2021-12-28 更新
かつて映画の街であった横浜。30周年を迎えるシネマ・ジャック&ベティ本作『誰かの花』は横浜のミニシアタージャック&ベティ30周年に向けて企画・製作された。
出演は、カトウシンスケ(『ケンとカズ』小路紘史監督)をはじめ、吉行和子(『東京家族』山田洋次監督)、高橋長英(『それでもボクはやってない』周防正行監督)の他、和田光沙、テイ龍進、篠原 篤など実力派俳優、若手俳優・村上穂乃佳、横浜に縁の深い大石吾朗、渡辺 梓、寉岡萌希、堀 春菜、笠松七海らがジャック&ベティ30 年映画に集結した。本格的な映画出演がはじめての子役・太田琉星は素晴らしい演技力をみせている。
監督に起用されたのは、長編2作目となる奥田裕介監督。前作『世界を変えなかった不確かな罪』(17)はコアな映画ファンを中心に高い評価を受けている。横浜出身の監督ならではの視点で、そこに住まう人と心を真摯に捉え丁寧に描いた物語となっている。
鉄工所で働く孝秋(カトウシンスケ)は、薄れゆく記憶の中で徘徊する父・忠義(高橋長英)とそんな父に振り回される母・マチ(吉行和子)のことが気がかりで、実家の団地を訪れる。しかし忠義は、数年前に死んだ孝秋の兄と区別がつかないのか、彼を見てもただぼんやりと頷くだけであった。
強風吹き荒れるある日、事故が起こる。団地のベランダから落ちた植木鉢が住民に直撃し、救急車やパトカーが駆けつける騒動となったのだ。父の安否を心配して慌てた孝秋であったが、忠義は何事もなかったかのように自宅にいた。だがベランダの窓は開き、忠義の手袋には土が……。
一転して父への疑いを募らせていく孝秋。「誰かの花」をめぐり繰り広げられる偽りと真実の数々。それらが亡き兄の記憶と交差した時、孝秋が見つけたひとつの〈答え〉とは。
(2021年、日本、上映時間:115分)
キャスト&スタッフ
脚本・監督:奥田裕介
製作:横浜シネマ・ジャック&ベティ30 周年企画映画
出演:カトウシンスケ、吉行和子、高橋長英、和田光沙、村上穂乃佳、篠原 篤、太田琉星ほか
配給
GACHINKO Film
2021年12月18日(土)~12月24日(金) 横浜ジャック&ベティ先行上映 2022年1月29日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開
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