インタビュー・記者会見等、映画の“いま”をリポート!

Cinema Factory

Cinema Flash



作品紹介

トップページ > 作品紹介 『名付けようのない踊り』

2022-01-25 更新


名付けようのない踊りunnameable-dance
©2021「名付けようのない踊り」製作委員会

イントロダクション

 1966年からソロダンス活動を開始し、1978年にパリ秋芸術祭で海外デビューを果たしたのをきっかけに、世界中のアーティストと数々のコラボレーションを実現してきた田中 泯。そのダンスの公演歴は、現在までに3000回を超える。映画『たそがれ清兵衛』(02)から始まった映像作品への出演も積み重なり、これまでのフィルモグラフィーには、ハリウッドからアジアまで多彩な作品が並ぶ。そんな独自の存在であり続ける田中 泯のダンスを、『メゾン・ド・ヒミコ』(05)への出演オファーをきっかけに親交を重ねてきた犬童一心監督が、2017年8月から2019年11月まで、ポルトガル、パリ、東京、福島、広島、愛媛などを巡りながら撮影。この間に田中 泯は72歳から74歳になり、3ヵ国、33ヵ所で踊りを披露した。その道中を共にするのは、ドラマーの中村達也、音楽家の大友良英、編集学者の松岡正剛、ハンガリー人ヴァイオリニストのライコー・フェリックスなど豪華な顔ぶれだ。

 同じ踊りはなく、どのジャンルにも属さない田中 泯の〈場踊り〉を、息がかかるほど間近に感じながら、次第に多幸感に包まれる――そんな一本の稀有な映画を、ぜひスクリーンで体験して欲しい。

 〈踊り〉のはざまに、カメラは田中 泯が農業を営む山梨の村へと分け入る。1985年、40歳の時、田中 泯は野良仕事で身体を作り、その身体で踊ると決めた。そんな彼が、サンタクルスの街角で「幸せだ」と語る姿は、時代は移り変わっても好きなことを極め、心のままに生きる素晴らしさを気付かせてくれる。

 田中 泯はどのような道を辿って、その境地に行き着いたのか。村ではどんな日常を送っているのか──そこに映し出される生き方には、犬童監督が「生産性や効率のみを重視する現代社会の、歯止めになろうとする田中 泯の姿を、生き方のヒントとして、観る人に投げかけたい」と語る、人生のマスターとしての姿がある。

 また犬童監督は、田中 泯の生き方の根底にあるものを、『頭山』で海外の名高い賞に多数輝く山村浩二によるアニメーションやシネカリグラフィという手法で綴る。子ども時代が情感豊かに点描され、「子どもらしさを共存させて生きること(私のこども)」「心がふくれあがるような瞬間を大切にする」といった田中 泯の想いが、つまびらかになる。


unnameable-dance

unnameable-dance

unnameable-dance

unnameable-dance

unnameable-dance

unnameable-dance

unnameable-dance

(2021年、日本、上映時間:114分)

キャスト&スタッフ

脚本・監督:犬童一心
エグゼクティブプロデューサー:犬童一心、和田佳恵、山本正典、久保田 修、西川 新、吉岡 俊
プロデューサー:江川 智、犬童みのり
アニメーション:山村浩二
音楽: 上野耕路
音響監督: ZAKYUMIKO
撮影:清久素延、池内義浩、池田直矢
編集:山田佑介
出演:田中 泯、石原 淋、中村達也、大友良英、ライコー・フェリックス、松岡正剛ほか

配給
ハピネットファントム・スタジオ
2022年1月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9、Bunkamuraル・シネマほかにて全国公開

■ オフィシャル・サイトhappinet-phantom.com/unnameable-dance/ (外部サイト)



関連記事
第34回東京国際映画祭Q&A
外国特派員協会記者会見
公開記念舞台挨拶

Page Top