2021-06-30 更新
篠原ゆき子、内田伸輝監督
日本映画界を代表するプロデューサー奥山和由が、初めて女性のために製作した映画『女たち』が全国公開中。この度、主人公・美咲を演じた篠原ゆき子と、本作の内田伸輝監督が舞台挨拶に登壇した。
MCを務めたのは内田伸輝監督。内田と主人公・雨宮美咲を演じた篠原ゆき子が登壇し、二人の挨拶からイベントはスタート。
始めに内田は「本作は去年の夏、コロナ禍の中、一丸となって撮影してなんとか完成しました。緊急事態宣言などでご挨拶できる機会が無かったんですが、こうして皆様にご挨拶することができて本当に嬉しく思います。本日はご来場いただきまして本当にありがとうございます」と、待望の有観客舞台挨拶で喜びを語った。篠原も「念願(初の有観客舞台挨拶)が叶って本当に嬉しいです。大変なご時世の中、いらして下さりありがとうございます。楽しんでいってください!」と監督と同様、喜びを露わにした。
挨拶が終わり二人のトークに。篠原はまず「本作を観た友人などに『女たち』についてよく質問されるので、本当はQ&Aのようなことを観客の皆様とご一緒にしたかったです。謎の多い映画ですしね(笑)」と、謎の多い映画を観客と紐解くことのできないご時世に残念な想いを告白した。それに対して内田は「伏線の回収というのが、日本映画の主流になっている中、あえて伏線を回収しない本作の謎も含めて楽しんでほしい」と本作への想いを吐露した。次に撮影の話になり、篠原は「本当に大変でした。対策を徹底していたので皆さんとご飯も全然いけなかったですし、粛々と静かに映画を作った感じがしていた」と、コロナ禍ならではの撮影の厳しさを語った。また、監督がどのシーンが印象に残っているかと聞くと、「このポスターになったシーンです」と真横のパネルを指さす。すごく難しく、かつ思い出深いと語るその場面は篠原と、親友役・香織を演じる倉科カナの場面。演技の話をするかと思いきや、篠原は「撮影場所にヒルがいて、地面からも這い上がってくるし、上からも降ってきて恐怖でしかなかった」とユーモアあふれる発言で笑いを交えて撮影秘話を語った。そしてさらに撮影場所がパラグライダー場だったとのことで、「ベンチで二人が語り合うシリアスな撮影中、目の前にパラグライダーが着地してきて、パラグライダーを見ながら亡くなった父の話をしたりしていて、すごくシュールだよね」倉科と話していたという裏話も披露した。
篠原に質問がしたいという監督が「感情を入れるシーンで必ず足踏みをしていたけど、それで感情を引き出しているんですか?」と問うと、篠原は「無意識でしたが、高畑淳子さん演じる美津子の迫力がすごかったこともありますし、急には役に入れないので、事前に行動を起こして順に役に入っていく。毎回アクションは違うと思います」と、自身の演技について話し、内田は「台本を読み文章化して役を作っていくと思いますが、現場に入ると素晴らしい方々がいるので、台本に縛られないように踏み越えてもいいし、戻ってきてもいい。目の前にあるもので自由に演じてほしい」とあくまで台本は旅行のガイドブックのようなものと比喩し、自身の監督としてのモットーを述懐した。
逆に篠原からも内田に「奥山さんが序盤に命名した『女たち』ですが、監督がもし本作に自由にタイトルをつけるとしたら?」と問うと、「面白い質問ですね」内田は少々驚きながらも「洋画のフォレストガンプ(『フォレスト・ガンプ 一期一会』)のように、主人公の名前をストレートにタイトルにする『雨宮美咲』というのは、邦画ではなかなかないですし一度はやってみたい」と柔軟な思考で対応した。
終了時間も迫ってきた中、内田から「長い間、お客様の前で舞台挨拶をできる状況ではなかったので、本当に皆さまの前に立って挨拶できることが本当に嬉しくて仕方ないです。これからもいろいろな所で少しづつ上映して盛り上げていきたいと思っているので、感想などSNSで書いていただけたら嬉しいです。本当にありがとうございました」と舞台挨拶の終了を惜しみながらの挨拶。
最後に篠原は「監督もおっしゃったように、こうしてお客様の前で挨拶ができるというのは本当に嬉しいです。もし何か、少しでも心にこの映画が引っかかってくれたら、友人などと共有していただけると嬉しいです。本日はありがとうございました」と締めくくった。
(オフィシャル素材提供)
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