2022-02-11 更新
瀬戸康史、さとうほなみ、城定秀夫監督
2月10日(木)、新宿武蔵野館にて、監督:城定秀夫、脚本:今泉力哉によるL/R15のL=『愛なのに』の先行上映会が行われ、主演の瀬戸康史、共演のさとうほなみ、城定秀夫監督が舞台挨拶に登壇した。
近年、続々と話題作が公開され、今最も注目されている今泉力哉監督と、Vシネマ・ピンク映画界のトップランナーにして2021年は『性の劇薬』『アルプススタンドのはしの方』が連続ヒットとなった城定秀夫監督がお互いの脚本を提供しあうプログラム・ピクチャー「LR/15」。
監督:城定秀夫、脚本:今泉力哉による『愛なのに』は、古本屋の店主と、店主にプロポーズする女子高生、店主の憧れの女性など、一方通行の恋愛が交差し二転三転する先の読めないラブ・コメディ。
女子高校生から突然プロポーズされる古本屋の店主、多田を演じた瀬戸は、いまいち掴みきれない多田という役柄について「脚本では、何気ない刺激の少ない毎日をなんとなく過ごしている人物だったので、フワッとしていたいなと思っていましたね。撮影でお借りした古本屋さんが実際にあるお店だったので、その建物が持っている空気も伝わってきて、どうやったらその場に馴染めるのかということを考えていました」とコメント。多田のひげは瀬戸のアイデアだったそうで、それ以外の役作りについても「今まで演じてきた役よりは、声のボリュームやトーンも含め、より繊細なお芝居をしました」と振り返った。すると、隣でそれを聞いていた城定監督が「瀬戸さんがこの作品に出てくれるなら、店に馴染んでも馴染まなくてもどちらでもよかったです(笑)」と会場を沸かせる。
一方、多田の憧れの女性、一花を演じたさとうは「一花は、普通に恋愛もして、結婚式も控えて幸せに見えるんですが、婚約者にひどいことをされまして、ある行動に出ます。自分の中での一花は、猪突猛進な女性。こう!と決めたらそれしか見えなくなってしまうところが、可愛らしいなと思いました」と役柄を分析。
本作の感想を求められた瀬戸とさとうは「本当に変な人しか出てこない、特殊なラブ・ストーリー」(瀬戸)、「みんなちょっとずつおばかちゃんだなというイメージ。ホッとする可愛らしい映画になっていると思う」(さとう)とそれぞれコメント。この言葉を受けて、トークは、多田と一花以外の“真っ直ぐで厄介な”キャラクターたちについての話に。さとうは、中島歩演じる一花の婚約者の亮介を挙げ「言葉を選ばずに言うと、すばらしきクズだと思いました!」とキッパリ。瀬戸は「亮介は嘘がうまいですよね……。一花もなんで今まで(彼の素性に)気づかなかったんだろう?」と賛同しつつ、「中島さんもチャーミングでしたけど、丈太郎くん演じる高校生の正雄がかわいいです。(多田に告白してくる)岬といい、高校生2人はピュアでほっこりしちゃいますね」と“推し”について語った。
こうした突飛なキャラクター造形について、城定監督は「みんなの行動原理はなかなか読めないけど、深く考えずに『こういう人である』として描こうと思ったんです。あまり分かりすぎてしまうと面白くないから、曖昧な部分を残してキャラクターを作り上げていきました」とこだわりを明かす。
城定監督とは初めての仕事となった瀬戸とさとう。瀬戸は「城定監督はめちゃくちゃ照れ屋さんなんです。小道具を動かすついでに話しかけてくれたりとか。でもそんなシャイな監督が、濡れ場のシーンで助監督の男性と一緒に“実践”してくださったんですよ。そこは大胆なんだ!と(笑)。普段とのギャップにびっくりしましたし、僕なんかが恥ずかしがるなんて申し訳なく思いましたね」と述懐。さとうも「私も監督と助監督のシーンが何ヵ月も焼き付いて離れない! いま映画を観終わった後の皆さんは、私たちのシーンをぜひ監督と助監督さんの姿に変換していただいて……(笑)」と笑わせる。
それを受けて城定監督は「瀬戸さんが濡れ場を演じるのは初めてということで、僕自身もどう撮ろうかと緊張していたんですよ。昔はよく実践していたので、久しぶりにやりました。ああいうシーンでしか今泉さんに勝てないと思ったので(笑)」と苦笑い。続けて「素晴らしいキャストやスタッフに恵まれて、素晴らしい映画になりました。自信作です」と意気込みをのぞかせた。
最後に挨拶を求められた瀬戸は「(それまで刺激のなかった)多田の世界が少しだけ広がっていくという話でもあります。この作品を観て、皆さんの世界も何か変わってくれるといいなと思います。そして、僕自身、いまだに分からないのが、タイトルの『愛なのに』に続く言葉。皆さんにもぜひ考えていきたいです」と締め括った。
『愛なのに』は2月25日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
■ L/R15とは?
『愛がなんだ』『アイネクライネナハトムジーク』『mellow』『his』『あの頃。』『街の上で』『かそけきサンカヨウ』と続々話題作が公開。今最も注目されている今泉力哉監督×Vシネマ・ピンク映画界のトップランナーにして2020年は『性の劇薬』『アルプススタンドのはしの方』が連続ヒットとなった城定秀夫監督がお互いの脚本を提供し合い、R15+のラブ・ストーリー2本を制作。異色のコラボレーションによる新たなプログラム・ピクチャー“L/R15”(読み:えるあーるじゅうご)が始動!
(オフィシャル素材提供)