2021-08-30 更新
『ヌーのコインロッカーは使用禁止』は、発達障害の話に感銘を受けた上西が脚本を書きあげ、自身が主宰する劇団テンアンツで2018年に舞台初上演。その後、『ひとくず』の次に映画として製作された。ヌーのイメージは、発達障害でありながらも素晴らしい絵を描く青年、山﨑 宥さんがモデルになっており、劇中のヌーが描く絵も担当している。
ヌーを演じるのは、古川 藍。『ひとくず』では、子供の頃に虐待を受けて幼い娘と接し方が分からず育児放棄してしまう女性を演じたが、本作では孤児院で育った発達障害の女性という難役に挑んでいる。他、田中要次、菅田 俊、木下ほうか、白川和子、田村 亮が出演。ヌーの少女時代を『ひとくず』の鞠役の小南希良梨が演じる。黒迫を上西雄大が演じ、ヌーの担当施設職員・瀬戸瑠璃子を徳竹未夏が演じている。
また、主題歌「ヌー」をシンガーソングライターの山崎ハコが書き下ろした。
本作は、2022年ユーロスペース、第七藝術劇場ほか、全国順次ロードショー。
発達障害者の那須 叶(なすかなえ)。通称ヌー。彼女は母親を求めながら、赤ん坊の頃捨てられたロッカー“ぬ5515”を守り続け、毎日コインロッカーの前で絵を描き続けていた。
ある日、刑務所から出所した男・黒迫和眞(くろさこかずま)と出会う。黒迫は別れた妻子に金を送るため、現在はヤクザである友人の木嶋から紹介してもらった覚醒剤売買で金を稼ぐ。ヌーのコインロッカーの傍で覚醒剤売買をしながら、次第にヌーに興味を持ち、思い付きでSNSでヌーの絵をアップし始める。海外の有名アーティストから絵を買いたいとの連絡が入り、高額で売ろうとした黒迫だったが、ヌーの純粋な心に触れ良心が生まれる。
そんな時、ヌーが白血病により倒れ余命を宣告される。黒迫はヌーに、適合した自分の骨髄を移植するが、覚醒剤売買が発覚し、警察に連行される。
病院を抜け出し冷たい雨に打たれながら黒迫を追って警察署の前で再び倒れたヌーは、無理がたたり亡くなってしまう。釈放された黒迫はヌーの担当施設職員・瀬戸瑠璃子によって、ヌーが黒迫へ残したたくさんの絵と想いを受け取る。
(2021年、日本)
キャスト&スタッフ
脚本・監督・プロデューサー:上西雄大
主題歌「ヌー」作詞/作曲/唄:山崎ハコ
絵画協力:山﨑 宥
企画・製作・制作:10ANTS
出演:古川 藍、上西雄大、徳竹未夏、田中要次、菅田 俊、木下ほうか、白川和子、田村 亮(特別出演)ほか
配給
10ANTS
2022年ユーロスペース、第七藝術劇場ほか全国順次ロードショー
■ 公式サイト: https://nu-coinlocker.com (外部サイト)
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