に思いを馳せるような時間ができたら嬉しいです。
木村文乃:ポスターに「痛かった、全部。」というキャッチコピーがあり、「重い映画かな」とか「怖い映画かな」と思ってしまう方もいるかもしれないんですが、観終わった後、とても爽やかな気持ちになって帰っていただけると思います。気負いせず、あたたかい光が差すような気持ちになって帰っていただけると思う。それぞれ生きている人たちの物語を楽しんで観てもらえたらと思います。本日はありがとうございました。
(オフィシャル素材提供)
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