2021-11-13 更新
寺田 農、永島敏行、荒井敦史、左伴彩佳(AKB48)
金子修介監督、宮下玄覇共同監督
映画『信虎』の初日舞台挨拶が11月12日(金)、東京・TOHOシネマズ日本橋で行われ、主演の寺田 農、共演の永島敏行、荒井敦史、左伴彩佳(AKB48)、メガホンをとった金子修介監督、共同監督の宮下玄覇氏が登壇した。
戦国の名将・武田信玄の父であり、甲府を開府した信虎の晩年を描いた本作。信玄によって甲斐を追放され、駿河を経て京に住み、足利将軍の奉行衆となった信虎は、追放より30年の時が流れた元亀4年(1573年)、信玄が危篤に陥ったことを知り、再び武田家にて復権するため甲斐への帰国を試みるも、信濃において武田勝頼とその寵臣によって阻まれる。信虎は、信長との決戦にはやる勝頼の暴走を止められるのか。齢80の「虎」が、武田家存続のため最後の知略を巡らせる――。
信虎役を演じる寺田は、今回、79歳にして主演作が全国公開となった心境を尋ねられると「公開は今年ですが、作品を撮ったのは一昨年の77歳。喜寿ということで、いろんなことをお祝いされてこのお話をいただいたので“長生きはしてみるもんだな”と大変嬉しかったですね」と吐露し、これまでNHK大河ドラマでは平幹二朗さんや仲代達矢さんが信虎を演じてきたことが話題に上がると「それは誰がどうやろうと私は全然関係ないし、皆さんにとっては今日ご覧になる信虎が信虎なんだろうと思います」と語った。
信虎の嫡男・武田信玄と信虎の六男・武田逍遥軒の2役を演じる永島は、NHK大河ドラマ『風林火山』で信玄を2度破ったと言われる村上義清を演じたが、今回、信玄を演じた感想を聞かれると「そんなに深くは考えていないんですけど、この役をもらったときも、村上義清をもらったときもそうなんですけど、信玄の地元とか、義清の地元を訪ねると、この土地があったからこの人たちは生きてこられたんだって感じて、役をやる上で大事だなと思いました」とコメントし、信玄と逍遥軒の演じ分けについては「日ハムの新庄(剛志)監督はビックボス。信玄は勝たせなきゃいけないし、チームをまとめなきゃいけない。そういう意味では信玄はビックボス。逍遥軒はそれほど責任がない。ちょっと気楽な感じかなと思って演じております」と明かした。
信玄の四男で武田家陣代・武田勝頼役を演じる荒井は、黒澤 明監督の映画『影武者』では勝頼を萩原健一さんが演じたが、金子監督や宮下氏から「ショーケンを超えた」と絶賛の声が飛ぶと「ありがたく受け取りつつも、到底、足元にも及ばないので、精進していきたいなと思います」と恐縮しつつ、「言ってもらえたということは見出しにしてもらって、荒井敦史の名前を広めていただければと思います」と報道陣にお願い。
また、寺田と共演しての感想を求められた荒井は「本当に勉強をたくさんさせていただきました。当時ずっとビビっていた記憶しかなくて(笑)、勝頼をやっているんですけど、カットがかかった瞬間に金子監督の顔を見て『大丈夫ですか?』って、ずっと“ひよこ”の気分でいたんですけど、それが画に出ていなければいいなと思います」と心配したが、そんな荒井の勝頼について寺田は「素晴らしいですよ。今、時代劇というのがテレビから敬遠されている中で、荒井さんが素晴らしいのは『水戸黄門』をやっていたから、そういうことがベースにあって、セリフの明瞭さと、言うことを聞かない孫というのがよく出ていますよ!」と褒め称えた。
武田家のお膝元・山梨県出身で信虎の娘・お弌役を演じる左伴は、本作で映画&時代劇初出演となったが「金子監督の作品に呼ばれたことが本当に嬉しくて、この壇上にいる俳優の方々と共演できると思ったら、“自分って芸能人なんだ”って、実感させられました」と声を弾ませ、「これは舞台挨拶で初めて言うんですけど、武田二十四将の中の1人の武将の方が、私の母方の親戚だったというのが分かって、土屋(昌次)さんっていうんですけど(本作にも)出てくると思うので見てみてください。これも何かの縁だなと思って、今回この素敵な映画に出られて本当に嬉しかったです」と笑顔を見せた。
続けて、本作でお弌は信虎から縁談の話を持ちかけられるというシーンも描かれていることにちなみ、左伴が結婚するならどんな人が理想か尋ねられると「私は理想が高いので、優しい方とか、守ってくれる方とかなんですけど、隣にいる寺田さんのように優しくて、話も面白くて、気さくにお話ししてくれるような素敵な方と出会えたらいいなと思っております」答え、寺田が「何ともはやですね。人を見る目がない」と照れを隠すと、左伴は「撮影のときも、演技が初めてだったので戸惑っていたらアドバイスをしてくれたり、優しく教えてくださって、最初はすごく怖そうだなと思っていたんですけど、そんなことなくて本当に優しかったです」と続けると、寺田が頬を緩めて照れ笑いを浮かべた。
製作総指揮、共同監督、脚本、美術、キャスティング、時代考証など多岐に渡って担当した宮下氏は、大変だったこと尋ねられると「ロケが大変でして、私は美術装飾を担当していたんですけど、皆さんは撮影が終わられたら帰りますけど、私はそのあとに翌日の小道具の準備をしていて、それがものすごく大変でした。日中はメイクやかつらの手直しや所作の指導をやっていまして、目が回るようでした」と苦労を明かした。
そして、『ガメラ』シリーズや『デスノート』など、数々の大ヒット作を手がけてきた金子監督は、「映画は全部いろいろな制約の中で作っていくもので、時代劇も約束事というのがあるので、それを守りながらやっていくということと、当時のリアルな空気を醸し出すために、自分のいつものテンポ感というのは殺して、当時の空気を流そうと演出したつもりです」と明かし、「ロマンポルノとは違いますし、『デスノート』とも違いますね。でもちょっと怪獣映画と似ているところはあるかな(笑)」と笑った。
最後に寺田は「今日は信虎、信玄、そして勝頼。親子三代揃い踏みということになりましたが、信虎、信玄、勝頼の三代をもってしても成し得なかった500年前の日本全国統一を、ぜひこの映画がヒットすることで武田家の野望を叶えたいと。そんなふうに思います」と言葉に力を込め、「今日、お越しのお客様は、お帰りになったら必ずお友だちに『ぜひ観ておいたほうがいいよ』と電話とかメールをしてください。時代劇の文化を絶やさないように、宣伝をよろしくお願いいたします」とアピールした。
(オフィシャル素材提供)
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